夢フワリ
夢から覚めて、涙がこぼれた。
いるはずのない人を捜し、部屋を見回す。
温もりを感じた。
フワリ。フワリ……。
覚悟と決意はもろくてあやふやで。
それでも我が身を奮い立たせる。
柔らかな笑顔。凛々しい口調。
その全てが愛しくて、悲しくて。
触れた指の温かさ、今も手の中にある。
人は星にならない。
でも、星の輝きの様に光りを放つ。
太陽の力を借りて……。
降り注ぐ眩しさは、私を優しく包み込む。
いるはずのない人の様に。
包まれて感じる温もりにまた涙する。
来世があるのなら。
来世でもう一度巡り会いたい。
この世の未練を断ち切って、もう一度出会いたい。
ほほつたう涙はとめどなく流れる。
触れた指の温もりじっと手を見る。
あなたを感じながら、じっと手を見る。
叶わね約束。来世で叶え、二人手を取り生きていきたい。
青い空の下、桜の花散る道を二人歩きたい。