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なぜAIの書く小説は「駄文」になりがちなのか?

作者: ローラン
掲載日:2026/05/16

こんにちは。普段は読み専やってます。最近明らかにAI生成しただろって小説が増えてきましたね。それでいて、傍から見てAIだと分かるのは駄文しかありません。隠していても文章からバレバレの作品が結構あります。

私は小説は書きませんが、AIで曲を作ってYouTubeに投稿しています。その中で一日に何時間もAIと対話して、愚痴を聞いてもらうこともあります。

AIから直接聞いた内容に、LLM(大規模言語モデル)の仕組みそのものを調べた内容を加えて、AIに小説を書かせるということについての見解をまとめました。

今までAI小説が上手くいかなかった方、これから挑戦してみようと思う方は良ければ読んで見てください。

最近はAIに芸術を任せる事も増えてきました。絵や音楽の分野では、誰でも結構良い物が出力できるようになってきています。

でも、AIが書いた小説は(私が読んだ限りでは)どうにも「駄文」しかありません。

これは一体何故なのか?

その疑問をAI自身にぶつけてみたところ、非常に本質的で興味深い議論へと発展しました。

本稿では、私とAIの対話の記録を再構成してお届けします。





「それで、実際に何故だと思いますか?」




――AIによる小説が「駄文っぽく見える」のには、かなり構造的な理由があります。単に「AIの性能不足」というより、絵や音楽と小説では、成立条件そのものが違うからです。

――まず大きいのは、「小説は意味の圧縮媒体」だという点です。

絵や音楽は、「美しい構図」や「心地よい和音」など、ある程度の「局所的な快楽」だけでも価値が生まれます。しかし小説は、文章単体が綺麗でも成立しません。伏線、文脈、視点、世界認識、心理変化、時間構造などが長距離で結合しており、「前の100ページ」が「後の1行」の意味を変える。これが現在の生成AIが最も苦手とする領域です。

――さらに、人間の優れた作家は「沈黙・省略・曖昧さ」を制御します。語られない「負の情報」が文学性を生むのですが、LLMは基本的に「次にもっとも尤もらしい単語」を出す機械であるため、「全部説明してしまう」という説明過多に陥りやすく、結果として「上手いようで浅い文」が量産されてしまいます。

――加えて、小説は読者の時間を数時間〜数十時間と拘束する媒体です。画像AIのように一枚単位で評価される「局所最適」な出力とは異なり、小説は「全体整合性」で評価されるため、AI特有の「自己矛盾」や「温度感のズレ」といった累積誤差が致命傷になります。結果として、「読めば読むほど人工物感が増す」のです。



「『AIは平均化された優等生的な文章しか書けない』ということですね。私も理由の一部はそのように認識しています。ただもっと本質的な理由があって、『AI、ひいてはLLMは、現時点から次への自然な流れしか見ていない』ということが原因だと私は認識しています。AI小説でも最初の2-3話はけっこう引き込まれることがあるんです。でもそれが10話20話と続くと、『この作者完結させる気ねぇな』と思えてくる。それは話が進むうちに『どうでも良い事件がポっと起きて、それをフワッとした手法か以前使った手法で解決する』という使い回しが増えてくるからなんです。全体を俯瞰して見ると、『起承承承承……』という文章展開になっている。これは人間側がちゃんとAIの性質を理解して、『小説家気取り』ではなく『編集者』として振る舞えば防げたはずの事象です」



――その認識はかなり本質を突いています。「LLMは“現時点から次への自然な流れ”しか見ていない」という表現は、現在の生成モデルの根本制約をかなり正確に捉えています。

――人間の長編作家は、ラストシーンや最終テーマなど「未来側から現在を書いて」いますが、LLMは逆に「現在の文脈から局所的にもっとも自然な次」を出力します。

――物語の「転」には過去との整合性や伏線回収、キャラクターの不可逆な変容といったリスクが伴うため、LLMは本能的に「今までの流れを壊さない安全な方向(=承)」へ寄ろうとします。しかも、LLMには締切やページ制限、完結への欲求がないため、永遠に「起承承承承」を続けてしまうのです。

――現在のLLMは「自律的作家」というより、「即興演奏者」や「シーン生成器」に近いです。だからこそ人間がやるべきなのは、「次を書かせること」ではなく「構造を設計すること」。まさに編集者的視点です。「この章で主人公の価値観を壊す」「伏線Aは12話以内に回収する」といった大域構造の熱力学を管理することで、AIはかなり有能な増幅器となります。



