第25話 初めての
投稿が遅くなって申し訳ありませんでした。
次は、遅れないつもりです。
「ダノン、お願い放して、お願いよ」
そう言いながら、腕を引っ張る。
しかし、腕には鎖が付けられており、「ジャラジャラ」と鎖をする音が響くだけだ。
「お嬢様、もういい加減覚悟を決めましょうや。あの小僧に負けたおかげで、俺はもう町へは戻れやしません。だったら……」
ダノンは私の体を舐めますように見つめ
「最後にちょっとくらい楽しませてくれても、罰はあたらないんじゃないですか?」
「そ、そんなの知らない……だから放してよ。この鎖を取って」
そう懇願するのだが、ダノンはむしろ楽しそうに笑いながら、私の肩に手を掛けて撫で回す。
ゴツゴツとした手に直接肌を触られると、何ともいえない不快感に襲われる。
「さ、触らないで……、いや、いやなの……」
しかし、私が嫌がれば嫌がるほど、ダノンの嗜虐心を刺激してしまい、より一層興奮させてしまう。
ダノンは肩を撫で回していた手を私のブラウスの襟元に掛けると、一気に引き降ろす。
「ビリッ!」
と布を引き裂く音を残して、ブラウスが引き裂かれる。
「おやおや、さすがはお嬢様。きちんとインナーを身につけていらっしゃるようですね」
そう言いながら、ダノンは私の体をインナーの上から撫でまくる。
「ふっふっふ、まだまだ小さいですが、一応揉むことはできるようですよ」
そう言いながら、ダノンは私の小さな胸をまさぐる。
「いや、お願いよ……そんな風に触らないで」
「そうですか? じゃあこうしてみましょう」
そう言って、ダノンは私の乳首を指で潰すように摘む。
「ひぃっ! 痛い! 痛いよ!」
あまりの痛みに思わず涙がこぼれる。
「きひっひっひ、いいなぁ~、いい鳴き声ですよ、お嬢様。その鳴き声をもっと聞かせてくださいよ」
そう言って、ダノンは再度私の乳首を摘む。
「ひぃっ! やめて、お願い! もう……」
「我儘なお嬢様ですね、それでは、こうさせてもらいましょう」
そう言って、ダノンは私のインナーも力任せに引き裂く。
私は思わず、両の手を前に持っていこうとするが、鎖がそれを邪魔する。
そのため、私の体は、下着一枚を残して、ダノンの前に晒されてしまう。
「いや、いや! トリオ! トリオ助けて!」
「かはっは、そいつは無駄でしょう。あいつにここが分るわけありませんよ。お嬢様が夢を見るのは勝手ですが、現実ってのはそんなに甘いもんじゃないんですよ」
そう言って、ダノンの手が私の素肌に触れようとして、私は思わず目を瞑ってしまう。
その目から一筋の雫が零れ落ちるその前に
「バクスタースペシャルキィィィーーーーーック!(ただの左足刀蹴り)」
「うぼごぉぉぉぉ!」
「え?」
トリオの声が聞こえたと思って目を開けると、私の体には以前トリオに投げつけた服が掛けてあった。
まずい! このままじゃ、テレサお姉ちゃんが酷い目にあっちゃう。
えーと……たしかこんな時は……、そう言いながらアポーツバッグを探りある物を取り出す。
よし! これで準備完了だ!
早くテレサお姉ちゃんを助けなければ!
「バクスタースペシャルキィィィーーーーーック!(ただの左足刀蹴り)」
「うぼごぉぉぉぉ!」
確実な手ごたえ(足ごたえ)を残して、ダノンと呼ばれた男が壁に吹っ飛ぶ。
ダノンはそのまま、壁に激突するが、気を失うまでは行かなかったようで、苦しげに、そして忌々しげに声をあげる。
「な、何しやがる! 俺の楽しみを邪魔するやつはどいつだ!」
「黙れ、卑怯者! お前のような卑怯者は、天が見過ごしても、このウラノン仮面が許さん!」
そう言いながら、僕はダノンを指差しながら「ビシィッ!」とポーズを決めるのだが
「いやお前、さっきのトリオってガキじゃないのか?」
と、戸惑いがちに指摘してくるのだが、僕はそれをはっきりと否定する。
「ち、違うぞ! 僕の名前は愛と正義の使者ウラノン仮面!」
しかし、ダノンもテレサお姉ちゃんも納得していないようで
「いや、どう見てもさっきのガキだろ?」
「え? トリオじゃないの?」
「う、うるさい! 僕はウラノン仮面なんだ! その証拠に、これでも食らえ! ウラノンボンバー!」
そう言って、僕は手近にあった、椅子を手に取り、目にも留まらぬ速さで投げつける。
更に次々と手近にあったものを投げつけ、トドメとばかりに、テレサお姉ちゃんが寝かされていた、ベッドを持ち上げ投げつける。
「ウラノン・ファイナル・アターーーーック!」
「グギャ!」
ベッドの下敷きとなった、ダノンは断末魔の悲鳴を上げて気絶する。
「よし! これで悪は滅びた。お嬢さん、大丈夫ですか?」
とテレサお姉ちゃんを振り返ると、
「ねぇ、なんでトリオはそんな変な仮面を付けているの?」
「な、何を言っているんだい、お嬢さん。僕は通りすがりの愛と正義の使者ウラノン仮面だよ。トリオ君とは無関係さ!」
そう言うと、テレサお姉ちゃんは、半分あきれながら
「まったくしょうがない子ね。意味分からないわよ……」
「そ、それよりも、僕はただの通りすがりだから、これで失礼させてもらうよ。さらばだ!」
そう言って、僕は入り口から素早く外へと飛び出す。
「あ! ちょっと待ってよ!」
テレサお姉ちゃんの呼び止める声が聞こえるが、無視して森の奥へと駆けていく。
よし、ここまでくれば大丈夫だろう。
それにしても、なんで父さんはこんな仮面を付けることを勧めたのかな?
