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訪れた夜


「殿のご帰還だっ!」

水吉の死より一日、炎尾一行は洲本にたどり着いた。

『少ない…』

『いったい何人死んだんだ?』

洲本の人々はまずその数の少なさに絶句していた。

それはそうだ行きで削られ過ぎた、いくら帰りに襲撃が無かったとは言え、今回失った命は余りにも多すぎた。

だが炎尾達に悲しみにくれる暇はない。

「直ぐに軍議だ。広間に迎え」

炎尾は家臣達に告げた。

『はっ!』

家臣達は短い返事を返すと各々広間に向かっていった。

現在、海羅鬼は危地に立たされている。

先の変事は将軍家以外にも様々な大名が関わっているのは明白だ。

その中には確実に三好がいる。

そして三好が加わった理由それは一つ、水吉を失い弱った海羅鬼を強襲し奪ってしまう事だ。

つまり三好はいつ攻めて来てもおかしく無いのだ。

「守ってみせる!」

炎尾は気合いを入れると広間に向かった。


「既に三好は出陣の準備を始めてるとの事です!」

砲船が報告をする。

広間では三好への対策で軍議のまっ最中だ。

「殿、どうするので?」

船尾が尋ねる。

炎尾はうつ向き思案顔だったがしばらくして顔を挙げると、

「海上封鎖だ」

と放った。

『海上封鎖?』

家臣達は首を傾げる。

炎尾は、

「この前、三好がやった事と同じ事を俺達もやるんだよ。全城から出陣して、塩飽諸島の端、播磨灘の四国側、紀伊水道の四国側の海域を封鎖するんだ」

と言った。

「なるほど!その封鎖網から敵を侵入させなければ良いのですな!」

砲船が納得したように言った。

「それに地の利、海戦の習熟、軍船の数、どれをとっても我らに軍配があがる」

船尾も賛成のようだ。

炎尾は満足そうに頷くと、

「よし、じゃあ決まりだ!塩飽諸島は砲船、紀伊水道は船尾、頼んだ!」

と二人に命じた。

二人は、

「承りました!」

「お任せを」

と言って頷いた。

炎尾は再び前を向くと、

「播磨灘は俺がやる…!」

と静かに言った。

その手はわずかに奮えていた。

それも無理も無い、頭目になるやいきなり様々な困難が降りかかってきた。

普通ならば重圧に潰される所を炎尾は必死に耐えている。

そんな炎尾の心中は皆も分かっている。

「兄上一人じゃないよ」

そう言ったのは水羽。

水羽は優しい眼差しで炎尾を見つめていた。

「水羽…」

「兄上は一人じゃない、俺がいる皆がいる。皆そろって海羅鬼だ、だから皆で守り抜こう」

水羽は言った。

『そうですぞ!』

『共にやりましょう』

『守るのです!』

それに家臣達も炎尾に励ましの言葉を掛けた。

「お前ら…。ありがとう…」

消え入りそうな声で炎尾は言った。

だがその言葉はしかと皆の心に響いている。

「ほら、命令を」

水羽が急かす。

炎尾が頷くと、

「皆!出陣だ、三好からこの瀬戸内を守り抜くぞ!」

『おぅ!』

戦が始まった。


『急げー!』

『出陣だ!』

港は慌ただしく動いていた。

三好はいつ来るかわからない、出陣を遅らせる訳にはいかない。

だが炎尾はまだどこか不安そうな様子で港を眺めていた。

「どうしたの?」

それを見かねた波は炎尾に声をかけた。

「え、何が?」

炎尾はキョトンとしている。

「とぼけても無駄よ、何年あんたといると思ってるの?あんたの心くらい読むのなんて簡単よ」

波は自慢気だ。

炎尾は観念した様子で、

「流石母上だな…。すこし不安になっちまって」

「不安…?」

「そ、いきなり頭目になって家臣ができて。皆黙ってついてきてくれてるけど、いざ戦が始まったらちゃんと引っ張ってけるのかなって…?」

「ふっ、そんな事か」

「あ?」

炎尾は一瞬キレた。

だが波はそんなの気にせず。

「あんたはいつもいつも重く受けとめ過ぎるのよ」

「別にそんなことは…」

「あるの!水吉様が何か特別な事をしてたと思う?そんな事は無い。ただがむしゃらに自分の道を突っ走って立ちはだかる敵をなぎ倒して。そんな背中に憧れて皆着いていったの、水吉様の道が皆の道だったの」

