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返事を聞く以前に告白途中に逃げられた寂しい一人の帰り道。
まぁちゃんの家の前で自転車を止め、2階にあるまぁちゃんの部屋を見あげた。
「俺と付き合わない?」
そんな風に上から言うつもりじゃなく、もっと…違う言い方をするつもりだった。
目の前にいるまぁちゃんに考えた言葉が飛んでしまいながらも、自分なりに格好つけた結果だ。はぁ。
今までそれなりに告白されていたから、気が向けば気持ちも無いのに付き合ってきた。
その上に友達優先の付き合い方だったので振られる方が多かった。
今までの女の子も、こんなにドキドキしながら告白くれてたのかな…。
これまでの彼女や女友達と見た目も生活も全く違うまぁちゃん。
呼び出しは手紙でソフトにと成功したのに、結局は逃げられるし…。
それに、ここで一人反省会してる俺って…。
明日の朝もう一度伝えてみるか?
いや…無理かも。朝から逃げられたら立ち直れないかもしれない。
今日せっかく学校で話しが出来たんだから、やっぱり朝ここにこよう。
グルグル考えが止まらない中、ため息ひとつ落としペダルを漕ぎ出した。
告白の話題には触れないから、せめて寝る前の「おやすみ」メール位したいな…。
そこまで考えてメアドすら聞けていなかった事に気が付き
大きなため息と同時に自転車がよろめいた。
そして、迎えた翌朝。
予想登校時間より早目に来て待つ俺。
カチャリと玄関の鍵を閉めるまぁちゃんに間に合った。
チリンと自転車のベルを鳴らし
「おはよう。」
まぁちゃん…。
振り返りビクリとしただけだろうけど、口にしてないはずの
「げっ」
が聞こえた気がするよ…。
そんなに嫌われたかと大ダメージを受けた。
やはり地道に行けば良かった…。
俺の中で、しても仕方ない後悔が急成長した。