理由はお前が大きくなったら分かるって言っていたけど、どう言う事なのかな~?
とりあえず、テレサお姉ちゃんのもとへと戻ろう。
「あら、帰ってきたのねトリオ」
「ん? なんのこと? 僕は今来たばかりだよ」
「……まぁいいわ。それよりも、怪我は無いの?」
そうテレサお姉ちゃんは心配する。
「大丈夫だよ。もう薬も掛けたから、安心して。それよりも、ディグってやつには契約の用紙を書かせたから、もうお姉ちゃんを苛めることはできないはずだよ」
「本当、もうお兄様は私を苛めないの?」
「うん、もう大丈夫だと思うよ」
そう言うとテレサお姉ちゃんは僕の胸に飛び込んできて
「ありがとう、トリオ! 本当にありがとう」
そう言って僕に抱きつく。
そんなテレサお姉ちゃんのお礼に照れた僕は少しだけ、ぶっきらぼうに
「もし、テレサお姉ちゃんが平気なら、さっきの続きをしよう。途中までは魔力通路ができているんだから、あと少しだよ」
「まだ、やるの?」
「う~ん、じゃあやめる? 僕はどちらでもいいよ」
そう言って、少し引くと、テレサお姉ちゃんはすぐに
「だ、だめよ! 折角途中まで、できているんだから、やるのよ! さぁ、あっちに行ってやりましょう!」
「ね、ねぇ、トリオ。本当に私魔法が使えるかな」
「うん、たぶん大丈夫なんじゃないかな。魔力通路が開いたから、魔力はちゃんと出るはずだよ」
「それなら、だ、大丈夫なはずよね。や、やってみる!」
「うん、危なくないように、湖の方へ向かって撃ってみてね」
「うん、じゃあ行くよ! ね、念のため術式起動のところから、正式な手順でやってみるね」
そう言ってテレサお姉ちゃんは両手を前へ突き出し
「原初たる火の魔法、その赤き炎を持って敵を撃ち滅ぼせ!」
テレサお姉ちゃんが呪文を唱えると、お姉ちゃんの目の前にくすんだ色の魔方陣が浮かび上がる
「ファイアーボール!」
『シーン…………』
「「……」」
テレサお姉ちゃんが全身に悲壮感を漂わせながら僕を見ているのが良く分かる。
まだ短い僕の人生の中で、これほど気まずい雰囲気は初めてだ。
それにしても……そう思い、お姉ちゃんに質問してみる。
「ね、ねぇ、あのさ……」
「何……かしら?」
「あのね、今お姉ちゃんが呪文を唱えたら魔方陣が出たよね? あれ何?」
「え? ああ、そう言えば、そうだったわ。私も初めて見たの。だから……こんどこそ上手くいくかと思ったんだけど」
「あのさ、僕の父さんも母さんも魔法上手だけど、普段はあんな魔方陣なんて見たこと無いよ?」
「そう言えばそうね。私のお母様も魔法が上手だけどあんな魔方陣見たこと無いわ」
「やっぱりそうだよね……あれなんだろう?」
「うーん、前まではあんな風に魔方陣なんか出なかったから、少しは魔法が使えるようになったのかと思ったのに……」
そう言ってうつむいてしまうお姉ちゃんを何とか励ましたくて、さっきの事を思い出してみる。
確かにお姉ちゃんの手から魔方陣に向かって魔力は注がれた。
その時、魔方陣がの下のほうがうっすらと光ったような気がする。
「ねぇ、テレサお姉ちゃん。あのさ僕思うんだけど、さっきの魔方陣は間違いなく術式だったと思うんだ」
「そうね、私もそう思うわ。あの魔方陣は、私の呪文が紡いだ術式だと思うの。なんとなくだけどね……」
「うん。僕もそう思うんだ。それでね、きっとテレサお姉ちゃんの術式はかなり強力だし、強固だと思うんだけど、その分注ぎ込む魔力も膨大なんじゃないかな?」
そう言うと、さっきまでうつむいていたテレサお姉ちゃんが頭を上げる。
「そ、そうなのかしら?」
「うん、だってテレサお姉ちゃんの手から魔力が魔方陣に流れた時、すこしだけ下のほうが光ったんだよ。あれが全部光れば魔法が発動するんじゃないかな?」
「す、凄いわね、トリオ。良くそんな事が分かるわね」
そう言ってテレサお姉ちゃんはしきりに感心する。
「いや、あのね……僕はテレサお姉ちゃんの逆だから、何となく分かるんだよ」
「逆ってどういう事?」
「あのね、僕が魔法を使おうとすると、魔力を流しすぎて術式が『パキィィンッ!』って感じがして壊れちゃうんだよ。まぁ、その感じは僕にしか分からないんだけどね」
「そうなんだ『あっ!』」
「え? 何、どうしたのよ、急に大声をださないでよ!」
