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「たっ…たっ…谷沢くん…。」


そんな顔して谷沢くんなんて…距離を取られたような、新鮮なような。


遠くから見ていた綺麗な真っ直ぐな黒髪。小さな頃の面影を残した化粧をしてない顔に柔らかそうな頬。

小さな頃と同じようで、違うような女の子。


「あの…昨日の話しなんだけど…。」


つい、頭が一杯になっていた話がでた。


「うん。賭けか罰ゲームでしょ?大丈夫。分かってる。」


なんだそれ?


「あ…。いや。ただ付き合って…。」


欲しいだけなんだ。


まぁちゃんの嫌そうな顔を見てたら、背中を向けて歩き出すまぁちゃんに最後まで言えなかった。


昨日からのダメージもあり、これ以上嫌われるのが怖くなる。

肝心な事が伝えられず情けない声しかでない。


立ち止まった真美に歩み寄る。


「お試し期間つけるから。」


苦しまぎれに、いつか遊び仲間が使っていた言葉を言ってみた。


「ねぇ…。まぁちゃん…。」


好きなんだ。

他の誰かの所に行って欲しくないんだ。


真美の横に匠が来た。


「まぁちゃん…。」


今は、昔みたいに話しが出来るだけでもいいから…。


心の想いは口に出てこず名前しか呼べない俺を、まぁちゃんが見た。


「お試し期間どれだけ?」


「え?」


笑顔もなく恥じらう訳もでなく、ただただ困り顔の真美。


もしかして、もしかするのか?


まぁちゃん、優しい所は変わってないな。

笑顔じゃないのが残念なうえに、よく解らないお試しの付き合いの始まりに複雑な心境になる匠だった。



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