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マセケン

作者: うにお
掲載日:2015/01/10

 あなたが好き。

 朝起きてハグしてくれるあなたが好き。

 景色を見ながら散歩をするあなたが好き。

 料理しているあなたが好き。

 楽しそうに食事するあなたが好き。

 歯を磨いているあなたが好き。

 嬉しそうに服を選んでいるあなたが好き。

 運動をしているあなたが好き。

 お風呂に入っているあなたが好き。

 優しくポンポンしてくれるあなたが好き。


 なのにどうして。


 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、私たちは仲良しなだけで恋人にはなれないの?

 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、あなたは私以外の人に笑顔を向けるの?

 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、あなたはあの女と笑っているの?

 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、あなたはあの女に料理を作ってあげるの?

 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、あの女と一緒にいるの?

 私はあなたのことをこんなにも好きなのにどうして、あなたの笑顔が憎いの?


 嫉妬、こんな感情初めて湧いた。


 私はあの女が嫌い、だって彼に恋をしているから。

 私はあの女が嫌い、だってブスだから。

 私はあの女が嫌い、だって短足だから。

 私はあの女が嫌い、だって香水つけてるから。

 私はあの女が嫌い、だって彼といると楽しそうだから。

 私はあの女が嫌い、だって嫌いだから。

 私はあの女が嫌い、だって私から彼を奪ったから。

 私はあの女が嫌い、だって私に優しくするから。


 私は必死に叫んだ、でも。


 いくら私が叫んだって、あの女は優しく微笑んでくれる。

 いくら私が叫んだって、彼は相変わらず優しく撫でてくれる。

 いくら私が叫んだって、二人の距離は遠ざからない。

 いくら私が叫んだって、私が虚しくなるだけ。


 なんて無様なんだろう、なんて滑稽なんだろう、なんて馬鹿なんだろう、なんて愚かなんだろう。


 もう私はあなたを独り占めできない、それはワガママなことなのかもしれない、だけど私にはあなたしかいないの。

 だからお願い、もうあの女と寝ないで、あの女なんか追い出して、私の気持ちも知らずに優しくするあの女を。


 もう一度だけ、私だけを見てよ…。


「アォォォォォンーー」

愛犬の前でイチャイチャパラダイスしないように!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初、語り手は妹かなと思いながら読んでいたのですが、まさかの愛犬! 二回目、語り手が犬だということを念頭において読んだのですが、最初に読んだときとはまた違った面白さもあって、二度おいしい作…
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