僕がいきなり大声を出したことで、びっくりしてしまったらしくテレサお姉ちゃんはプリプリと怒るのだが、それを一発で笑顔に変えることを提案してみる。
「ねぇ、テレサお姉ちゃん。今度こそ僕がお姉ちゃんに初めて魔法を撃つことを体験させてあげるよ」
「え? 本当? 本当にそんな事が出来るの?」
「うん。たぶんね。この方法で僕も初めて魔法を撃つことができたんだ。その時はディノスが手伝ってくれたんだけどね」
「さっきも言っていたわね。そのディノスって人のこと」
「ああ、ディノスってのは僕の友達で、げ……まぁ、僕にさっきの移動術や体術を教えてくれた友達なんだ」
「そうなんだ。凄い人なのね。そ、それで……その、本当に、私が魔法を使えるようになるの?」
そう言って、テレサお姉ちゃんは不安そうに僕の服をギュッと掴む。
「大丈夫だよ、テレサお姉ちゃん。そうだ! どうせなら、初めての魔法を撃つ記念になるべく派手な魔法にしようよ。テレサお姉ちゃんが術式を組める一番強い魔法に!」
「あ、あたしが知っている、一番強い術式? いや、それはさすがに無理だと思うわよ。でもそうね、せかっくの初めての魔法なんだから、私が一番使ってみたい魔法にしてみようかしら、たぶん無理だと思うけど」
そう言いながら、テレサお姉ちゃんはクスクスと笑う。
これは、本当に無理なんだと思っているんだろうな、でもね、僕には自信があるんだよ。
「ねぇ、それはどんな魔法なの?」
「それはね、私のお母様やマロリーおば様の師匠である、エル様が得意とする呪文なんだけど、炎呪文の単体を対象とした最上級呪文で灼熱の槍って呪文なんだけど、エル様の灼熱の槍は炎の鳥の形をしていて、別名グランドマザーフェニックスって呼ばれているらしいわ」
「へ、へぇ~、まるでどこかで聞いたような話だね」
「話? ああ、たぶんマロリーおば様から聞いたんじゃないの? それでね、もし私が灼熱の槍を唱えることが出来たらどんな形をとるのか、やってみたいと思っていたの」
「それは面白そうだね、その灼熱の槍って魔法は人によって形が変わるものなの?」
「さぁ? そもそも、本当の灼熱の槍を使える人はこの世界でも、十人もいないみたいだから、よく分からないわ」
「テレサお姉ちゃんはそんな貴重な魔法の術式も使えるの?」
「ううん、厳密に言うと使えるわけじゃなくて、術式の組み方を覚えているだけなの。だって私……魔法使えたこと無いから」
そう言って、またもや落ち込んでしまう、テレサお姉ちゃんを元気付けるために
「よしっ! 頑張ってやってみようよ、大丈夫だよ絶対に上手くいくから!」
「うん! じゃあお願いね。どうやってやるの?」
「えーとね、まずテレサお姉ちゃんはさっきと同じように湖に向かって魔法を撃つようにしてくれる?」
「じゃあ、こうかしら?」
そう言ってテレサお姉ちゃんは、湖に向かって両手を向ける。
僕はそうやって構えるテレサお姉ちゃんを後ろから抱きすくめるようにして、お姉ちゃんの両腕を僕の両腕で掴む。
「な、なんか変な感じなんだけど……これでどうするの?」
「あのね、さっきお姉ちゃんの魔法が上手く行かなかったのは、魔力が足りていないからだって僕は言ったよね?」
「そうかもしれないわね、それで?」
「だからさ、僕の魔力を直接さっきと同じように魔力通路を使って流して必要な魔力を足そうと思うんだ」
「そんな事できるの? 普通の術式は、その術式を組んだ本人の魔力しか受け入れないんじゃないの?」
「そうだよ。イメージで話すとこういうことだよ。僕の左手からさっきと同じように僕の魔力をテレサお姉ちゃんの魔力通路を使って一旦、魔力庫まで届かせて、その後魔力庫からテレサお姉ちゃんの右手に向かって魔力を進めて行き、最後には右手の先から術式に向かって魔力を放出するかんじかな」
「うう……それってさっきみたいに痛くない? それにそんなんで本当に術式が私の魔力として受け入れてくれるのかしら?」
「たぶん大丈夫だよ、イメージ的に言うと、お姉ちゃんの魔力に僕の魔力を錬りこむようにするから。それに魔力通路は開通しているから、痛みは無いと思うよ」
「そうなんだ、じゃあやってみましょう!」
「うん! 絶対に上手くいくさ!」




