表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

Prologue

 同じだ。

 

 悲鳴と怒号が部屋に入り混じる中、誰かがポツリと呟いた。


 あの時と同じ……10年前と。

 10年前、この家の家長だった城之内蔵之介が殺された、あの時と。

 あの時も確か、雪が降っていた。明け方、中庭には数10cmに及ぶ雪が積もり、その上に、犯人のものと思われる足跡が……。


「中庭はどうなってる!?」


 城之内達彦が書斎の向かい側にある窓を開けて、中庭を確認した。羊たちも死体から目を引き剥がし、急いで窓から顔を覗かせる。そう、その時、羊は確かに確認した。中庭に面する窓に()()()()()()()()。確かに、2枚とも。


「どうなってる……」


 達彦の声は、次第に当惑を帯び始めた。目の前に広がる白銀の世界に、羊は目を細めた。

 

 違う。


 同じじゃない。足跡がなかった。現在(今回)は、同じ殺人事件だったとしても、10年前とは状況が異なっていた。今回の密室は、書斎だけでなく寝室にも、二重に鍵がかけられていたのだ。


 そしてその中で、再び死体が発見された……。


「荒草くん……これって」

「オイ、羊……」

「…………」


 不可能殺人。


 呪いだの超能力だの、オカルトめいた言葉がふと頭を掠める。だけど、違う。10年前と同じ館で、同じ日に起きた殺人事件。決して偶然じゃないはずだ。


 羊はゆっくりと皆の方を振り返った。できるだけ冷静に。合理的に判断を下さなければならない。皆の視線を浴びながら、羊は静かに、慎重に言葉を紡ぎ出した。


「……つまり犯人は、この中にいるってことです」


 その前日。羊たち6名は、冬休みを利用して、北海道旅行に訪れていた……。



〜登場人物紹介〜


城之内蔵之介 …… 元社長。2014年死亡

城之内俊哉  …… 社長

城之内達彦  …… 会社員

城之内麻耶  …… 主婦


新沼誠    …… 客①

新沼理恵   …… 客②

佐川圭    …… 客③

佐川心    ……  客④


山下     …… 管理人

田島     …… 管理人


荒草羊    …… 高校生

立花照虎   …… 高校生

伊井田鉄郎  …… 高校生

犬飼賢二郎  …… 高校生


因幡りょう  …… 高校生?

因幡兎子   …… 高校生?


挿絵(By みてみん)





挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