読心術の副作用と厳しい先生
最寄り駅に着いた俺は昨日の計画通りカイトとあやねを待つ。
「おはよー。」
しばらくして2人が合流して俺達は電車に乗った。
「昨晩はお楽しみでしたね。」
カイトが俺をからかう。
「そういう事は何もしてないよ。」
「そんな嘘はどうでもいいわ。
あの後能力は試したんでしょ?」
あやねも不思議な力には興味がある様だ。
俺はまったく理想と違くて言う事を聞かない事、力や熟練度が足りないと言われた事、今はマネキンの様な状態である事を話した。
「それで結局はマネキンの世話してるの?
あんたマネキンでもいいなんてすごいわね。」
「いや、俺は家族居ないから。
マネキンでも少し嬉しかったんだ。」
「今のはあやねが悪いよ、それにパンダは本当にエロい事はしてないみたいだぞ。」
カイトが俺の心を読んであやねを注意した。
「あっ、ごめんなさい。」
あやねは俺の事情を思い出して謝ってくれた。
カイトが話を変えてきた。
「俺は今パテを使ってあやね専用の機体を作ってるんだ。パンダの分も作るから今度乗ろうぜ。」
カイトのこういう所は本当にすごい。
俺もカイトの話に乗って明るくあやねに話しかける。
「マジか。あやね今度乗せてくれよ。」
「今の所はあんまり大きくすると動かなくなるの。でも練習して必ず乗せてあげるね。」
あやねも明るく返してくれた。
学校に着いて俺達はクラスのみんなと会話する。
カイト目当ての女子達は俺やあやねとも仲良くした方が得と思ったらしく、普通に接してくれる。
今の所あやねがイジメられる様な事はなさそうだ。
クラスの男子達も俺達の周りに女子が集まっているのをみて話しかけてくる。
俺がイジメられたりカイトが嫉妬されて嫌がらせをされたりもなさそうだ。
ところが何も問題なさそうだと思ったのも最初だけで、だんだんカイトの顔色が悪くなって来た気がする。
俺はあやねに視線を送りあやねも大丈夫そうだったので、昼はカイトだけを誘って中庭に出た。
本当は屋上とか人目の少なそうな所の方が良かったのだが、変に絡まれるとめんどくさいので適度に人目がある場所を選んだのだ。
「大丈夫か?結構きついのか?」
「ああ、大丈夫だ。
お前の女子版にエロい目で見られて変な妄想されたり、俺達の3Pを想像されたり、お前と俺の妄想をされたりした程度だ。
今の所、俺達をイジメる様なそぶりのある奴は居ない。」
「おいおい、一日中そんなの見させられてるのか?全然大丈夫じゃないだろ、少し休め。」
「悪いな。」
「ちなみに俺とエッチな事をしたいと考えている女子はいたか?」
カイトは笑いながら答える。
「誰もいねえよ。」
「居たらすぐに教えろよ。」
「はいはい。」
俺達は笑った。
それから俺達は登下校と休み時間は3人で過ごし、昼休みはカイトを休ませてあやねはあやねで女子の友達を作る様にした。
しばらくして最初の試練が俺達に襲いかかった、実力試験だ。
特殊な力を得てからいろいろ期待しているのにアニメの様な事は何もなく目の前の試練はだだの実力試験だ。
俺は受験も終わったばかりだし、どうでもいいだろうと考えていたが二人は違った。
ここで中途半端な実力を見せると、リア充界でのヒエラルキーが下がりイジメの原因になると言うのだ。
「そんなバカな事あるかよ。」
俺は二人の話しを適当に流した。
「お前は知らないかもしれないがリア充じゃないリア獣だ。獣の様に目を光らせて常に誰かを蹴落とそうとしのぎを削っているんだ。」
「そうよ。
みんなが権力を取り合い、地位を奪い合い、そして異性を狙い合ってるの。
私達は今やクラスのトップ。
ここで油断したら一気に持って行かれるわ。」
リア充じゃなくてリア獣。
二人の真剣な眼差しに俺は死闘の予感を感じた。
家に帰った俺は、大学生のボールを取り出し
自我ありモードにして起動する。
「自我ありは久しぶりね。」
「実は勉強を教えて欲しいのですが嫌ですよね?」
「良いわよ、ご主人のレベルアップは私達の快適な生活に繋がるわ。」
不思議な力は不思議な力の練習だけでなく、今回の様な勉強でも変わるらしい。
俺が頑張れば頑張るほどボールの中も快適になるみたいだ。
「ご主人はどれくらい勉強する気があるの?」
俺はご主人というワードにも興奮したし、ボールが快適になるなら頑張ってあげたい。
「めちゃくちゃやる気出た。
ボールの中快適にしてやるからな。」
「わかったわ、ドM専用ハードコースで教えるわね。」
ドM専用ハードコース?
なんだそれ。
俺は上半身を脱がされ椅子に座らされた。
大学生型の女の子は教え方がうまくすごくわかりやすかった。
まずは5ページ分説明してもらい理解出来たので、暗記部分を覚えようとした時、突然教科書を閉じられ目の前に紙が置かれた。
「じゃあ、テストするわよ。」
「まだ暗記部分を覚えてないんだけど。」
そう言った瞬間だった。
バシッ!
俺の背中が靴べらで思いっきり叩かれた。
「私が説明したでしょ、一回で覚えなさい。」
問答無用で出題され間違えると靴べらで背中を叩かれる。
俺の背中が真っ赤に染まった。
これはやばい、目覚めてしまう。
こんな年上の巨乳美人が、俺の為に一生懸命教えてくれ、間違えると全力で怒ってくれる。
童貞で親のいない俺には最高の勉強環境だった。
「3分間待ってあげるわ。」
たった3分で覚えろという事か!
俺は必死で覚えた。
次に間違えたのはたったの2問。
俺は二回背中を叩かれた。
次は1分後ね。
俺は間違えた2問を覚えて他の問題にも一応目を通した。
次のテストでは無事満点が取れた。
「さすが私達のご主人だわ、さあ次いきましょう。」
「うん。」
ああたまらない、次は一回で満点取って褒めてもらうんだ。
次の5ページ分の説明を俺は真剣に聞く。
覚えるべき事があればその場で覚える。
「じゃあテストするわよ。」
結果俺はまた2問間違えてしまった。
一度で満点取って褒めてもらうはずだったのに。
俺は背中を二回靴べらで叩かれた。
「ありがとうございます、次は頑張ります。」
俺達の勉強は夜遅くまで続いた。