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あの火球をもう一度出されたら

取り合えず6話目です。

この物語はフィクションです。

よろしくお願いします。

小一時間して、兵士が一か所に固まり話し合っているのが見えた。

その中にゴリアテがおり、何やら悩んでいる様子。

「どうしたの?ゴリアテ。」

「ああ、ミリアか。マリーには言わないように気を付けろ。」

手渡されたのは、一枚の手紙だった。


『我の命を受けよ。』


簡潔な文章。これしかないがどういう意味だ?

手紙の裏を見ると名前が書いてあった。


ミスト・クラウン


誰だ?

今まで合ったことのある者の名前を浮かべてみるが、特に思い当たらない。

「むう。名前に見覚えがないのは同じか。ミリアも知らんとなると、あとはへリスに聞くしかあるまい。」

「あ、この名前って、魔王の名前じゃない?」

「そうなのか!命を受けよ、とは命令があるということか?なぜ我々に…。

…!」

隣で手紙を覗き込んでいたのはマリーだった。


「魔王から助けの手紙なのね!」

マリーは小躍りしながら手紙を奪い、胸に宛がった。

「魔王と決まったわけじゃ…。」

「クラウンって王冠でしょ?魔王以外いないじゃない!」

そう、なのかな?その疑問はゴリアテも一緒の様子。

「その手紙が魔王からであるとしても、明らかに罠ではないか!それに…なぜ喜ぶんだ!」

その言葉にキョトンとするマリー。

「好きな人から手紙をもらったら嬉しいじゃない。」

さいですか。


マリーは自分の部屋に行き、鼻歌交じりに準備をしている。

お願いだからドレスとか用意しないでね…。


ゴリアテはへリスに話し、再度魔王城に向かう用意をさせた。

私も用意をしていると、来客がある。

「あの、魔王城に行くようですが…。」

「アレクさん。ええ、魔王から手紙が届いたとかで。」

「…罠では?」

「ですよね…。分かってはいますが、呼ぶからには理由もあるだろうと。何よりマリーを放っておくと単身で向かうでしょうし、私たちも同行する他ないんです。」

「そうですか…。でしたら俺もお供します!部隊編成はお任せください!」

「お願いします…。あと、ゴリアテにもそのように連絡をお願いします。」

アレクさんは左手に拳を作り、自身の胸を叩く。兵士たちの敬礼だ。

私は兵士として登用されているわけではないため、敬礼はしないが、代わりに深く頭を下げた。


道中は異常なほど静かで、木の葉の擦れる音が聞こえた。

戦いがなければ、ここも自然の映えるいい場所だ。

しかし、兵士たちは警戒態勢を解くことはしない。

私も杖を握り、待機する。

「数日の来訪により兵士も疲弊している。いざとなったら我々が出るぞ。」

ゴリアテは集中を切らさないようにしている。

「文言を変えればあるいは…。」

へリスは本を読みながらぶつぶつと独り言をつぶやいていた。


「到着しました。私たちはここでキャンプを張って待機します。」

アレクさんは兵士たちにキャンプの設営を指示した。

マリー、ゴリアテ、へリス、そして私の4名が魔王城の門の前に立つ。

門が開かれ、中に入った。


「よく来たな。今日は歓迎してやろう。」

魔王の出迎えが罠ではないと物語っているようだ。

マリーは歩を進めず、質問をする。

「それで、私たちを呼び出した理由は何?」

魔王は難しい表情をして、意外なことを言った。

「うむ。お前たちの来訪後に変な話が出てな。我の妃を選ぶ大会を催すらしいのだ。」

妃を選ぶ大会?武闘会でもするのだろうか?

「それで、お前たちに出てもらいたい。お前たちが勝利すれば候補の魔族と結婚する必要がないからな。我と戦えるからには勝利できるだろう。」

結婚するのは嫌なのか…?

