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帝都モノクロチェス忌憚  作者: 未望 みらい
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第一章 

前に書こうと思ってたときはめっちゃやる気あったのに書く時間が長すぎて段々とやる気がなくなってしまった作品なので、流し読みが丁度いいかもしれない…。:゜(;´∩`;)゜:。

ようこそいらっしゃいました。ここは黒と白が共存しているモノクロチェス世界。この世界はアルナムと呼ばれています。

世界の半分は黒。また半分を白。互いに平和に今のところ暮らしていた。

ある日を境に平和が崩れる。




ここはアルテニア帝国。帝都アルラを首都に持つ国。黒の世界の数ある王国の中の1つで王国序列は第一位。黒の世界を束ねる帝王が住んでいる。今日も世界は平和ですが、お城の中ではそうではないようです。


「ミミカ。今のところ向こうからの手紙は届いているか?」

そう問いかけるのは帝王ディアーク・アーベント。盲目で黒色の服を身に纏い青のマントを着け黒色の王冠を被っている。ミミカに問いかける目には盲目ながらも強い意志が宿っている。


「残念ですが今のところまだ届いておりません。あれから10年全く音沙汰がございません。」

ミミカと呼ばれた少年ビショップは深くため息をこぼしながら跪いて答える。


「そうか…、ならば今日も処刑か。白の人間をここに連れてこい!」

ディアークが命令すると黒のポーンに連れられた白のポーンが謁見の間にいるディアークの前まで連れてこられた。胸に付けられた番号には2100と書かれている。


「暴君ディアーク!こんなことをして許されると思っているのか!貴様など白の我々の敵ではないわ!!」

黙れ!と黒ポーンが白ポーンを抑えつける。


「少しでも命乞いをしようとは思わないのか?」


「命乞いをするなら死んだほうがマシだ!」


「ほう、威勢がいいな。貴様は時間をかけて灼いてやろう。光栄に思え。」

ディアークが指をパチンッと鳴らす。指先に炎が灯り、その瞬間白ポーンが火だるまになった。火だるまにされたポーンは声を発することもできずにその場に倒れ込みディアークを睨みつける力も残っていなかった。10秒後に火は収まったがそこには骨も残らず、まるで最初からいなかったかのように静寂が空間を支配した。


「じゃあ、僕は今死んだ白ポーンの埋葬に行ってきますね。」

今の処刑を見ていた少年ビショップのアリクは教会へ戻ろうとする。


「埋葬とな…?アリク、今までは斬首で遺体があったから埋葬できていたかもしれぬが今回はどうする?」


「ディアーク様。ご心配には及びません。木札の方に名前と番号を書き記し順番に、いつものように、墓標のように立てるだけです。」


「なるほどな。しかし良く毎回毎回埋葬できるな。遺体などそこらへんに捨置いてカラスにでも食わせておけばよかろう?」


「僕、普段は教会で聖職者として働いておりますから、遺体を捨置くところなんて見られたら僕の信用はガタ落ちですよ。」

そう言うと笑顔で間から出ていった。


「さて、私はそろそろ部屋に戻る。」

ディアークが立ち上がりミミカはそれに続いて謁見の間から出ていく。3階にあるテラスに向かった。


「ふぅ…。」

疲れたのかテラスの手すりにもたれかかる。


「ディアーク様、お疲れのようですがいかがなさいましたか?」

心配そうに後ろから声をかけるがディアークは「なんでもない」と答えるだけだった。


「ミミカ。この平和はいつまで続くと思うか?」

テラスから遠くを眺めている。その視線の先には黒の領土が広がっていて、その先には白の領土が広がっている。盲目の国王様は何を見ているのだろうか。


「私には今とても平和のように感じられます。文献で読んだ10年前以降目立った戦争もなく内戦、紛争が起こっているという声も私の耳には届いておりません。」

ミミカは目を閉じながら考えている。ミミカの言うとおり目立った戦争など一度も起きていない。建物も強力な魔法さえあれば一瞬にして元通りになる。10年経った今では皆戦争の惨禍は覚えているが街や村は何もなかったかのように修復されている。


「そうなのだが…。私はまた戦争が起こるような気がしてならない。」

ディアークの言うことも一理ある。10年前の戦争は約150年続いていた。それより前の戦争との平和の期間は10年にも満たなかった。


「私が知っている限り150年前に白が攻め入ってきたそうだ。その戦争が激化して収まり今がある。次は私が戦争を起こす番かもしれないな。」


「それは…一体何故です?前回の戦争で失ったものがおありですか?」


「あぁ…。家族をな…。私は家族を失った。」


「それは…なんとそのようなことが…。苦い過去を思い出させてしまい申し訳ございません…。なるほど、だから毎日向こうの手紙を待っていたのですね。」

ようやく手紙を待つディアークの理由をしれた。


「そうだ。向こうからの安否確認のようなものだ…。そんな物を送ってこいとは言っていないがな…。」

ふっと不敵な笑みをこぼした。


「向こうで私の弟が待っているはずだ。私の弟を取り返しに行く。」

テラスから少しだけ見える白の領土に目を向ける。いつもと同じ景色だがディアークの目には違ったように見えているのかもしれない。


「弟よ…。もう少しの辛抱だ…。必ず待っていてくれ。」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



10年前、この地で激しい戦争があった。最初は黒に軍配が上がったが黒のキングが何者かによって暗殺されたとの報せが入り、そこから黒は体制が取れずそのまま戦争は白が勝利を収めることになった。

その戦争で事件が起こった。キングの二人の子供のうち弟が連れ去られてしまったという。キングを殺し跡継ぎを失くすために連れ去ったものだと考えられている。

それから2年後、兄__ディアーク・アーベントが帝王に即位した。人々は祝福しお祝いしたが、ディアークは弟の行く末が気になり、終始落ち着かない表情だった。

その戦争を後に【ロゥブラングウォー】と呼ばれ、

白の世界では、【ロゥブラングウォー】が終わった日のことを【黒のキングが無様に死んだ日】として祝日になっている。



【塗り潰せ、塗り還せ】

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