「父上の道が…」

「そう、そしてそれは貴方も。炎尾、貴方はどこか水吉様に似てるだから貴方も水吉様の様に自分の道を突っ走りなさい!」

そう言いながら波は炎尾の肩をパシッと叩いた。

「いってぇっ!」

炎尾は波を見る。

波は満足そうに笑っている。

「貴方の背中にもきっと皆ついてくるわ…」

そんな波の微笑みは不思議と炎尾の心に刻まれていた溝をうめた。

いつの間にか不安は無くなっていた。

「母上、ありがとな!俺、走ってみるわ皆が迷わずついてこれる様に、俺も迷わず真っ直ぐに」

「ふふっ、ゆっくりでいいからね」

「いや、やるなら全力疾走だ!」

炎尾はすっかり元通りになっていた。

今なら戦えるどんな敵でも怖くは無い。

根拠は無いが戦にも勝てる気がする。

戦力は五分と五分、戦いは困難を極めるだろう。

だが炎尾は走り続ける、それでも彼はその先に広がる道を見たい、走りたい。

だから戦う、邪魔する奴は皆蹴散らす。

「道はまだまだ続くぜ…」

炎尾は一言呟いた。


炎尾は水軍を率いて洲本を発ち播磨灘の封鎖を行った。

封鎖と言っても播磨灘を丸々封鎖するのはいくら何でも不可能だ。

なので炎尾は総数200の水軍を三つに別けてそれぞれを離して配置、そして海を監視させる。

敵が現れれば狼煙があがる。

炎尾達は海に目を光らせていた。

「敵は現れるなら纏まってやって来るんだよな?」

炎尾は水羽に尋ねた。

水羽は、

「そうだ、元からの情報で三好は一つの港にしか戦力を集めていない。それに俺達を攻める程の大艦隊を動かせる港はそこしか無い」

と答えた。

炎尾は納得はしたが不安そうに視線を落とすと、

「じゃあ心配なのは一つだな」

「あぁ、間に合うかだろ?」

「そうだ、狼煙があがって俺達がたどり着くまでにやられてたら元も子も無い」

「大丈夫だろう。三好ごときにそう簡単にはやられない、海羅鬼は猛将揃いだ逆に返り討ちにしそうな位だ」

水羽は茶化した。

だがその通りだ。

三好は確かに強大だが海には慣れていない。

それに比べこちらは海を知り尽くしているそう簡単にはうたれないだろう。

「そうだな、信じようあいつらを!」

炎尾は顔をあげた。

その時、

『狼煙を確認!方向から左軍!』

兵が叫んだ。

どうやら狼煙があがったようだ。

炎尾と水羽は互いに見会うと、

「船首反転!狼煙の方に向かうぞ!」

「戦だお前ら!気ぃ引き締めて行け!」

『おぅ!』

と命を飛ばしはじめた。

船首かグイッと反転する。

艦隊は狼煙のあがった左軍の元に向かう。

海羅鬼を守るための戦が始まった。


『前方に左軍と三好!既に交戦中!』

二つの船団が炎尾達の前に現れた。

二つの船団は入り乱れ乱戦状態だ。

『後方より援軍!右軍です!』

もう一つの軍も間に合った。

これで戦力は五分、いやこちらが勝っているかもしれない。

炎尾の心配をよそに左軍は予想以上の奮戦をしたようだ、ぱっと見沈んでいるのは三好の船ばかりだ。

「あいつら相当やったな…!」

炎尾は関心する様に呟いた。

「兄上、どういく?」

水羽が聞いてきた。

兵達も指示を待っている。

炎尾の顔つきがかわった。

「敵の後方に回り込んでケツを取る!左軍に夢中になってる三好の虚つくぞ!」

『おぅ!』

