俺のお師匠様
〇月×日
お師匠様から日記帳を渡された。
最初に巫山戯て『深淵魔導之書』と書いたら、花瓶で頭を殴られた。
あの花瓶金貨590枚ぐらいしてたけど大丈夫なのだろうか?
お師匠様は「590万の花瓶が!!!?」と叫んでいた。
〇月×日
今日は日課の魔力増幅練習を行った。
お師匠様は「気合で大抵は何とかなる」とかほざいていたけど、ぶっちゃけお師匠様は本当に気合で何でも出来るから驚きだ。
お師匠様が人間なのか最近疑問に思ってきた。
〇月×日
今日は剣術の稽古だ。
いや、殺試合と言った方が正しいか……
何せ使う得物は刃の潰していない【刀】と呼ばれる東洋の剣だ。
お師匠様は、「【刀】と【剣】は使い方や意味が違う」としつこく言ってくる。
あ、稽古の結果は完敗でした。
〇月×日
今日はお師匠様に【悪戯魔法】の性転換魔法を使われた。
昔、悪友と巫山戯て創ったらしい。
悪友の名前が帝国の皇帝と同じ名前なのは驚いた。
世界には同じ名前の人がいるんだな……:
女体化させられた後は、ゴブリンの集落に放り出された。
ゴブリンは通称【女の敵】と呼ばれている。
捕まった女は輪姦され子を孕ませるらしい。
そんな奴らが住まう集落に女体化した状態で放り出された。
全力で戦った。
ゴブリン将軍や王がいたけどお師匠様より弱かった。
……師匠絶対に殺す……
〇月×日
血まみれで帰って来た俺を見た師匠が「傷付いたか……まだまだだな」とほざいた。
巫山戯るな!! ゴブリン1064匹もいた中で死ななかった事を褒めろよ!!(※ちゃんと数えました
絶対に師匠を殺す。
〇月×日
今日、訓練をしていたら大鬼が19体の群れで襲ってきた。
可笑しい。
大鬼は基本群れない。
何か有る……。
師匠も可笑しいと感じた様だ。
徐ろに立ち上がった師匠が刀を抜いて大鬼を素材ごとに切り分けていた。
生きた状態で……。
苦痛に叫ぶ大鬼に同情はしない。
殺しに来たら殺される覚悟を持てと何回も師匠に言われた。
とりあえず合掌。
〇月×日
今日は昨日の異変調査の為に師匠が朝から出掛けた。
一人になった……剣と刀の二刀流を練習しながら魔力増幅訓練を同時にやった。
意外と難しい……
〇月×日
昨日、出掛けた師匠が帰って来た……
背中に竜を担いで。
可笑しいだろ!? しかも竜の中でも強者に分類される【古龍】の火竜だぞ!?
師匠が人間なのか本格的に怪しくなってきた……。
驚いている俺を傍目に師匠は「ドラゴンの焼肉パーティーだ!!」とか叫んで珍しく酒を飲んでいた。
〇月×日
師匠が二日酔いでぶっ倒れた。
この世で一番強いのは酒かもしれない。
俺はそう思った。
〇月×日
師匠が居なくなった。
書置きには「旅をしろ。お前なりの強さを身につけて来い」と書いてあった。
今後の目標を立てた。
先ずは人類最強を目指す。
最後に師匠に勝つ!!
.+*:゜+。.☆長いので適当に……☆.。+゜:*+.
先ずは金がいるから冒険者になった。
普通にAランクに上がれた。
竜を倒したり、オークの集落を単騎で潰したり、Aランク指定の盗賊団を生け捕りにしてたらサクサクとAランクに上がった。
師匠の方が強かった。
拳闘大会に出場した。
殺傷は失格になるので手加減が大変だった。
Sランク冒険者が居たそうだけど、どいつもこいつも師匠の方が強かった。
人類最強のSSランク冒険者の皇帝と戦った。
確かに最強の名は伊達じゃなかった。
でも師匠の方が強かった。
龍王と戦う事になった。
何回か死にかけたけど師匠の方が強かった。
魔王が復活したそうだ。
そういえば前に「フハハハハハ!!我、復・活・!!」とかほざいていた奴が居たけど殺しちゃった。
師匠の方が強かった。
熾天使が魔王を倒した者の実力を確かめるとか言って戦いを挑んできた。
師匠の方が強かった。
俺は何時の間にか人類最強になっていた。
.+*:゜+。.☆☆.。+゜:*+.
〇月×日
師匠と過ごした森に帰って来た。
師匠はすっごいイイ笑顔で「お帰り」とか言ってきた。
嬉しい筈なのに悪寒が止まらない。
つい本気で師匠と戦った。
少しは強くなった俺を見た師匠が嬉しそうな顔をしていたけど片手で戦っているから手加減しているのが丸わかりだ。
そして、負けた。
やっぱり師匠は強い。
つい気になって、師匠のステータスカードを覗いた。
神殺し、英雄、人から外れた者、生物の壁を超えた者、魔王殺し、竜殺し、龍殺し、悪魔殺し、迷宮踏破者、一騎万軍、神を超えた者、絶対強者、異世界人、勇者、型破りの勇者、常識破りの勇者
勝てる訳が無い。
でも、負けたくない。
次は神を倒して師匠に勝つ!!