第5話「ちよだ」
「おおすみ」の後ろを航海していた「ちよだ」も現状を理解した。
豊田光政
「とりあえず平田さんの言うとおりいって見るしかないな…」
豊田光政。護衛艦「ちよだ」艦長。
前野正英
「そうですね」
マフジーは「おおすみ」のとある船室に閉じこめられた。
マフジー
(ミドル帝国…、いやフローラル帝国の新型兵器か…)
コンコン
ドアがノックされ、熊谷が入ってきた。
熊谷雅之
「さっきは…」
マフジー
「やっぱりミゲルかフローラルの仲間なんですか?」
熊谷が言おうとするまえにマフジーが言う。
熊谷は半ばため息混じりに
熊谷雅之
「だからそんな国知らないって…」
マフジー
「………………」
マフジーは改めて熊谷の戦闘服を見た。
マフジー
「確かにこんな格好する兵隊はいない。こんな地味な」
それを聞いた熊谷は呆気にとられた。
熊谷雅之
「なんだ?お前らの国の戦闘服は目立つのか?」
マフジー
「そりゃだって、俺は防空隊ですから地味ですけど騎馬隊とか砲隊の服は子供達の人気ですよ」
熊谷雅之
(騎馬隊か…)
マフジー
「あんた結局俺をどうしたい?」
マフジーは熊谷を睨みつける。
熊谷雅之
「君が将校に見えたからな…」
マフジー
「階級は少佐だ」
熊谷雅之
「あ、じゃあ俺と同じだ。俺も少佐だ」
マフジー
「そうか君もか」
マフジーはそれを聞くと
マフジー
(こいつ、同じ中尉なんだ…)
熊谷雅之
「まぁいい。また後で来る」
そう言って熊谷は部屋を出た。