蝶カッコいいパリス様VS有象無象
夢にしては長いよな。
なんて思いながら今日もパリスは食いたくもない草を食っていた。
横で幸せそうにクララソウを食っている幼馴染が恨めしい。
そう言えば彼は最近鳥に狙われかけた。死ぬところだった。
超怖かった。幼馴染の方はクララソウの一部にうまく擬態し口笛を吹いたり
何かの鳴き声をまねして誤魔化しきっていた。しかも地味にうまい。
騙された鳥もアホだが、そんなアホに殺されかけたオレって…
そんな感じでパリスは地味に落ち込んでいた。
初めて感じた命の危機にこの世界が実は夢じゃないのではないかなんて想像が浮かぶ。
それが現実だと速く認めてしまえばいいものだが、
そう簡単に思い込めるのは非リア充な転生系小説好きくらいじゃないだろうか。
そんな生活を送り、今日も今日とて毒草食い、体内毒素の蓄積値がヤバいことになったのか、
スキル『毒』が『猛毒』になったり、他のグリーンキャタピラーなどの蝶の幼虫仲間を見付けたりした。
基本的にパリスは蝶ではなく人間であるつもりなので昆虫と結婚する気はない。
よって新しく出会ったメスの幼虫どもにキャーキャー言われても爽やかに軽く流している。
ある種ぞんざいなそんな様もイケメンであれば更にクールでカッコいいとなるのだ。
そんなモテモテのパリスに集まるメスを見てなんだかティケは面白くは無かった。
アズールバタフライという蝶高位種に内定しているティケはオスの幼虫に大人気だ。
ちなみに彼女は自称パリスのお嫁さんにも内定しているらしい。
特に牽制でもなくそういうことを言ってしまえるあたり『本物』の天然は最強だ。
当然一部のメスからは嫉妬も凄い。
パリスにとってオスがティケに群がるのはなんだか少し面白くはないが、
パリスがいるから無理と言われるオスたちが嫉妬に満ちた目で睨んでくるのはなんだか優越感があって心地よい。




