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3/4

俺、酸素。試してみたらヤバかった

この作品は、会社で空気扱いされていた男が、本当に「酸素」になって異世界に転生するお話です。


最初はギャグ寄りに進みますが、チートっぽい展開やヒロインとの絡みも盛り込んでいく予定です。

「空気だった俺が、世界で一番必要とされる存在に」という逆転劇を楽しんでもらえたら嬉しいです。


気楽に読んで、クスッと笑っていただければ幸いです!

感想やブクマをいただけると励みになります!


それでは、本編へどうぞ!


異世界に酸素として転生した俺。

まだよくわからないが、確かにこの世界に“関与”すると何かしら影響が出るらしい。


「……とりあえず、試してみるか」



まずは小さな焚き火に近づいてみる。

――ボッ!!

炎が一気に燃え広がった。


「おおっ!? やっぱり俺、酸素だから火を強められるんだ!」


次に、川辺の水面へふわりと漂っていく。

すると――


「……あれ、水の泡、増えてね?」


水中の魚たちがやけに元気よく泳ぎ始めた。

どうやら俺の存在で酸素濃度が上がったらしい。


「なるほど……火も水中もいける。

 ってことは、これ……地味に万能じゃね?」



と、その時。


「た、助けてー!」


森の奥から少女の叫び声が聞こえた。

見ると、小さな女の子が木の根っこに足を引っかけて転び、魔物らしきイノシシが突進してきている!


「やばっ!?」


俺は慌てて突っ込んだ。


イノシシの鼻先に入り込む。


「……今だ!」


――ゴホッ!ゴホッ!


イノシシが急にむせ返った。

酸素濃度をぐっと下げてやったのだ。

息が苦しくなったのか、イノシシはフラフラと逃げていった。


「よ、よかった……」


女の子は涙を浮かべながら立ち上がった。


「誰か……助けてくれてありがとう……」


……って、俺ここにいるんだけど!?


「でも……誰もいない……?」

女の子は辺りを見渡し、首をかしげる。


「やっぱり……また空気扱いか!!」


俺は透明だから当然だ。

助けても、存在は見えない。


「うおおお……! 感謝されたいのに!

 俺がヒーローだってわかってほしいのにぃぃ!」


必死に風を起こしてアピールしてみたが、女の子は「急に風が吹いた……?」と不思議がるばかり。


「空気のくせに必死すぎだろ俺!」



こうして俺は、酸素としての能力を少しずつ理解し始めた。

火を操れる、水中を活性化できる、呼吸にも影響できる。


でも――


存在感は相変わらずゼロ。

助けても、結局“空気扱い”。


「……なんだよこれ、チートなのに切ないんだけど」


それでも。

俺の異世界ライフは、確かに一歩前進したのだった。

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