私は誰…?
「きゃっ?!」
掛かる、と思ったその液は私には掛からなかった。
いや、正確に言うと私に弾かれた。
まるで、私の周りに薄い膜があるかのように。
何が起こったのか分からなかった。
「な…?!」
その人も絶句している。
「貴方様は………、まさか、、」
青髪のその人が口を開く。
もしかして、今ので悪魔だって、バレた、の……?
だが、その後に続いた言葉はとても予想できたものではなかった。
「大天使様の、娘様であられますか……?」
…………………?
……え?
あまりの突然の出来事に言葉が出なかった。
私が、天使…?
そんな訳ない。
だって、だって天使は、、
私の、お父さんとお母さんを奪ったじゃん……
悪魔であることだけを理由にして……
「……私、違う。そんなんじゃ、ない………」
掠れた声でどうにかそれだけ口にする。
その言葉は自分でも分かる程に震えていた。
「いいえ、何よりこの薬が弾かれたことが証明しております。
先程は、ご無礼をお許しください、姫。」
急に言葉が丁寧になり、何だか色々な意味で怖かった。
……姫?私が?大天使の娘?……悪魔なのに?
……天使は、お父さんとお母さんを、殺したのに…?
様々な疑問が頭の中をよぎる。
「大天使様に娘様が生まれたとは聞いたことがありましたが、、
お会いできて光栄です。
帰ってきて下さり嬉しい限り。
詳しい話は城でお聞かせ下さい。
とりあえず城へ、家へ帰りましょう、姫。」
……家?天使の?
………天界に、私の家?
私は生まれてからずっと人間界に住んできた。
だから、天界に私の家が、あるはずなんてない。
私の家は、今の私の家は、
お義母さんとお義父さんのいるあの家。
天界には私の、悪魔である私の居場所なんかあるわけない。
これは、罠、なの……?
それとも、本当……?
だとしたら、お父さん、お母さんは、、
分からないよ。
頭の中がぐるぐるする。
とにかく落ち着こう、と大きく息を吸う。
乱れた呼吸も次第に何とか収まってくる。
よし、大丈夫。
「とにかく、私、天使ではありません。
私は生まれた時からずっと人間です。
だから、その城というとこにも帰りません。」
今の私の精一杯の冷静さを保って何とか言い切った。
「帰られたくない、とおっしゃりますか……。
とりあえず私は今日は帰ります。
その後の判断も含め聞いてきますので。」
そういうとその人はドアの鍵を開けてから、
天馬さんと同じように消えていった。
とりあえず、教室に戻ろう。
案内を始めた昼休みも終わりが近づいていた。
そろそろ5分前のチャイムがなるはずだ。
そうして私は出来るだけ
何も考えないようにしながら教室へと戻った。
こんにちは。
まず最初に謝ります。すみません。
今回は話がいつもより短いです。
話を書きながら(打ちながら?)
なんか最近さわを出してないなー。と思いました(笑)
次の登場がいつになるかは分かりませんが
早く登場させられるよう頑張ります、、