絶対婚約破棄したい悪役令嬢 VS 絶対婚約破棄をさせたくないヒロイン
王城で行われていた舞踏会の会場でそれは起こった。
「第二王子アレンの名において宣言する。私は 公爵家令嬢タテド・リルとの婚約を破棄し」
二人の女性の声が聞こえた。
「王子それはダメ!!」
「よっしゃぁ!!!」
ボスっ!!
王子のお腹にに一人の令嬢のパンチが刺さりくの字になって王子が倒れこむ。
そこにもう一人の令嬢が走り込み、王子を支える。
二人の女性が同時に言った。
「婚約破棄はいけませんよ」
「王子ぜひ婚約破棄を」
「ああ、まかせてくれ。リルとの婚約を破棄して絶対にお前と婚約を・・・ってなんで俺を支えてるのが
リルで、婚約を破棄を望んでるのがリル、そして婚約破棄を止めようとして俺を潰しにかかったのが・・・」
そう、王子を殴って発言を止めたのが、ヒロ男爵令嬢インで
王子を助けて婚約を破棄させようとしているのがリルだ。
二人の女性の声がハモった。
『まさかあなた転生者ね!!』
「あなたも、永遠の悲恋の恋やったことがあるの!!」
「え?あなたもプレイヤー?」
「あなたが婚約して王子と結婚しなさいよ!!」
「いやよ死にたくもの」
ここで説明しよう、永遠の悲恋の恋は乙女ゲーなのだがそのエンディングが独特な
ことで有名なゲームである。
まずこのゲームではハーレムはないし、攻略対象は第二王子ただ一人
ただたった一人ということなかれ、凄まじいのは、サブシナリオの数で、
わかっているだけで現在最低数千のサブシナリオがあり
組み合わせが膨大すぎるのとランダムシナリオで分岐
が変わることから全く同じ選択をしても同じ結果に
なることはなく永久に遊び続けられるというスルメゲー
なおかつ周年記念、売り上げ何万本突破記念という
名目で増え続けるサブシナリオ!!
そしてそのサブシナリオが全て秀逸な出来で全世界的に
有名なゲームとなっている。
ただ唯一不評なのが、そのラストで基本的にほぼ2択しかない
それはヒロインが選ばれるか、悪役令嬢が選ばれるかである。
そしてこのゲームの題名の通り、選ばれた令嬢は
かならず結婚式の前に不慮の事故か病気で死ぬ。
そしてラストは選ばれた女性の墓標の前で佇み永遠の恋を誓い
一生を独身で過ごす王子の姿となっている。
そう選ばれる=死亡フラグなのだ!!
「あなたの方がフラグ立てて、私が婚約破棄を勝ち取ったんだからちゃんと王子を引き取りなさいよ!!」
「いいえ、いま私は王子を殴るという不敬な行為をしたんだからダメよ、ふさわしくないわ」
「それなら」
公爵令嬢は王子を支えていた手を離し王子は床に落ちた。
そして王子の腹を足で踏みつけた。
「グフウ」
「いいえ私なんて」
男爵令嬢は、王子の顔を靴で踏みつけてなおかつグリグリし始めた。
「・・・」
「それなら私なんて!!」
王子を抱き上げると、王子のお尻をめくりお尻をビンタし始めた。
「痛いやめてくれー!!!」
男爵令嬢
「そんなのはまだ甘いわ!!貸してみなさい」
男爵令嬢は王子を公爵令嬢から奪うと、口に履いていた靴を押し込んだ!!
「・・・・!!」
あまりの展開に呆然としていた護衛の騎士がようやく正気に還って二人の令嬢を王子から引き離す
「絶対に婚約破棄は認めません」
「いいえ、絶対に婚約破棄してみせます!!」
王子
「私を巡って争うのはやめてくれ!!」
モブ貴族
「え?あれって二人で押し付け合いをしてるんじゃ」
王子
「そこまで私を愛しているのなら、二人とも私の婚約者に!!」
モブ貴族
「こんなのが王族で大丈夫なのか?」 <正論である。
二人の令嬢
『絶対にいやです!!』
「さぁお願いだからもっと私をなじってくれ!!さぁさぁさぁ」
王子は新しい扉を開いてしまったようである。
二人の令嬢
『いやー!!!!!!!』
実は、その乙女ゲーの裏設定では
不幸にひたるのが大好きな王子のために選ばれたヒロインは暗殺されているというオチw
つまりそういうことだったんだよぉ