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     ●いまだに ときめきな恋(14)

ようやく納得したような兄貴さんとクリュウ君を連れて私は再びテレポート。

兄貴さんは相変わらず私を怖がってるし。

それにしても暗くてよかった。これなら私の涙は二人には絶対に見えないから。



とりあえず目的地は『あの村の宿の前』まで。

みんな布団で寝てるだろうからその中にレイシューを入れちゃえばいいよね。さながらクリスマスプレゼントっぽく!

あ、なんか楽しくなってきたかもっ



ちなみにレイシュー、さっきまで元気に遊んでたのにおねむの時間になったため兄貴さんの背中で寝てる。

本人は新しいお友達とお別れになるとわかってるはずなのに、人間誰しもやはり睡魔には勝てるはずがない。


と、考えている間に到着。何だかさっきまでの騒ぎが嘘みたいな静けさ。

あ、念のためフードを被ることに抜かりはないっ!




「じゃあ、行ってきます!」




兄貴さんはがたいがでかいから目立っちゃうし、クリュウ君はそもそも行く気すらない。

お見送りする兄貴さんはともかく、この人何しに来たんだろう…?







*******







あれ?勇者様はどこに行ったのかな。

レイシューはぐっすり寝てる。

大人びて見えても恐いもの知らずでもやっぱり子供。

で、他の人の部屋がわかんないから一応行ったことのある勇者様の部屋のベッドに寝かせてきたけど………肝心の勇者様の姿がない。

おトイレ?お散歩?

せっかく勇者様の寝顔が見れると思ったのに……。

少し、ちょっと、かなり、すごく、超絶、残念。

あ、私は寝込みを襲うようなまねはしないよ?

戦いは卑怯な真似はせず、いつだって正々堂々としないとね!



会えると思ったのに会えなくなったとなると妙に会いたくなる。

とりあえず勇者様の半径10メートル付近にテレポート。

もうちょっと近づけばって思うかもしんないけど、だって…………………………………本当にトイレしてたら、気まずいし。

自然と顔が熱くなる。


と、着いた先は宿の外。

トイレでないことに安心して周りを見渡して勇者様を捜す、けど…………。




「なっ、ま、魔王っ!?」

「珍しいな、こんな時間に」




………お邪魔だったかも。

だってだって勇者様と仲間のあの綺麗な女の人、……名前は忘れちゃったけど、その人と二人っきりだったんだよ?

それも夜中にっ!

……かなりショックだった…。やっぱ恋人なのかなぁ……?


平凡な私なんかよりもずっとずっと綺麗な外国人顔だし、髪も勇者様にそっくりでお似合い…。

私と勇者様は敵同士だから勇者様が私を恋愛対象とみることはないかもしれないけどでも、ショックなものはショックなのだ。




『きっと勇者も魔王におなじこと言うよ』




…レイシュー、言われそうもないよ。

恋人がいる勇者様にとって私は所詮敵でしかないのかな……?

好きになってもらえなくても私は勇者様が好き。

彼が好きでなくても、想うだけなら許される。

そう思ってたけど……やっぱ苦しいなぁ…。




<どうしたの?あれが勇者なんでしょ?『玲心の珠』取らないの?何をぼんやりと……>




そういえばこの人、私の思考は読めないんだったっけ。




<あ、わかった。あの人にお熱なんだー>




あっさりと見破られた。

ひゃぁっ!ほ、他の人から言われるとかなり恥ずかしい!

私の顔が急速に青から赤へと信号機みたいに色が変わる。




<照れない、照れない♪>




完全におもちゃ扱いだぁ〜!




「魔王、レイシューはどうしたんだ?」

「…………ぇ、あっ……の…、あなたの、部屋、で、寝てます」

「ほら、やっぱりな。てか顔赤いぞ?」




やっぱりってどういうことだろう?

というか待って!勇者様がこっちに向かってくる!

いつもだるそうにしてるのに、木の上からわざわざ降りて歩いてくる!なんで!?

ただでさえあの人のせいで心臓バクバクなのに今来られると止まっちゃうよぉ!

さっきまでの気の落ち込みが嘘みたいだった。

勇者様の目をみることができないぃ…。



3/7(月)、間違い直しました。

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