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翌日の教室で
「ねぇ。匠~。」
メイクも髪もバッチリないつも遊んでいる女友達に腕が捕まった…。
ほとんど話を聞かずにいる俺の視線が友達と話すまぁちゃんを見つけた。
今の視線の先にいるまぁちゃんは、小さな頃から好きだった笑顔のままだった。
ああ…なんだか癒される。
「匠ったら。聞いてる?今日、遊ぼうよ!いいよね?」
その声に途端に今まで気にならなかった女友達の甲高い声と化粧と香水が、耳と鼻につきはじめる。
なんともなかったのに…。
「無理。行かない。」
不思議に思いながら捕われた腕を抜き、まぁちゃんの近くを通り教室をでた。
その時から、まぁちゃんをこっそり見る事が日課になった10月。
知らず知らずの内にまぁちゃんを、見つけらるようになり見たくないのに見てしまう。
廊下で友達と話していたら、向こうから歩いてくる二人。
隣のクラスの谷沢とまぁちゃん。
普通に笑いながら話をしていた様子だが、前を通りすぎるくらいの距離で谷沢がまぁちゃんに内緒話をする谷沢。
「うそ!本当?嬉しい。ありがとう。」
満面の笑みのまぁちゃん。
谷沢…近すぎるだろ。離れろ。
さらに11月にまた見つけてしまった。
放課後に仲良く笑いながら図書室に入る二人を…。
三日連続で…。
谷沢が彼氏なのかと悩んだ。
今だに声もかけられずにいるけど…。
日々の日課で再確認したまぁちゃんの
ほんわりした笑顔
柔らかい声
さりげない優しさ
昔は大好きだった。
今は大好きを再確認した。
見るたびに思う。
近くに行きたい。
色々な話しをしたい。
誰かに取られたくない。
何も出来ないまま県外に行かせたくない。
まぁちゃんとずっと前みたいに一緒にいたい。
自分の気持ちを自覚した俺は考えに考え、まぁちゃんか図書委員の日に誰も教室に居ないように計画して
ドキドキしながら、まぁちゃんの靴に手紙を入れた。