第4話「異世界」
平田正文
「本当はいきなり甲板に舞い降りた人を艦長室に連れてくるのは異様なんだが、君を見てつい話したくなった」
艦長室で平田正文とマフジーは対面している。
その様子を熊谷はみていた。
平田正文
「我々はある任務の為航海していたが突如雷に撃たれて気がつけば周りに僚艦は無く、そこに君が現れた訳だが…」
平田は一拍入れて、マフジーにこういった。
平田正文
「ここは、どんな世界だ?」
~艦橋~
艦橋では、平田の帰りを待つ船員達がいた。
沢田直樹
「菊松二佐」
沢田航海長が菊松に話しかける。
沢田直樹
「もしかしてここは…」
菊松康平
「沢田。それ以上言うな。言いたい事は分かる」
沢田直樹
「はっ!」
菊松康平
(考えたくないが、ここは俺たちの知る世界では無い…)
菊松はそう考え始めた。
一方艦長室の平田はマフジーの話しを聞いていた。
マフジー
「我がライジング王国は現在、フローラル帝国とミゲル帝国と交戦状態にあり……」
それを熊谷は後ろで聞いていた。
熊谷雅之
(つまりコイツの国は2つの国からリンチされてるわけか…)
マフジー
「最近は首都コネスタシティも爆撃に晒され、今は港町ミネサダに臨時首都を」
平田正文
「なるほど。ところでマフジーさん。この場所から近い街はどこかな?」
マフジー
「?その臨時首都ミネサダですが…」
平田正文
「わかった」
平田はそれ聞くと
平田正文
「熊谷三佐!ただちにこの男を拘束!」
熊谷雅之
「はっ!」
マフジー
「!?」
平田正文
「そして護衛艦『ちよだ』に伝達!我々は現状確認の為、ライジング王国臨時首都ミネサダに向かう!」
マフジー
「なっ…」
マフジーは平田の言ってる意味を理解した。
マフジー
「貴様!」
マフジーは腰に差していた短刀を抜き出し平田に襲いかかるが
熊谷が咄嗟にマフジーを取り押さえる。
マフジー
「この野郎!」
平田正文
「悪いが人質になってもらう。熊谷三佐、彼を別室へ」
熊谷雅之
「了解!」
一方艦橋では混乱が生じていた。
先ほどの会話は艦長室から無線で内容は全部知らされていた。
そして艦長室の平田は艦長室の無線機をとった。
平田正文
「艦長より総員へ。先ほどの会話の通り、ここは我々の知る世界では無いようだ。しかし彼が嘘を言ってる可能性がある。これよりライジング王国臨時首都ミネサダに向かい、真相を確かめる。以上!」
菊松康平
「……………」
沢田直樹
「……………」
艦橋の菊松と沢田は呆気にとられた。
そして菊松は、マフジーのJを見て
菊松康平
「まぁあんなの見せられちゃ確認したくなるわな」
沢田直樹
「そうですね」