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動くプラモデルと三人の女の子達

「私はもう見当ついてるわ、これよ。」

そう言ってあやねはカイトの部屋のロボットを手に取った。


あやねの手の上でロボットが動き出す。

しかも大きさも変えられるようだ。


「やっぱりこれだ。

イジメられてもカイトに迷惑かけないように強くて、しかもカイトに喜んでもらえそうな能力って思ったの。

大っきくすれば乗れるんじゃないかな?」

あやねの能力はロボット操縦だった。


「おい、マジか今度山かなんか一目につかない所にロボット持って行こう。

人型は無理でも丸型やドラム缶型なら目立たないだろ。」


学校の爽やかでかっこいいカイトが嘘のようにオタク全開だ。

イケメンはイケメンなりにいろいろ守らなければならない事があるのだろう。


そして肝心の俺の能力は…。


俺は女の子3人と願った。

なんでも言う事を聞く女の子3人。


クラスの女子から好きな子が固定で3人選べるのか、それとも同時に3人まで言う事を聞かせられるのだろうか。


もし固定じゃなくて3人まで言う事を聞かせられるんなら10日もあればクラスの女子全員制覇じゃね?

いや、頑張れば1日2セットで6人いけるだろからもっと早くクラス制覇出来るな。


グフッーーーーッ!


俺はカイトに分厚い本で殴られた。


そうだった、カイトは心が読めるんだった。


カイトはあやねに本を手渡しながら言う。

「あやねも1発殴るか?

