現実
現実パートと悪夢パートに分かれてます( ・`ω・´)
…………ちゃん……………よ…
ん?誰の声?
………お姉ちゃん……てよ…
「っ⁉」
急に意識が浮上し、はっと目が開いた。
「お姉ちゃん起きてってば…あっ!起きたぁ!
お母さぁん!お姉ちゃん起きたよ〜!」
枕元であたしを呼んでいた声はどんどん遠ざかっていく。
どうやら妹があたしを起こしていたらしい。
「また悪夢を見ちゃった…これで何回悪夢見たんだろ?」
さっきまで見ていた悪夢を思い出しながら時計を見ると朝7時。やばい時間だ!
慌てて制服を着ようとパジャマを脱いだ時に何か違和感を覚えた。
よく見ると腹部には薄っすらと細い線の様な痣が浮かんでいた。
「こんな痣、前からあったっけ?」
気になってはいたけど時間がないから、急いで着替えを済ました。
いつも通りの朝の登校、いつも通りの学校……
あたしは今朝見た悪夢を頭から追い出して、いつもの様に皆がいる教室に入る。
「おっはよー亜弥♪」
「あっ!忍おはよ〜!」
あの悪夢とは違う、明るい笑顔で挨拶を返してくれた亜弥にホッとしたあたしは、いつとの様に亜弥の前にある自分の席に座る。
亜弥は学校で1番仲のいいあたしの友達。
活発な性格で全てにおいてあたしとは正反対、行動派タイプの前向きな女の子。
あたしはいつも彼女の行動力に引っ張られて、クラスの輪の中にいつの間にか入っている。
彼女の前向きな明るさは救いだ……すぐに落ち込むあたしには眩しいくらいに。