私たちを利用するためにわざわざ手紙を寄こしたらしい。


昨日見たテーブルに先客が数名、その中にはフィリアもいた。

魔王が席に着くと魔族の女たちが魔王を見る。

私たちも席に着いたが、マリーは魔王の横に立った。

「貴様、人間め!魔王様の横に立つなど、私たちへの侮辱か!」

正当なフィリアの怒号が飛ぶ。

そりゃそうだ。当のマリーはどこ吹く風。

「お前も席に着け。」

魔王の声に従い、マリーが私の隣に着く。

ようやく話が進むよ。


「うぉっほん。私は、魔王様直属の宰相、ゴルア・ボークだ。私から説明しよう。」

宰相の登場、本当にやるんだ。

「今日集まったのは各地の妃候補たち。この中から妃となる者を決める予定になる。もちろん条件があり、王は強さをご所望だ。お前たちも腕には自信があるだろう。」

席についている者たちは静かに聞いている。

改めてみると、様々な魔族がいる。

フィリアは全身を羽で覆われ、衣類は軽装。

巨大な体で牙が生えているオーガの女。

常に宙に浮いている魔法士らしき者もいる。

気になるのは鎧で覆われ、顔も見えないやつ。

暗めの紫色の鎧から尻尾?も生えている。

意外にもきちんと着席しており、礼節をわきまえているように見えた。

「トーナメント形式で争う予定ではあるが、戦いたい相手がいる者はおるか?」

その言葉に反応したのは、もちろんフィリアだった。

「この人間の女とやらせろ!まだ決着が着いていないんだ!」

宰相は私を見た。

手を横に振って私ではないことを知らせる。

次に宰相はマリーを見た。

マリーはほんの少しだけ顎を上げて自分であることを示した。

「お前か。ではその二人は第一回戦としよう。他の者は希望ないか?」

他にはないようだ。

「では、こちらで決めさせてもらう。結果を待て。」

そう言って宰相は下がった。


私たちは魔族の兵士により部屋に案内された。

質素だが、ベッドと棚が置かれており、鍵をかけられるドアがあった。

私たち4人は部屋で作戦を練る。

「結婚は認めんが、魔王が結婚すれば魔族の女が敵として我々の障害になるだろう。ここは勝つことを考えろ。」

「この戦いでは魔法がメインになるかもしれませんが、事前に補助魔法をかけておくことはできるのでしょうか?」

「…私は出場しないんだけど、頭数に入ってないよね?」

私を含め、それぞれが話す。マリーは何を考えているのだろうか。

意を決したかのようにマリーが口を開く。

「フィリアは強い。あの火球をもう一度出されたらどうしようか。」

目下、それは攻略しておかなきゃいけない問題だ。

「避けるか、もしくは防ぐ方法はあるか?」

「ないわね。あの大きさなら避けても熱風で動きを封じられる。防ぐにしても同じかな。」

「火球でしたらマリーの剣で切り裂けるのでは?」

「それを狙って別の攻撃があると対処できなくなるかもしれないじゃない。」

「私たちが横から対処できれば…。」

「4対1は認めないでしょうね。一応私もそれは認めたくないし。」

ゴリアテ同様、みんな腕を組みながら考えるも、無言を強いられる。

そんな時にへリスが宝石を取り出した。

「これを…。一度だけ魔法効果を消滅させる宝石です。魔法が使えないマリーでも投げるだけで発動させられるので、対処ができるはずです。」

さすがへリスだ。先に魔力を込めて呪文を書いてある宝石だ。

「ありがとう。一度だけかー。」

「準備するのに1日かかるため、一つが限度です。私はもう一つ作成するので、この辺で。」

へリスは少し悲しい表情で部屋を出て行った。

まあ、好きな人の結婚に加担するわけだし、複雑な気持ちなのはわかる。

「その宝石を使う必要のないように、先手を取って攻め切ってしまえ。」

ゴリアテは速攻を提案した。

「そうね。フィリアを倒したとしてもまだ候補はいるものね。」

そう、オーガと魔法士のような女、そして鎧に包まれた者も倒さなければいけない。

…私は頭数に入っていないよね?

お読みいただきありが等ございます。

続きはそのうち上げますー。

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