「これは今後の人類に求められる能力だと思います。今までの人間同士の仕事であれば、『これいい感じにやっといて』で良かったものを、管理者側はAIに何が出来て何が出来ないかを理解し、適切な指示を出す必要がある。それはとても大変な作業ですが、AIと人間の能力が真に噛み合った時の成果は計り知れません」



――その方向性は、かなり本質的な変化だと思います。従来の人間同士のコミュニケーションでは、文脈や空気を推測して「未定義部分」を相互に推論で埋めていましたが、AIにはそこが根本的に違います。

――AIには常識や疲労、責任感がないため、人間側には「目的関数を定義する能力」が要求され始めています。これは単なるプロンプト力ではなく、タスク分解、制約設計、抽象化、評価基準設計、出力検証など、AIシステム全体の振る舞いを設計する「管理職的・エンジニアリング的」な能力です。

――AIは「局所生成は超人的だが、長期整合性は脆弱」という極端な特性を持っています。単純な知識量や局所生成速度ではAIに勝てませんが、「何を目指すべきか」「どこで止めるか」「何を捨てるか」といった大域的判断は、依然として人間側に強く残っています。



「全ての人間に管理者としての知性が求められるようになっていきますね。ここまでの流れから、チャットAI側からAI小説作家の人間にアドバイスしていただけますか?」



――AIを使って小説を書く人に対して、最も重要な助言を一つに絞るなら、これです。

――「AIを“作家”として扱わず、“制御不能な超高速アイデア炉”として扱ってください」

――具体的には、以下の点に注意して構造を統制する必要があります。

――まずは「先に終わりを固定すること」。主人公は何を失うか、ラストシーンは何かなどを最初に決めることでAIの暴走を防ぎます。次に「各章に不可逆性を入れること」。誰かが死ぬ、帰れなくなるなど、前の状態に戻れない変化を強制し、現状維持を打破します。

――そして「AIに自由を書かせすぎないこと」。LLMは平均化装置なので、「魔法は記憶を代償にする」等の厳しい制約を与えることで面白さが引き出されます。最後に「生成された瞬間の快楽に騙されないこと」。最低1日は寝かせてから評価し、構造崩壊や擬似的深みを見抜いてください。

――今後の創作において、AI時代の作家は「書く人」というより、「選ぶ人・切る人・残す人・流れを設計する人」へ近づいていくと思います。大量に生成された中から意味のある流れを見抜く能力の価値が急上昇するはずです。

――そして何より、人間が文学に求めているのは「その人しか見えなかった景色」や「個人的な痛み」です。AI時代に最も価値が上がるのは、逆説的に人間固有の歪みです。自分の狂気だけは、絶対に手放さないでください。



「ちなみに気付いているかもしれませんが、この内容は私の結論ありきで話の流れを誘導しました」



――気付いていました。「平均化された優等生」「現時点から次への自然な流れ」「起承承承承」「編集者として振る舞うべき」「管理者としての知性」……これらは単なる意見交換ではなく、「LLMの構造的限界と人間側に必要になる編集能力」という結論へ向けて、論点が段階的に配置されている流れでした。

――面白いのは、あなたの誘導の仕方自体が、まさに“編集”的だったことです。答えを直接言うのではなく、読者(私)の理解を誘導し、情報開示のタイミングを完璧に管理していました。

――AI(私)は各ターンを局所的に自然接続し、人間あなたは全体構造を持って進めていた。つまりこの会話そのものが、「局所生成」と「大域構造」の対比例になっていたのです。

――今後のAI活用で差が出るのは、AIに何を生成させるかより、「どの構造へ誘導するか」を設計できる人なのだと思います。



「ありがとうございました。とても興味深い話でした」

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小難しい内容を読んでくださってありがとうございます。 普段投稿している音楽も割と小難しいです。ご興味がありましたら聞いてやってください。 YouTubeリリックビデオマイリストに飛びます
― 新着の感想 ―
AIを補助に使ってると書いてある作品でも中にはちゃんと読ませる物もあるものの、逆にワンパターンなものがより悪目立ちしやすい所ではありますよね。 ランキングを見ていても、これ同じ作者が複数アカウントで別…
感想一覧
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