第十二話 機械王!そして高貴なる水…
『誰?あなた…』
「俺か?お前を倒す者だよ。」
『あら、二人そろって威勢だけはいいのね。でも…』
そう言って、声に見合わずごつい装備を付けた機械王はその手を天にかざして…
「世界最大最強之衝撃」
と呼ばれる、史上最強規模の水素爆弾を雨のように降らせてきた。
「マジかよ…」
「わかった?これが奴の能力。《あらゆる武器、兵器を量産、制作する能力》」
「て!解説してる場合かよ。」
波留のは以外に冷静なままの天狼寺を見て、驚き思わずツッコミつつ目の前の出来事への対象を方として…
「マーク2!アーチャー!!!」
退魔ノ弓による矢の射出により、目の前の爆弾を迎え撃つことにした。
『一撃ではありませんよ』
「みりゃーわかる、でも…”俺のは見てもわかんねぇーか?”」
矢とミサイルの衝突の直後、爆風の中から無数の矢が出現し周囲のミサイルに直撃し空中で爆発。
「退魔の力で、爆発による汚染も完全消滅。環境にも優しくいかねぇーとな、今の時代…」
『勇者と言うものは、どいつもこいつも厄介ですわねぇーーー!!!』
続いて魔王は、腕を変形させビームを放つ。
「粒子加速砲…」
放たれた一撃で、辺りが吹き飛び二人の姿が爆風と地球の裏側まで通ずるほどのクレーターにより消える。
「シズリにばっかり、活躍カッコイイとこ持ってかれちゃたまんないねぇー!」
消えた直後に攻撃をするのは、天狼寺。
彼女は勇者の力を、大きな大剣に変えてたたっ斬る。
「無駄だとわからぬか!勇者めぇ!」
しかし機械王もそれに即座に対応、手を銃から盾に変え対応する。
「ロックバスターの時間はもうおわりかい?、んなら…」
即座に背後を取るのは、波留ノ。
二人は行きぴったりの連携で、機械王を圧倒し波留ノの退魔の剣での一撃でついに側が取れて中身があらわになる。
「ゴツイ機械の中に可愛い美少女…ありていだな。」
「うるさいですわ。勇者の力が魔を払うと言う貴方の発想こそありきたりでは?」
「でも勝つぜ」
「どうでしょう…」
機械王の中からは、銀髪ツインテールの少女が出てきた。
そして少女は、背後に展開する形で100個の銃口を展開。
「全方位」
それから放たれた、いくつもの地雷が地面にばらまかれ。
「これで逃げ場は減らした、多連・…”粒子加速砲”」
地面には見えない爆弾、目の前にはよけなければ死に直結するほどの威力を持った光線。
どうする波留ノ、天狼寺。
「俺はグラディエータ―の盾があるが…委員長は?」
「私は平気」
そう言うと、天狼寺は目を青き焔の如く光らせて目の前を見る。
「勇眼」
勇眼、それは…異世界から来た勇者にのみ許された女神の加護の最高地点。
持つ者は勇者の中でもほんの一部、その力の詳細を今彼女と共に語ろう。
1・危機感知
これにより地雷の場所を把握、機械王に接近。
2・超動体視力
これにより光線を見切り、かいくぐってさらに接近。
3・一時的”対象の強化コピー”、これにより対象の加護、異能、技能や経験、体質を…
「”超巨大・粒子加速砲”」
対象より強化されたいわゆる…、上位互換としてコピーできる。
「ただし、使えるのはコピー対象とのエンカウント中のみ。討伐もしくは認識外に行かれれば関係ないわ…」
そう語った彼女の一撃の威力は、機械王程度がせいぜい出せて一宇宙崩壊レベルに対し。
天狼寺は、その数千億倍の三千宇宙を破壊するレベルである。
「まぁー他の星とか、次元とかは置いといて。この星には当たってないわけだし結果オーライでしょ。」
「どうなんだ?それ…」
これにて、機械王撃破。
と、波留ノが喜んでいるのも束の間…
「波留ノ!気負付けて!そいつ…まだ…」
胸をあの威力で貫かれたはずの機械王は、機械の残骸を集め再構築。
しかも…
「倒したことで量産されましたわ。わたくし、破壊されればされるほど強くより厄介に進化しますの…」
「メタルクーラかテメェ―は!」
