凛音の告白と、真哉の答え
春の陽射しが柔らかく差し込む昼休み、凛音は教室の片隅で弁当を前に手を握りしめていた。心臓がバクバクと音を立てるのが自分でも分かる。
(今日……言わなきゃ……もう、我慢できない……)
真哉はいつも通り、凛音の隣に座る。何気ない会話をしながらも、凛音の目はまっすぐ真哉を見つめていた。
「ねぇ、真哉……ちょっと話、いい?」凛音の声は少し震えている。
真哉は眉を少し寄せながらも、穏やかに頷く。
「もちろん。どうしたの?」
凛音は深呼吸をしてから、言葉を紡ぐ。
「私……ずっと思ってたんだ。真哉のこと……好きなの」
教室のざわめきが遠くに感じられ、時間がゆっくり流れるように思えた。真哉は一瞬言葉を失う。
(やっぱり……凛音は……)
「でも……私だけが好きなのかもしれない……って思うと、怖くて……」
凛音の目に光る涙。真哉は自然と手を伸ばし、そっと凛音の手に触れる。
「凛音……ありがとう。正直に言ってくれて」
凛音は微かに肩を落とす。真哉の表情には複雑な感情が混ざっている。
「でも……僕は……恋愛としては、君を好きになれないんだ」
凛音は息を呑む。胸が痛む。でも、真剣に見つめる真哉の目を見て、逃げずに続ける。
「そう……でも、私は……それでもいい。友達としてじゃなくて、あなたに近づきたいの」
真哉は少し困ったように視線を逸らす。
「凛音……僕は、君を大切に思ってる。友情としては、誰よりも大事だ。でも……恋愛感情としては……」
言葉が途切れる。心の奥で、凛音への想いと、ゆきはへの揺れが交錯する。
その後の放課後、三人で帰ることになった。ゆきはは明るく笑っているが、凛音は心の奥でモヤモヤとした気持ちを抱えていた。
(真哉は……本当に私を恋愛として見ていないんだ……でも、それでも側にいたい……)
帰り道、桜の花びらが舞う中、凛音は小さく呟く。
「私は……諦めない。いつか、真哉の心が私を見てくれる日を、待つ」
真哉はその言葉に少し戸惑う。
(凛音……本当に強いな……でも、この気持ちは……どう整理すればいいんだろう……)
ゆきはもまた、真哉と凛音のやり取りを見て、心の中で何かを感じていた。三人の関係は、ここで確実に動き始めたのだった。




