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     ●整理整頓(3)

今回は会話なしです。

え~っと、へ、え~……ぁ…え………。

…し、深呼吸~……、深、呼吸~………、よ、よし!

じょ、情報整理タイム!さいわいあの人たちはのんびり雑談中ですぐに動く感じはしないし!

落ち着いて色々とわかったことを考えよう。



そのいち、彼らは誘拐犯で狙いは勇者様たち。



…まさか私が目撃者になるとは思わなかった。私一般ピープルだし。魔王だけど。

で、彼らが目をつけたのは勇者様の仲間のあの子。…あのれ、れい、…れいなんとか君、いや、ちゃん?とにかくあの幼稚園生みたいな可愛い子。見た目的には…男の子、なのかな?

麻袋みたいなのに顔だけだして包まれているみたいだけど、見た感じただ眠っているだけみたい。ちょっと安心。



そのに、兄貴さんと弟、クリュウ君だったかな?は外見や性格が二人とも全然違う。



…というか兄貴さん、ばれなかったんだ。運がいいとしか言えない。

兄貴さんは背が2メートル以上あって顔がちょっと?怖いんだけど、でも心配性で子供好きな人みたい。あの子を大事そうに抱えてるしね。

それに比べてクリュウ君は顔が幼く私と同じくらいの背丈のくせに言ってることも喋るときの顔も悪人そのもの。口も悪く勇者様たちを馬鹿にした言い方に私はカッチーンときた。


仲間の人たちは話したことがないからわかんないけど少なくとも勇者様は、勇者様は確実にあなたよりも強くて優しくてかっこよくて王子様みたいなんだからね!めんどくさがりだけどかっこいいもん!まったく!


…それにしても、なんだろう?二人のうちのどっちかから多少の魔力を感じる。

多分は私は魔王だからそのことがわかるんだろうけど、どっちかから魔力ってことは片方は魔の者で片方は人間なんだよね。

もっと近づけばどっちが何なのかはわかるんだろうけど、どういうこと?魔の者と人間の兄弟なんて見たことも聞いたこともないよ?それに魔王の私が近くにいながら魔の者が気づかないなんて…。


シャニアさんがよほど魔力の弱い者か少ない者でなければ魔王の存在には絶対に気づく、って言ってたから、多分彼らはそのタイプなんだろうけどこのファグアラネルに弱い、または少ない魔力を持った人なんて滅多にいない。ゼロに近いくらいだ。


魔の物の数はだんだん減ってきているけど、それでも一匹一匹が勇者様が苦戦するくらいとても強いのだ。

…??弱く少ない魔力の魔の者はいないけど現に片方の魔力はそうで…?…よくわからない。



そのさん、勇者様は仲間の人に怒られてしまっている。



うぅ…、ごめんなさい…。

そりゃそうだよね。魔王が近くにいるのに倒さなかったんだもん。

私が謝る必要はないのかもしれないけど好きな人は今、自分がきっかけで怒られているのだ。平気でいられない。


ちなみに勇者様がなぜか私を倒さないのはいつものことだし考えても答えはでないので気にしないようにしている。

遊び相手だとか思われていたりしたら、私を倒すなんて簡単だから今はしないとか思われていたりしたら、すごくいやだ。

…だから知らなくてもいいの。






******






…よし、なんとか整理できたし落ち着いてきた。

それにしても兄貴さんたち、誘拐が成功したからってのんびりしすぎじゃないかな?

私が考えている間、ずっと二人ともゆる~く喋っているけど。

でもさすがにそろそろ移動しちゃうよね。


…どうしよう、か。

さっきも思ったけど私が助けに行くなんて絶対に無理!二人とも強いかもしれないし、なにより怖い!

それに私はたとえ片方が魔の者でも、できるだけ自分の髪を見せたくはない。…すごく、怖いから。


…でもこのまま放っておくなんて出来ないし、ダメ。

身代金目的とはいってもあの子が無事で済むとは限らない。万が一のこともある。


勇者様に伝えようと考え、入り口前にあの兄弟がいるので本人の所にテレポートしようと思ったけど、 私には出来なかった。

あの人が叱られているということはきっと、彼がいる。

彼は以前私が現れた途端に斬りかかってきたことがあった。

それに勇者様が怒られるそもそもの発端は私。今あったりしたら確実にややこしいことになる。


そして周りの人に言ってもきっと助けることはできないし、あの二人も周囲の声でやめるような生半可な覚悟で人攫いなどしないだろう。臆病な兄貴さんは別として。


・・・なんとかしなきゃ。あの子を救えるのは私だけなのだから。

本当は、わかってる。今この時私がするべき最善のことくらい。


私は魔王だけど、でもそれでもやっぱり人間だから。あの子を助けなきゃ私は本物の犯罪者になってしまうし絶対に後悔でずっと苦しむことになる。…いや、そもそも人でない行為だそれは。

…でも怖いから仕方ないじゃない!うぅ…。


それともう一つは確かに私は人間だけど、魔王でもあるからね。

あの魔の者を私の思うとおりにさせなくちゃ!

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