船団は巧みな操舵術で三好の後方に回り込んだ。

敵はこちらに気づいていながらも左軍にかかりっきりでほとんど手を出せない。

その為黙ってこちらに背を取られてしまった。

更には横から右軍も突っ込む構えを見せている。

形勢は完全にこちらに傾いた。

「行けぇーっ!!」

炎尾率いる本軍は敵の後方に突進した。

至近距離からの砲撃は敵の関船の奥深くまで破壊した。

そのまま火薬に引火して爆散する船すらある。

『う、後ろからも来たぞっ!』

敵の士気は明らかに下がった。

炎尾達は戦いの渦中に突っ込んだ。

「飛び移れーっ!」

炎尾の叫びを合図に兵達が敵の船に飛び移っていく。

敵の士気は既に落ちる所まで落ちている、こちらが飛び移っても応戦してくる者はほとんどいない。

皆、怯えて逃げ惑ったり、腰が抜けまともに立てなくなるだけであった。

勝ったな…。

炎尾は確信した。

戦は精神勝負の様な所がある。

戦において士気が皆無となることは負けに直結する。

いくら数の優位を持っていたとしてもその兵達が誰も戦わなければ意味はない。

数の優位は直ぐに覆されてしまう。

それに、士気は下げるのは容易いが上げるのは至難の技だ。

ここまで士気が墜落してしまった三好に立て直す術は無い。

「へっ、俺達に海戦を挑むなんざ無謀何だよ!」

炎尾は敵に向かって言った。

だがその時だった。

一隻の小早が炎尾の乗る関船に近づいてきた。

何だ?

炎尾は関船から身を乗り出す。

それは海羅鬼の小早だった。

だがそれに乗っている将兵達は酷く疲弊した様子だ。

「どうした?」

炎尾は将兵達に尋ねた。

だが将兵の口から発せられた言葉は衝撃的なものだった。

「塩飽諸島に敵の増援!こちらが崩壊寸前です!」

「何だと!?」

炎尾は驚きの声をあげた。

「どこにそんな戦力があったんだ!?」

「分かりませぬ!ですが突然現れて…!」

くそっ、予想外だ!

でもどこから?

ほんとに三好の船なのか?

いやまずは援軍にいかねーと!

「水羽っ!!」

炎尾は水羽を呼んだ。

水羽は戸惑いつつもこちらにやって来た。

「どうした兄上?」

「水羽、ここを頼めるか?」

「どういう意味だ?」

「塩飽諸島が突破されそうなんだ。俺は援軍にいく」

「塩飽がか!?なぜ?」

「わからねー、突然敵の増援が現れたらしい。とにかくお前は右軍の船に乗って指揮をとれ!俺は本軍率いて援軍に向かう」

「了解した。塩飽は頼んだぞ」

「おぅ!」

水羽は軽い身のこなしで右軍の船に飛び移った。

うしっ、行くか!

「本軍は俺に続けーっ!塩飽諸島に向かうぞ!」

炎尾がそう言うと本軍の船は船首を振り、塩飽の方に進んだ。

増援ってのは、いったいどこのどいつだ!


「耐えろっ!耐えるんだ!」

砲船は味方の将兵を鼓舞し続けていた。

だが状況は壊滅的だ。

周りを敵に囲まれ集中放火を食らっている。

これじゃああと10分持つかわからない。

「ここまでかぁ…」

砲船が唇をかんだその時、

「右方より援軍!炎尾様です!」

伝令の声が響いた。

「なんじゃと!?ダメだっ、来ちゃいけない!殿!」

砲船は取り乱した、だがその声は炎尾には届かない。

炎尾は既に突撃を敢行していた。

「突撃ーっ!!」

その先頭は炎尾だった。

くっ、敵はどいつだ!

