Another・under・World〜episode・Valentine・Valentinus・story〜
チョコの日……気付かないふりをしていた。でも……明らかに楼はソワソワしてる
何と言うか……成人男性が……この時だけは子供みたいに周囲を見るような……
「チョコもらった事ないの?」
楼は私を見て
「ま、まぁな……ほら……アレだ……」
……
「仕方が無いなぁ。何か作ってあげるから外出とれ」
楼を追い出した。まぁ、作ると言っても家の中に……チョコだけは何故かある。そう言えば……
楼は甘いよりも苦味……ビターが好きだから常備していたのか……
まぁ、普通ならハート型が定番だと思うけど……ここは普通にケーキにするか?
「で、私を呼んだの?」
妹である刹那に材料を持ってきてもらった。勿論、手伝わす為でもある
「お姉ちゃん……言っておくけど、この日で貰えない男子の気持ちを考えてあげて……
貰える人よりも貰えない人の方が多いの。勿論……義理とかはあるけど……本命チョコよ?
楼は多分だけど……貰った事ない……と言うよりかは学校で言う所の陰キャになってしまうから寄り付かないのよ?」
妹よ……それ、かなり傷エグってるて……
「まぁ、ソワソワしてるし……それに、私は彼て決めてるから」
刹那は目を伏せていて
「それならいいけど……んで、スポンジケーキは有るけど……肝心のチョコは?」
あー
「これ」
机に置くと顔を引き攣らせて
「甘くないケーキでも作るの?」
私は頷いた
「まぁ、有りそうだから良いけど……強いて言うなら、初めてよ?」
そりゃそうだもん。私も初めてだから
取り敢えずはチョコを溶かすか……甘さ控えめがケーキに合うかは分からないけど……まぁ、なるようになれか
「黒……」
チョコを塗り飾りを着けた。1ホールのケーキとショートチョコケーキを
で、肝心の味だけど……
「意外と美味しい?」
そんな感じだった。いや、美味しいのは美味しいけど……何かケーキという感じがしないと言うよりかは……甘さ控えめがそうしてるのか……
取り敢えずは……呼ぶ……か?
「おっ、ケーキじゃん」
喜んで食べていた。普通に食べていて気が付くと無くなっていた
「楼お兄ちゃん。味大丈夫なの?」
刹那が聞くと
「味?。甘くないから食べやすいけどなぁ。子供と大人の差か……」
何か一人で達観してる……
「こんな話知ってる?。バレンタインの由来」
……?
「結婚したくてもルールで結婚出来ない時代、そんな時にバレンタインと言う人がコソッと結婚さていた
でも、それもバレちゃって処刑されてしまったバレンタイン
でも、そんなバレンタインでも、二月十四日は特別な日にして、守護聖人として見守り続けている
それが時代と変わって贈り物へと変わったのよ」
ふーん……
「じゃあさ、結婚出来たのは彼のお陰てことか」
……びみょに違う気がする……多分……
「夢はさ……現実とは違うけど……この日くらいは幻想を……楼はどう思う?」
楼は食べながらも私や刹那を見て
「今がいいかな。他に何もいらない。今が一番だな」
……
現実的だな……と。まぁ、それが一番か……
バレンタインなんて普段は興味さてなかったのに……楼と居ると……今日だけは送りたくなった
やっぱり好きな人に送る……これが伝える唯一の方法でキッカケだった……
もう叶ってしまってるが……
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「……マジか……」
キキョウに渡されたチョコ……再現したと言っていたけど……
ワンホールのチョコケーキは、流石に……
これは……キツイな……