第十六話 最強勇者と悪魔の王
時は現代に戻る…
『そして俺が自身の新な力に歓喜していると、天から光がさして神々しく発光する女神の奴が現れた。そして女神言った、”勇者と魔王の対決の時…お前はそれまでに成り上がり最も魔王の座に近い場所で主を殺せ…”と…】
それは女神が仕掛けた罠、最悪の存在”終焉の魔王”が誕生したきっかけ…
『なにを…いっている…』
アガリアレプトは理解できなかった、当然最果ても同様理解が追いつかなかった。
『つまりは…勇者が魔王を弱らせその隙に俺が魔王を殺そうとする。そうすると、なっとビックリ。お優しい勇者様が魔王を助けてくれましたとさ。そして二人は恋に落ちて…自身の子を孕み、魔王は責任を取って力を失い。勇者は子を殺すためにその身を捨てる、こうしてやっと最強の魔王の時代は終わりを告げる…】
「つまりこう言うことか…”女神は我を王座から引きずり下ろすために、勇者と恋中にさせ呪われた子を産むように仕向けた”…そう言うことなのか…」
全ての原因は、本来世代交代を行うはずの魔王の王座から変わらない事。
それを理として反した行いだと認識していた女神は、無理やりな方法で魔王の王座を終わらせこの混沌の時代を作り出した。
「だがなぜだ!魔王が世代交代をするのは知っている、勇者に打ち滅ぼされ消滅する定であることも…しかし!我が死なずとも世界は平和であった。我と彼が結ばれ戦争も、魔族と人族との境界も崩れ共存し合っていた!。…なぜその平和ではだめなのだ!」
『それは神のみぞ知るって奴だぜ…女神様だけにな!】
アガリアレプトと最果ての気が散っているうちに、緋色は不滅の背後を取ってその首を摑む。
「な…に…を…」
『俺が魔神になるための力は女神から…そしてその資格を得るために魔王の継承権をお前に移した。魔王に選ばれた者はどれだけ強くても、魔神にはなれないからなぁー!。しかし、今は状況が違う。】
緋色は知っていた、最果の縛りである”魔王との戦いに一切の手出しができない”と言うリスクを…
だからこそこの場で不滅の肉体を奪い取れば、自身より遥か格上の最果てに攻撃される心配がなくなる。
『魔神は、本来魔王の封印に関わらない魔王と同等かそれ以上の力を持つ存在の総称。つまり今から俺は魔神を捨て…【魔王に回帰する…】」
「よせ!」
走り出し摑む緋色を一撃で吹き飛ばした最果て。しかし、すでに時は遅く不滅の体は…
【はぁ~こうしてまた俺は利用される…”自由ってのは難しいなぁ~”。】
魔神であるアガリアレプトは封印を解く行為である魔王討伐に関与できない。
そして最果ての魔王本人もリスクにより関与できない…
こうして緋色は現在、自身より格上を二人も目の前にして不滅を乗っ取ることで安全を得た。
【形成逆転だな~】
緋色が勝ち誇った次の瞬間…
「それはこっちのセリフだぜ!」
真横から飛んできた、蹴りをまともに喰らい不滅の体を乗っ取った緋色が吹き飛ばされる。
【お前…この体が誰の者かわかっいるのか…”波留ノ・シズリ”。】
「不滅のだ…でも不滅は死なないし俺は魔王になら特攻がある。」
退魔の剣は、本来邪悪を払う剣。魔神相手にはまだまだな力だが、魔王となり力の落ちた緋色には…
「効果覿面だぁぁぁ!!!」
そして、本来不滅は不死身。不滅自体が死ぬことはない、だが退魔の剣はより大きな邪悪に反応しそれを殺す。
結果、不滅の体を真っ二つにしたと同時に緋色に走る不穏な感覚。
(これは!)
「退魔の剣で…お前の心を切った。より邪悪である、緋色!…お前だけをなぁ~」
こうして、緋色は消滅を余儀なくされる。
【なぁぁぁ!!!波留ノぉぉぉ!!!波留ノ・シズリぃぃぃ!!!…】
「なんだよ!ノイズが酷くて聞こえねぇーぞターコ。」
【これで終わると思うなよ…お前はぁぁぁ!!!お前がそこにいる魔王と共に歩むなら必ず!…”奴ら”がお前の前に現れる!】
「奴ら?」
【せいぜい苦しみ、あがけ!運命に踊らされ、宿命の果てに…燃え尽きろ。決してお前は妹の元には行けないし、魔王も救えないのだからなぁ~ハッハッハッハッハァァァ!!!】
最後に不穏な言葉を残し、緋色はこれにて完全消滅。
しかし、アガリアレプトは知っていた。これからおそらく波留ノや最果ての前に現れる最悪の名を…
『魔王様』
「なんだ?」
『おそらくこれから、貴方を狙い残り5人の魔神が動き出します。そしておそらくそれは、魔王様やボクを恐れ”魔王を利用して”しかけて来るはずです。』
アガリアレプトの口から語られた衝撃の真実により発覚した次なる強敵の正体は、魔王を従えやってくる魔神。
「なんでもいいよ師匠!つまりあれだろ?、全員ぶっ飛ばすことに変わりはねぇーって話だろ…」
「ふっ!…お前ならそう言ってくれると思っていたぞ…波留ノ…」
魔王と波留ノは、拳を合わせ再び約束を誓う。
「てか!私もいるんですけどー!」
不滅は再生し、アガリアレプトに切り裂かれた肉体と共にはだけた服の代わりをもらい受け二人に合流。
『当然、君もいくのだろう?』
「はい!」
女神側の勇者である、天狼もまた新な仲間として拳を合わせる三人と共に拳を突き出し合わせるのだった。
「それじゃぁ!早速いくとするか…次の魔王の所まで…」
こうして…魔王と勇者の旅は、新たな仲間を加えて続くのだった…。
その頃とある洞窟にて…
『そなたらを呼んだのは他でもない…余に仕え、力を得て…。裏切りの魔王と、それに付き従う勇者を…抹殺するためだ。』
そう高らかに宣言した、和装の女。
「お任せください、”栄光の焔の魔神・ネビロス様”。貴方から受けた、灯の恩は…必ずお返しいたします。」
「恩じゃなくて、怨の間違いだろ。こんな首輪でわしらを縛りやがって…」
「しかしだ獅子の魔王よ…我々に力を与えているのもその首輪…群れるのは好かんが仕方あるまい。」
「そうだぜ獅子王!、そもそもの話。勇者に負けて瀕死状態だった俺らが悪い!、恩を受けたからには返すのが道理だってもんだろ。」
座る王座は四席、不吉な数字に合わせ集められた四人の魔王の正体は一体…
そして魔神、ネビロスとは一体…
次回…
【第二章 魔王旅団編 開幕】