こいつの脳内は全女子の敵だ。」


「ううん、やめとく。

あんな下品にニヤニヤ笑う人殴りたくない。」


「なんかいろいろすまん、落ちぶれてすまん。俺は童貞なんだ許してくれ。」


「もういいからさっさとしてよ、なんか変な感覚があるとか、なんか身体に変化ないの?」


あやねはもう俺について諦めている様だ。


仕方ないんだ。

童貞男子なんかみんなこんなもんだろ。


俺は身体に集中してみる。

すると、突然手の平にガチャガチャより少し大きめのボールが3つ出てきた。


何やら小さな文字の説明書がついており、俺はカイトに虫眼鏡を借りて見てみた。


好きな容姿と声、性格・能力を設定して下さい。

ランダム設定も可能です。


髪型abcdefghi

輪郭abcdefghi

目、鼻、口、耳、……。


ゲームかよ。


それを見たあやねが笑い転げる。

「きやっはっはっはっ、せっかくチャンスがオモチャのガチャガチャなんて。」


カイトは安心していた。

「良かった、実在の女子に被害は出ないんだ。これでパンダが犯罪者にならないで済む。」


「おい、二人ともやめろ。

笑うな。それに俺は犯罪者じゃない。」


普段だったらあやねの笑い方はムカつく気がしたがなんか心地かった。


俺もあんまり馴染みのなかったあやねに下ネタ話しまくってるしな。


入学式に桜の精霊や不思議な能力などのせいで興奮状態なのかもしれないが、これがきっとカイトの良い人補正なんだろう。


とりあえず俺の女の子作成は後にして、俺達は学校の事を話し合い解散した。


帰宅途中の俺のスマホにカイトから連絡がきた。


そこには、

「ムッツリムッツリ言って悪かった、正直俺もなんでも言う事聞く女の子は羨ましいぜ。

でも縄で縛ったり外を全裸で歩かせたりはやめろよ。」

と書いてあった。


カイトはイケメンなのにマメだ。

これはモテるなと思いながら俺は近所のスーパーで買い物する。

肉野菜たまごなど今夜の夕食の材料だ。


俺は自分の家に着き玄関を開けて冷蔵庫に向かい買ってきた食材をしまう。


中学を卒業してから、俺は祖父母の家ではなく、自分の家 実の両親が出て行った文字通り自分だけとなった家で生活している。


義務教育も終わったし、いつまでも家出したクソ息子の子供なんか面倒見ていたら、世間の目が辛いと言う理由で実の孫だった俺は捨てられた。


あの祖父母あっての両親なんだな。


家で一人になると子供の頃言われたクズのDNAの子と遊んじゃいけません。という言葉が俺の頭の中で反響する。


俺は無理矢理頭を切り替えて自室に戻る。


そこにはたくさんのエロいポスターやフィギュア、エロ本、エロ漫画、エロDVD、エロ小説が並んでいる。


普通に両親と住んでいる高校生なら出来ない部屋だ。

俺はたくさんの美少女に囲まれて幸せなのだ。


そして今日はさらにあの不思議な力がある。


俺は欲望のままに3人の美少女を作りあげた。


一人目。

ほんのり茶色のロング。

おっとりとして優しそうな癒し系の顔に、わがまま巨乳ボディのお姉さん。

俺の中では大学生の設定だ。


二人目。

明るい髪色のショートヘヤー。

エロマンガや普通の漫画でよく見る美少女モブキャラの様なシンプルイズベストな女子中学生。


三人目。

綺麗な長い黒髪を2つに結ぶいつも笑顔の小学生。ちょっとだけ人見知りな所があるけど俺の前では元気いっぱいだ。


本当は小学生はやめて高校生を作ろうかと思ったのだが将来を考えてやめた。


不思議な力で作った俺の美少女達が歳をとるのかはわからないが、一応年齢の幅をもたせたのだ。


それにエロ部門では期待出来ないが、元気な小学生が家にいれば、明るい家庭になるだろうしな。

とても楽しみだ。


俺はとりあえず家にあった秘蔵のコスプレ用の制服や自分のTシャツなどを3人に着させて、早速不思議な力を起動する。


「まずは晩御飯が食べたい。」


中学生の女の子が返事をしてくれた。

「はっ?なんで?お前が自分で作れよ。」


俺はショックのあまり不思議な力を停止した。


今度は小学生の女の子だけを起動する。


「わーい。」と言いながら俺のプリントやノートで紙飛行機を作って、クレヨンで部屋に落書きをはじめた。

もちろん言う事は聞かない。


俺は小学生の女の子も停止して、大学生の女の子に期待をかける。


「力も熟練度も足りないのに何やってるんですか?」


今度は一応ちゃんと会話が出来たので話しを聞いてみた。


なんでも女の子達に自我を持たせるのはとても難しい事だそうだ。


自我を持たせてなおかつ俺の理想の女の子にするには相当な訓練が必要らしい。


俺は一度女の子達をボールに戻し、設定を変えてさっきの生意気な中学生をボールから呼び出した。


「パンツ見せて。」


ゆっくりと動きながらパンツを見せてくれる女子中学生。

ちょっと違和感があるが、すごくリアルに出来た動く等身大フィギュアの様だ。


「恥ずかしがって。」


「ワタシ ハズカシイ デス」

それは下手くそが作った合成音声の様だった。


ダメだ。

これじゃあダメだ。


俺は今日は諦めて女の子をボールに戻し、夕飯の支度をはじめた。


一人分だったら買ってきた方が安いのに、期待して、材料を買ってきた自分を恨む。


ご飯が出来た所で俺は3人を出して椅子に座らせる。


本当だったら家族が座っていたはずのテーブル。


両親は何を思いながらこのテーブルを買って、何を思い俺を捨てて出て行ったのだろう。


この3人にご飯が必要かはわからないが、とりあえずスプーンで口に入れてあげ食べさせた。


一人ずつお風呂にも連れて行き洗ってあげて髪にドライヤーもかけた。


お風呂では少しだけ胸を触ったりもしたが、それ以上はしなかった。


布団は2つしかないので、4人で詰めて寝た。


次の日朝3人はまったく動いてはいなかったが、俺はきちんと3人におはようと声をかけて、パンを一口ずつ口に入れてあげて水も飲ませた。


3人をボールに戻すとボールは俺の手の平に吸い込まれて消えた。


俺は家の戸締りをして学校を目指した。


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