#97 ゲームセンターで寄り道 ☆
「あっ、ゆきあくんお待たせ~」
「お待たせしました、ゆきあくん」
「あっ、香織姉。聖来さんも一緒なんだね」
校門前で待ち合わせていると、香織姉と聖来さんがやってきた。
「今日は聖来ちゃんとゲームセンターで遊ぼうと思ったの。ゆきあくんも一緒に来る?」
「ゲームセンターねぇ…。うん、ぼくもいくよ」
「ありがとう~。よかったね聖来ちゃん」
「はい!」
「よかった?」
「わたし、ゆきあくんと最近遊べてないですから、断られるか心配しちゃったんです…」
「そうだったんだ…。でもぼくなら大丈夫だよ」
「ありがとう、ゆきあくん」
そんなわけでぼくたちはよく遊びにいっているゲームセンターに到着した。
中には色々なゲームの音楽や熱気で溢れている。
「まず、何からやる?」
「エアホッケーやろうかな? 聖来ちゃん、わたしといい?」
「分かりました。わたしも負けませんよ!」
香織姉と聖来さんがエアホッケーで対決した。
「いくよー! えーい」
「わたしもいきますよー。えーい!」
「えーい!」
「えーい!」
2人はずっとラリーを続けている。
…長くなりそうだね。
「えーい…あっ!?」
「ふふっ、隙ありです! えーい!」
長期戦を制したのは、聖来さんだった。
「やった~! わたしが勝ちましたー!」
「あ~あ、負けちゃったな~」
「2人ともすごかったよ…。次は何しよっか?」
「わたし、あれやりたい!」
そう言って、香織姉は指差したものを見ると…
「格ゲー?」
「うん、新しく出来たみたいだから…。ゆきあくん、わたしとやらない?」
「うん、やってみようかな」
ぼくは香織姉と格ゲーをやることになった。
…だけど。
「もう終わった!?」
「うふふ、ごめんなさい。ちょっと本気出し過ぎちゃった♪」
ぼくはなすすべもなくやられた。
そのまま2回戦が始まった。
「え、えっとこうすれば…」
「とどめだよ、ゆきあくん。えーい!」
いけるかもと思ったけど、やっぱり負けてしまった。
「負けた~。やっぱり香織姉は強いね…」
「ゆきあくんってばありがとう~」
「次は何しましょうか?」
「ぼく、クレーンゲームやりたいけど、いいかな?」
ぼくは2人にそう提案した。
「クレーンゲームね。うん、いいよ~」
「わたしも賛成です!」
というわけで、ぼくたちはクレーンゲームのある場所に移動する。
いろいろなぬいぐるみとかフィギュアがあった。
「あっ、わたしこれ欲しい~」
「かわいいですね」
香織姉が指差したのは、あるキャラクターのぬいぐるみだった。
「これ最近流行ってるキャラクター?」
「うん、わたしが好きなキャラクターだよ~」
「えっ、そうなんだ…」
「どうしたのゆきあくん?」
「ううん、なんでもないよ。じゃあぼく取ってみるね」
ぼくは100円玉を入れて、クレーンを動かし始めた。
狙うのは、香織姉が欲しがっているキャラクターのぬいぐるみ。
チャンスは3回あったけど、1回目はつかめず、2回目はつかめたけど、途中で落ちてしまった。
残すところ後1回。
2人ともじっと、ぼくの手元とクレーンを交互に眺めている。
もう1度、ぬいぐるみをつかむことが出来た。
「落ちないで…」
そのまま横に移動し始めて、ぬいぐるみは見事ゲットすることが出来た。
「やりましたね、ゆきあくん!」
「香織姉。はい」
ぼくはぬいぐるみを香織姉に手渡した。
「ありがとう、ゆきあくん!」
香織姉は受け取って、ぬいぐるみにすりすりする。
「かわいい~」
「…香織姉。ぼくとどっちがかわいい?」
「えっ? どうしたのゆきあくん?」
「…あっ、なんでもないよ! 気にしないで」
ぼくがそう誤魔化そうとしたけど、聖来さんは気づいたかのように言った。
「ゆきあくん、もしかしてぬいぐるみにやきもちやいてたんじゃないですか?」
「ふぇ!?」
「香織ちゃんが好きとかかわいいって言ったとき、ゆきあくん少し複雑そうな顔してましたよね」
「そ、そういうわけじゃ…」
聖来さんにそう言われて、ぼくは思わずうつむいた。
「そうなんだ~。うふっ、ゆきあくん、わたしにやきもちやいたんだ~。かわいい~」
「や、やめてよ…」
「わたしはゆきあくんの方がかわいいし、好きだよ♪」
「…!? あ、ありがとう…」
ぼくはそれを聞いて、思わず笑顔になった。
「もうゆきあくんってば嬉しがっちゃって~。このこの~」
「わたしもゆきあくんにいたずらしちゃいますよ~。え~い」
「う~ん」
ぼくは香織姉と聖来さん、2人に指でほっぺをつっつかれたのであった。
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