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32話 『わかったこと』

「リディ様! もうあんな無茶は二度としないで下さい!」

「本当に心配したんですから!」

「ええ。まさか生きて帰って来るとは思わなかったので、本当に驚きました」

「こんなこと言ってますけど、シノ様でさえ心配で青白くなってたんですからね!」

「ごめんねみんな……心配してくれてありがとう。あと、レオンも。追いかけて来てくれてありがとう」

「当たり前ですよ! 姉さんは大切な家族なんですから」

「危険を顧みず来てくれたんだよね。ありがとう」

「リディ様、私だってお二人ほどの身体能力があれば飛び出しました! レオン様のように」

「そんなの口でなら何とでも言えますよね、マルタ様」

「~~! レオン様は少し黙っていただけますか」

 あの後、私は泣いて泣いて泣き叫んで、泣き疲れ、ここに運ばれたらしい。

 気づいたら自室のベッドの上にいたので、すごく驚いた。


 あの暴動について、私は思い違いをしていたところがいくつかあった。

 壁を壊したことから暴動に権力者が加わっていると思っていたのだが、どうやら壁は壊されていないみたいで、最初の音は兵士が平民たちを黙らせるために威嚇して撃ったものらしい。

 また、マルガレータ様は亡くなったと勘違いしていたが、左腕を撃たれただけらしい。だけ、というわけではないのだが、死亡することはないみたいなので、本当に良かった。


(間違っていたのはこれくらいで、あとはほとんど当たっていたのだから褒めてもいいのよ)


 みんなが頑張って情報収集を行ってくれたみたいだが、あの場にいた兵士たちも混乱しているのか、なぜ撃たれたのかやあの銃声は何だったのかは分からない。


「……リディ様、医師の方々にお伺いしたのですが、どうやらマルガレータ様は左腕をもう二度と動かすことができなくなるかもしれないと……」

 エイリが苦しそうに預かっていた言葉を告げる。

「……」

「このことは絶対にミュンシスタの私たちのせいではありません! それは、マルガレータ様も理解していると思います……」

「そうだね」

「……今回の件、運よく命までは助かりましたが、今後もこのようなことが起きるかもしれません。ですのでリディ様、今すぐ叔父様に報告して指示を貰ってください」

「そうだね、私たちだけで選択できる問題ではないし、お父様やお兄様に決めてもらうのが最適だね」

 まさかあのくだらない噂が、私たちの学業を脅かすほどの力を持っていると誰が予想できただろう。

「……」

「……みなさん、マルガレータ様の元へお見舞いに行きませんか? 先程は追い返されてしまいましたが、医務室はそろそろ落ち着いているのではないでしょうか」

 マルタの言葉に従って、私たちは医務室へと向かった。



 私たちは医務室の扉をノックし許可を得てから中に入ると、

「来てくれてありがとう、あなたたち」

 と、マルガレータ様が優しい笑顔で出迎える。

「……!」

 ぐるぐるに巻かれた包帯に、私たちは言葉を失った。

「みんなして辛気臭い顔しないの! 私は左腕くらい失ったって平気よ」

「……」

「もちろんこの腕を失ったのはあなたたちのせいだなんて微塵も思っていないわ。安心しなさい」

「……マルガレータ様。私たちの今後は、お父様とお兄様の指示に従います」

「ミュンシスタの名を背負っている以上、マルガレータ様や他の学生の皆様に迷惑をおかけすることはできませんから」

「……そうね、そうよね。あなたたちはその選択をすると思っていたわ」

 少し悲しそうな表情をするが、マルガレータ様は自分の気持ちを私たちに伝えることはしなかった。

「……ただ、もし国へ帰ると選択するのならば、それは黒幕の思う壺だわ」

「!?」

「く、黒幕!?」


「この暴動は仕込まれたものよ。そして、黒幕の目的はあなたたち。あなたたちを国に帰す途中で、無防備になったところを攫う予定なのよ」


「「「「「!?」」」」」


 平和だった世界は、徐々に壊れていくの? 私の中にかつてないほどの恐怖心が芽生えていた。


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