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24話 『トリニティアカデミー』

 トリニティアカデミー。そこは、現代日本のような校長がいて、教頭がいて、教師がいるような多くの人数で運営されている学校ではない。例えるなら私塾だ。

 教師はマルガレータ様だけ。数人の助手がいるみたいだが、彼らが授業を受け持つことはない。

 また、彼女の授業は生徒が主体となっていることが特徴だ。

 積極的に意見を求められ、授業についてこられないとマルガレータ様が判断したならば、容赦なく切り捨てられる。

 そのため、せっかく合格できても退学を余儀なくされる可能性もある。気を引き締めなければ……!



「や、やっと着きましたのね……」

「も、もう限界です」

「エイリ! シノ! しっかりして!」

 トリニティアカデミーに到着後。早速2名、限界を迎えている者がいた。

「早く2人を医務室へ!」

「急いでくれ!」

 慌てた様子に門番たちも駆けつけ、大人が総動員する事態となった。


(まあ、ご令嬢が嘔吐したなんて醜聞を流されたら終わりだからね……)


 私たちの移動は2日ほど続いた。時にはガタガタした道もあり、2人はそれに耐えられず酔ってしまったのだ。


(授業が始まる1日前に到着できてよかったあ)


 そんなドタバタの初日。その日は、荷物をまとめたり、これから生活する屋敷の案内をされたりして1日を終えた。




「疲れた~!!」


 1日の予定を終え、私は屋敷のベッドにダイブする。

 大して何かをしたというわけではないのだが、初めての環境で過ごしたというストレスが効いているのだろう。


 これから生活する屋敷は、当然男女別になっている。私の隣の部屋はエイリ。向かいにマルタ、シノがいる。

 身分の高い王族貴族が集まる場なので、当然守りは固い。城壁都市のように学園と寮は囲まれ、マルガレータ様の私兵100人ほどが、順番に警護に回る。

 ここでの生活は、どんな身分の高い子息令嬢であっても、従者を連れてくるのはいけないルールになっている。これは私の推測なのだが、知らない環境で頼れる者もいない中、くじけない精神力をつけるために設けたルールなのではないかと思っている。

 私たちは将来どうなるか分からないが、私やシノはおそらく他国へ嫁ぐだろう。そして、その時強く逞しく生きるためには、今の状況になってもへこたれない精神が必須だ。

 そのため、このルールはちゃんと考えられているのだと思う。多分。


 ただ、従者がいないから自分のことは自分でやれというわけではない。生徒には勉強に熱中してもらうため、身のまわりの世話はメイドが全て行ってくれる。

 そのため、授業の予習復習は必須。それを怠ったのならば、1週間ペナルティがあると兄が言っていた。

ペナルティが何かは教えてくれなかったのだが……


 また、ここで生活するのは完全に自由というわけではなく、消灯時間や起床時間はちゃんと決められている。

 兄情報によれば、消灯時間を過ぎても勉強をしていたのならば許されるらしいが。


 とまあ、この通り、私たちはこれから規則・秩序に則り生活することになる。

 どうなるか不安な気持ちがあったが、今はただ、明日の授業が楽しみで仕方ないのだった。




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