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     ●不審(5)

クリュウ君初対面に対して失礼すぎです(笑)

「な、さ、さる!?」


見ザル言わザル聞かザル状態になった私が我に返ったのはすぐのこと。

慌ててテレポートで先回りするけど先にいたクリュウ君はびっくり顔。無理もないか。

でもなんで猿!?多分この世界に猿はいない…と思う。しかも馬鹿付きだし!


…納得はいかないけど、まあ一先ず置いといて一つ確信したこと。

クリュウ君は近くに、兄貴さんはちょっと離れたところから走ってきてるけどクリュウ君からは一切の魔力を感じない。

つまり魔は兄貴さんだ!


どうしようさっきはちょっと離れてたからばれずに済んだけど、さすがにこの距離じゃ兄貴さんにばれちゃうかな? 

…兄貴さん、いい人みたいだし、下手に刺激しなければ大丈夫か。


「あの、とにかく返してくれませんか?」


クリュウ君の質問はあえてスルーさせていただくとする。

向こうも返答を期待していないみたいだった。


「馬鹿かお前は。って馬鹿ザル女だったな。俺はお前みたいな馬鹿じゃないから易々と人質を渡すわけねぇだろ。言ってる意味がわかるかー?」


むっかー!かなり馬鹿にされてる!


「わかってますっ!それでも渡してほしいんだから言ってるんじゃない!は、早くしないと痛い目見るよ!?」


半分脅しをしてみる。無効の反応によっては本当にするけど手加減するし、人間相手に軽い暴言くらいなら私は魔力は使わない。


「お前に何が出来んだこのずん胴のまな板。体を上手く隠してるけどお前絶対あるべきところに肉ついてねえだろ」


前言撤回および制裁決定。

というか本人目の前にして言うやつがあるか!

口が悪すぎるにも程がある!確かにシャニアさんとは違って私のはスタイル抜群とは言わないけど、でも平均的にはある。つもり…。

よ、よくも人が気にしていることを!


「…よ、よくも言ったわね!私をず、ず、」

「ずん胴のまな板短足」

「つけたさないでよ!」


これ以上私を怒らせないでよー!魔力が抑えきれなくなってるんだから!

人間に魔力を、それも魔王の魔力をぶつけるのだ。人にあてたことはないけど今私から流れ出てる魔力の量からいって痛いじゃ絶対に済まない。


「……はっ、はっ、ぅ………や、やっと、……っ…………、…………?………………、…………………………………………ぇ………………………?…ぁっ…………ま、まさか……!」


兄貴さんようやくご到着。そしてかなりの時間をかけてやっと私に気づいたご様子。

っていうか私ってそんなに魔力強いのかな?何ていうか…うん。すごく驚いてる。

息も止まっちゃってるんじゃない!?ってくらい。というか怯えてすらいる。

…そんなに、私が怖いのかな…


「兄貴…?どうした?」

「…く、くくくくくくりりクリュウ!こ、こいつ魔の」

「…ぅ、ん~……?」


あ、何とか君が起きた。それにしても美少年の顔は寝顔もカッコいいなぁ。

子どもだから可愛さもプラスしてる。私にはこんなのなかったもん。

この子の寝起き顔はやばいくらい可愛い!

…でも起きる時間じゃないのにうるさく起こされてしまったためかちょこっと不機嫌顔だった。


「…あ、魔王だ」


しばらくぽや~、っとしてたけど焦点があってくると、勇者様たちの所によく着て行く服を見て私が誰かわかったみたい。

ぼんやりしてるところが可愛くて、やっほ~、と手を振ってあげたいとこだけど。

…うわぁ、やっちゃった…。


「…ま、おう、だ?」


うぅ、ばれちゃった…。

……………あれ?そういえばなんで正体隠してたんだっけ?

よくよく考えてみれば私は今顔も髪も体も隠しているんだからばれにくいし、たとえ魔王とばれたとしても周囲に何か言われたり何かされたりする前に、私は何とか君を連れてテレポートすればいいだけの話なんじゃ…?


うかつっ!しししまったぁー…!

うぅ…馬鹿って言われても否定できないよ…。


でもでも、今は時間がない!そうとわかればすぐに動くべし!

…と思ってたけど、兄貴さんがなんか変。ずっと震えて小声でなんか喋ってるから…何か怖い。


「えっと、君、何て名前だっけ?」

「?れいしゅー」


さすがは幼児。警戒はしてるけど素直だから正直に答えてくれる。可愛いなぁ…。


「じゃあレイシュー君。危ないからこっちに」

「う…うわあああぁぁぁぁぁ!!」



ドオオォォォーーーーン!!……



ほうけていたのはほんの数瞬だけ。原因はわからないけど何が起きたのかはすぐにわかった。

魔力の衝撃。


「危ないっ!!」


私は急いで歩いて来てたレイシュー君を引き寄せ魔力のバリアをはる。

ついでに兄弟たち、民家にも。

たぶん人としての心が反射的にそれらを守ろうとして、結果魔王としての大量すぎる魔力が素早くそれらを守れたんだと思う。

残念ながらお野菜たちは半分焼けちゃったけど、私はみんなを守れたからすごく嬉しかった。ごめんね、数々の美味しい野菜達。

まったく、兄貴さんはっ!何てことするの!私がいなかったら大変なことに…



ひゅう…



バリアを解いたために感じる新鮮な風。ちょっと強いけど涼しい風は



パサッ



「あ…」


風は私が隠していたものをさらった。

事情により春まで更新がかなり遅くなります。

それでも一次投稿停止をやめないのは私が書きたいからで…(汗)

それでも読んでくださると嬉しいです。

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