表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼なじみより、好きになれない  作者: 櫻木サヱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/12

真哉が初めて見つける“本物の想い”


ある土曜日の午後、真哉は一人で学校の屋上に立っていた。

春風が吹き抜け、桜の花びらがゆっくり舞い落ちる。空は淡い水色で、どこか切ない色をしていた。


(僕は……今まで何を考えていたんだろう……)


凛音のことは大切だ。ずっと隣にいてほしいと思う。でも、それは恋愛としての想いなのか。

ゆきはといると、自然に笑える自分がいる。でも、彼女に恋をしているのか。


そんな思考がぐるぐると頭を巡る中、ふと、真哉のスマホに凛音からのメッセージが届く。


「今日、少し話したいことがある……屋上に来てくれる?」


胸が少し高鳴る。真哉はすぐに返事を打ち、屋上で待つことにした。


数分後、凛音が屋上に現れる。制服のスカートが風に揺れ、少しだけ不安そうな表情をしている。

「来てくれてありがとう……」


真哉は少し戸惑いながらも、凛音の隣に立つ。

「どうしたの?」

凛音は深呼吸をしてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「私……ずっと思ってたことがある。真哉が誰を選んでも、私はあなたの幸せを願う。でも……やっぱり、私の気持ちも伝えたい」


その言葉に、真哉は胸が締め付けられる。凛音の瞳は真剣で、迷いがない。


「凛音……僕は今まで、君の気持ちに答えられなかった。友達としては大事だって思う。でも恋愛としては……」

言葉を探す真哉の目の前で、凛音は小さく笑った。

「わかってる。でも、私……諦めない」


その瞬間、真哉の心に何かがはっきりと芽生えた。

(ああ……僕が本当に大事に思っているのは……凛音だ……)


真哉は深く息を吸い込み、凛音の手をそっと握る。

「凛音……僕も気づいたんだ。君を、恋愛としても好きだって」


凛音の瞳が大きく開かれる。

「本当に……?」

「うん……本当だ」


屋上に吹く風が二人の間を優しく撫で、桜の花びらが舞い落ちる。

その光景の中で、真哉は初めて自分の本物の想いを自覚した。


その夜、真哉は家に帰る途中、ゆきはのことも考えた。

(彼女には悪いけど……僕の心は、凛音のところにある……)

迷いは消え、胸の奥に静かな決意が生まれた。


翌日、学校で凛音と笑い合う真哉を見て、ゆきはは少しだけ寂しそうに微笑む。

「……わかった、真哉。あなたの幸せを、私も願う」


こうして、三人の関係は一つの形を迎え始めた。友情と恋愛、嫉妬と優しさ。

真哉が初めて見つけた“本物の想い”は、二人の関係を次のステージへ導いていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