炎尾は旗を探すため辺りを見渡した。

だが炎尾の目に飛び込んだ旗は衝撃的な物だった。

あの旗は…!

それは『上』という字をぐるっと丸で囲んだ旗だった。

そうそれは、

「村上海賊だぁっ!!」

村上海賊は瀬戸内の九州側半分を有する大名だ。

海羅鬼と同じ瀬戸内の覇者に君臨している。

「あいつら!裏切ったのか!」

海羅鬼と村上は同盟を結んでいた筈だった。

その同盟が無かったら瀬戸内は血の海になっていただろう。

だが村上は裏切った。

そして全軍を持って侵攻してきたのだ。

ここで止めなければ海羅鬼は滅ぶ。

「敵は砲船についている!今の内に叩くぞ!」

炎尾達は足を速める。

だが敵は村上、海賊だ。

三好何かとは違う。

乱戦の中から半数程の船が出てきた。

それでも150位ある。

こちらは約50だ。

数は三倍、全ては俺の采配に掛かってる。

「構うな!突っ込めっ!」

船団は進む。

そしてあと少しというところだった。

突如、敵の船団が二手に割れた。

何だっ!?

割れた二つの船団はそれぞれ真逆の方向に進み、あっという間に炎尾達を包み込んだ。

「嘘だろ…?」

そう誘い込まれたのだ。

これは海羅鬼の十八番戦法だ。

敵にわざと突っ込ませ、接敵の寸前に二手に分かれ敵を囲いこむ。

そして囲いこんだ後は、

ズダーァン!ズダーァン!

大筒で蜂の巣にする。

村上の船は一斉に大筒を放った。

四方八方からの砲撃に大混乱となった。

船は次々と沈んでいく。

『うわぁーっ!』

『死ぬっ!』

兵達の悲鳴があがる。

この攻撃を喰らい生き残った者は少ない、更に生き残っても怯えて何も出来ない事からこの戦法はこう呼ばれている。

『心壊し戦法』と。

炎尾も同様だった。

初めて戦で恐怖を感じていた。

死の恐怖、終わりが鮮明に見えた時の恐怖。

初めて自分の事しか考えられなくなった。

「死にたくないっ!」

逃げだそうとしたその時、ピタリと砲撃が止んだ。

何だ?

生き残ったのか?

炎尾はようやく冷静に辺りを見渡した。

だがその光景に絶句した。

そう、辺りに味方の船が無かったのだ。

村上はどうやらわざと炎尾の乗る船だけを外して砲撃したらしい。

簡単に言えば生かしたのだ。

村上の船団がこちらに近づいてくる。

「何だ…?」

バキバキっ!

