だって私は……。
今回は長い前書きは無しで行きます!
それでは本編スタートです
「大澤、俺と付き合ってください。」
「…え?」
突然の告白に私は驚いていた。
率直に嬉しかった。
私もきっと、さわが好きだから。
…でも、私にさわと付き合う資格はあるのだろうか。
だって私は……。
しばらく黙ったままの私を見てさわは言った。
「…ごめん。急に。でも本気だから。」
嬉しい。嬉しいけど、だけど……。
「ううん、本当に嬉しい!でも本当に私なんかでいいの?」
「…私はいつさわの前から居なくなるか分からないよ…?」
後半はとても小さな声だったから、きっとさわにも聞こえなかっただろう。
もはや独り言のような感じだった。
「うん、当たり前。返事、お願いしてもいい?」
正直迷った。付き合いたいけど私は、
……悪魔だから。
それでも私はこの運命に抗ってみようと思えた。
だから、
「宜しくお願いします、」
そう返事をした。
ーーーーー
この世には大きく分けて3つの世界がある。
天使や悪魔などが住んでいて、また私の故郷でもあるらしい天界、
魔法使いの住む魔界、そして人間の住むここ人間界。
その3つの世界はある場所から行き来できるようになっている。
私の親は悪魔。そしてその子供の私もその血が入っている。
でも私は天界には行ったことがない。
だけど小さい頃から悪魔のことについては嫌と言う程聞かされた。
天界では悪魔は天使に蔑まれている。
その昔、天使は見た目が黒い私達悪魔を
忌むべき存在だと、天界の端っこへと追いやったそうだ。
そうしてできたのが悪魔の国、デービール。
そこは天使の住む所からは完全に隔離されていた。
また、それは現在でも続いているようで、
最近ではさらに酷くなってさえいるらしい。
天使と魔法使いが手を組んだのだ。
天使にとって悪魔は忌むべき存在。居なくなるに越したことはない。
また魔法使いにとって悪魔は興味深い存在。どこから聞いたのかは知らないが「悪魔からは魔力を上げる薬が作れる」などと言っているらしい。全くもってそのようなことはないが。
そこから始まったのが
「悪魔狩り」だった。
天界の端っこで細々とだが幸せに暮らしていた悪魔の日常は悪魔狩りによって崩壊していった。
悪魔狩りはあまりにも残酷だった。
天使や魔法使いが悪魔を捕まえにきたのだ。
抗えば殺され、捕まれば魔法使いの実験に使われる…。
私の両親はどうにか悪魔狩りを逃れ、
この人間界に逃げてきて私を産んだらしい。
しかし、両親は私が小さい頃に死んだ。
外出中に偶然人間界にいた魔法使いに捕まったのだ。
父は母を庇って捕まり、
私のいる家へ向かおうとした母も
その途中で天使に見つかり魔法使いを
呼ばれてしまい捕まってしまったらしい。
一人残された私は親から教わった方法で
人間に化け、とある施設へ預けられた。
幸いにも引き取り手が見つかり今は人間と共に暮らしている。
だが、私はいつ死んでもおかしくない。
いつも考えている。親と同じようにあっさりと捕まって、死ぬまで実験に使われることを。
ーーーーー
「え、ありがと!…本当に嬉しい」
時は再び先程の教室。
私はさわにお礼を言われたところだった。
「いや、こちらこそ。嬉しい、です。」
顔がとてつもなく熱い。
顔から湯気が出てるのではないかという程だ。
「じゃあ、帰ろうか」
そうして手を差し伸べてくれたさわの手を取ると帰る準備をして一緒に教室を出た。
私が人間と恋に落ちるなんて…いいのかな。
ふとそんなことも思ったが、種族なんて関係ない、と自分に言い聞かせた。隠し事はしたくないが、さわには私が悪魔だと気づかれないようにしなくちゃいけない。
そう決意した。
気づかれたらきっと、嫌われてしまうから。
ふと現実に戻り、改めて手を繋いでいるという事に顔が熱くなる。
握っている私の手からさわの手を伝って
私の鼓動が伝わってしまうのではないかとドキドキした。
こんにちは。kiri。です。
なんと知日は悪魔でした。とっても驚きですね、はい。
前回に引き続き甘めのお話ですがしばらくこんな感じが続きます。
まあリア充爆発しろよ。
とでも思いながら読んでいてくださいね(笑)
私ですか?私も勿論携帯リアルに充電中ですよ…。