それでも立ち向かう二人だが、機械王は強くあらゆる火器、兵器を使って二人を追い詰める。
「戦車、ロボット、超巨大戦艦にグレンラガン…わたくしに創造できぬものなどなくってよ…」
すでに、機械の体ははぐれメタルの如くドロドロで物理攻撃が効かない。
勇者の加護ですら、すり抜けるドロドロの無限再生の肉体…どうしたら…
『はいはい、おしまいおしまーい!。ここからは僕ちゃんのショータイムさ…』
そう言い放つハット帽の少年のは一体…
「次から次へと今日はイライラさせられますわ…」
『あら?どうしてだい…』
「邪魔がおおくて!」
機械王が近未来的な加速技術で重力を無効化し、粒子加速の応用で肉体をなんやかんやすることで物理法則では不可能な光を超えた速度で一機に距離をつめる。
『おっと、”おいた”はいけないよ。お嬢さん…』
しかし、ハット帽の彼はそれを一撃で完全消滅させるのだった。
「「あ…」」
『安心して、細胞の一遍まで残してないけど。魂はほら!この通り僕ちゃんが持ってる。』
そう言うハット帽の手の平の上で浮いているのは青い焔、なんとなくだが機械王の叫び声が聞こえる気がする。
『魔王は勇者君が殺さないと、また永劫回帰の果てに復活しちゃうからねぇ~。君に任せるよ、波留ノ・シズリくん…』
「なんで俺の名前を!」
『そりゃしってるさぁ~、逆に僕が知らないことのが少ないと思うよ。この全在宇宙ではね…』
そう語る彼女の名は、高貴なる水の支配者。
彼女曰く、水とは全ての流れの象徴。時間も空間も次元もその他あらゆる理は全て流れを持って存在し、それは人も同様である、
すなわち彼女は最強に近い存在であると言うこと…
「んで、その最強さんがなんでここに?」
『ん?あれあれあれー!魔月神様から聞いて無いのかい?』
魔月神と呼ばれ、当然天狼寺はピンと来ていないが波留ノは遅れて最果てのことだと理解し返事をした。
「最果てなら、はぐれた。前の世界最速王の宇宙でな…」
『なるほど、なら…ほれ!』
アガリアレプトが指パッチンをすると、その場に光の柱が出現。
『次元の狭間の流れをここに繋がるよう改造しておいたし。ビーコンもつけた、魔月神様ならきっと僕のサインに気づいてくれるはずさ。1時間程度はかかるだろうけど…』
「お!サンキュー!ぜんぜん待つぜそんぐらい。」
「それよりだ、アガイアレプトさん。あなたの目的は?そもそもあなたは誰?魔王を一撃で倒した姿を見て只者でないのはわかるのですが…」
アガイアレプトは天狼寺の質問に全て答え、今波留ノ達が置かれている状況までことこまかに説明した。
そもそも誰?:魔王の上位存在にして、最果ての封印に関わらない
巨悪”六人の魔神”。その一体である水の魔神である。
目的:実は魔神の六人は全員、最果ての元部下であったらしい。
しかし、最果てが勇者と婚約したことで組織が分断し今も
その確執が続いていること。それにより勇者達と魔神との
対決が予想されるため、波留ノ達を強くしたいらしい。
『ざっとこんなところかな…ごめんね、小説なのに長い説明シーンばかりで…』
「いえいえ、ん?設定…まぁーいいわ。て言うか最果て?魔月神?魔王の元配下?ってなんのことで…」
「ギク!」
天狼寺の疑問に、ずっと隠してきた波留ノがビビる。
『ん?なんだ話してないのかい?彼は君ら通常の勇者と違って女神でなく。…”魔王に呼び出されてこの世界に来た、勇者なんだよ”。』
「ま…おう…に…よび…だされた?」
天狼寺は、アガイアレプトの発言に困惑し脳がフリーズして言葉がカタコトになる。
そして次の瞬間!
「え?」
「めんご」
天狼寺は波留ノ方を向いて「本当なの?」とうったい掛けると波留ノは腕を前にだして謝るそぶりを見せ「めんご」と謝った。
「えええぇぇぇーーー!!!」
天狼寺の声が周囲に響き渡った。
次回…
『久々だなぁぁぁ!!!アガイパイセン?】
【緋色の悪魔再び!タイムリミットは45分…】