村上の船が炎尾の乗る船にぶつかった。

家臣や兵士達が炎尾の周りを固める。

だが顔はみんなしんでいる。

村上の兵達が乗り込んできた。

その中心に将らしき中年の男が立っていた。

「村上武吉…!」

炎尾は水吉に連れられよく村上領内に来ていたので武吉の事はよく知っていた。

あの筋肉のついた太い体と真っ黒に日焼けした肌は武吉だ。

「よぅ!一朗太じゃねぇか!」

武吉はいつもの調子で話しかけてきた。

「もう一朗太じゃねぇ!炎尾だ!てめぇ、裏切りやがって!」

「裏切り?それは乱世の十八番だろうよ!」

「てめぇ、調子に乗りやがって…」

「ふっ、わしだって、こんな事はしたくなかったんだ許せ。まぁ、殺しはせぬからな」

武吉はニヤリと不適に笑うと、

「捕らえよ!」

と兵達に命じた。

既に戦意を喪失していた海羅鬼の兵達はあっさりと敵に縄をうたれた。

炎尾も少し抵抗したが、最後には床に押し付けられお縄となった。

「行くぞ!」

武吉の渋い声が響く。

炎尾達は連れていかれた。


洲本城は既に三好の手に落ちていた。

どうやら炎尾達が離れた後に播磨灘と紀伊水道にも村上が来たらしい。

それはもう俊殺だったようだ。

炎尾は三好に制圧された洲本城の広間に通された。

広間には既に船尾や砲船といった家臣団。

そして、波や水羽等の一門達が縄をうたれ座らされていた。

「炎尾…っ!」

水羽が驚きの声をあげるが、炎尾は自分が恥ずかしく視線を反らす。

炎尾は引っ張られ座っている家臣や一門の先頭に座らされた。

「はっはっはっは!そなたが海羅鬼の当主か?まだガキではないか!」

突然広間に偉そうな若者が入ってきた。

若者はそのまま炎尾達の前にやって来て堂々と上座に腰をおろした。

「てめぇ、誰だ…っ!」

炎尾は男を睨み付けた。

「そう睨むでない!わしは三好義継、三好の元当主ぞ。そなたの命はわしの掌に全て掛かっている」

義継は不適に笑った。

「な、てめぇが…」

炎尾は驚いた。

海羅鬼を攻めた、水吉を殺した三好の当主が今目の前にいる。

あと一歩、手さえ自由になれば殺せる、なのに!

殺せねぇ…!

「そなたはどうなりたい?死ぬか?それは嫌じゃろう!なぁ?」

義継はまるでこちらを挑発するように言った。

だが炎尾は、

「ころせっ!父上が死に、海羅鬼が死んだ以上俺に生きる意味はない!だから殺せっ!」

と即答した。

義継はつまらなさそうに、

「なんじゃならばここにいる者全員皆殺しで良いのか?」

「な!それはダメだ!俺だけ殺せっ!この戦俺の命をもって終わらせてはくれねーか?」

「兄上っ!?」

「殿っ!」

一人で死のうとする炎尾を家臣達は引き留めた。

だが炎尾は、

「良いんだ!お前らは生きてくれ、死ぬのは頭目の俺だけでいい!お前らは生きてこの世に海羅鬼があったという事実を、その身を持って証明してくれ!」

と言った。

炎尾にとって海羅鬼は生き甲斐、それが完全に消滅してしまうのは余りにも酷だった。

だから皆を生き残らせて海羅鬼の証明をしようとした。

だが、

「はははははっ!良い!良いな貴様ら!それが見たかったのだ!そのつまらぬお仲間ごっこがのう!」

義継はそれを嘲笑した。

「何だと…!」

炎尾は義継をギロッ睨んだ。

だが義継は、

「この者達から刀を取り上げ縄をほどけ!」

炎尾達の縄を解いた。

急な展開に海羅鬼の者はみなポカンとしていた。

それは炎尾もだ。

だが義継がだした処分は更に酷な物だった。

「そなたらに死は無い!いや許さん!そなたらは皆、永久に三好の家臣となりっ、わしに命を捧げるのだっ!」

そう義継は炎尾達を殺さず、三好の家臣として迎え入れたのである。

だが炎尾達がそれを望むわけが無い。

海羅鬼の家臣達はもちろんの事反発した。

だが炎尾の反応は意外な物だった。

「はははははっ!そうかよ!そうか、わかったよなってやるよお前の家臣に!」

「ほぅ?」

「でも、命は捧げねぇ!今は生き残って、力蓄えて。いつか海羅鬼を滅ぼした奴等、父上を殺した奴等全員皆殺しにしてやる!」

「ふっ、三好へようこそ。海羅鬼炎尾」

ここに海羅鬼は滅んだだが、志まで消えたわけではない。

まだ火は消えていない…。

物語はここから7年後、1572年から始まる事となる。


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