#96 シスターサイクリング ♡
「ゆきあくん、見て見て~」
「なに?」
「じゃーん!」
わたしはゆきあくんにあるものを見せた。
「憧れの自転車を買ったよ~」
「香織姉、自転車デビューだね~」
「うん!」
そう、わたし…香織は自転車に乗ることにしました♪
「それでゆきあくんに練習に付き合ってほしいの」
「えっ、どうしてぼく?」
「わたし、自転車に乗ったことないから、ゆきあくんに見ててほしいの…」
「いや、でもぼくも乗ったことないよ?」
「ううん、それでもいいの。わたしが乗るところを見てて…」
「うん、それならいいけど…」
「ありがとう♪ そのうち、ウィリーやドリフト覚えるからね」
「そういうの、どこで覚えたの!?」
わたしはゆきあくんと一緒に河原に行って、自転車の練習を始めました。
「うふふ、どうゆきあくん?」
「すごいね…。もうすっかり乗れるようになってる…!」
「やってみたら、意外と簡単だったよ~。ゆきあくんも乗ってみる?」
「えっ、でもいいのかな?」
「2人乗りして大丈夫な自転車だから♪ お願い♪」
「う、うんじゃあ乗ってみるよ」
そんなわけでゆきあくんをわたしの自転車に乗せてあげた。
「う、うわぁ乗るだけでも怖いね…」
「じゃあスピード出すよ~。わたしにつかまっててね」
「うん…」
わたしはゆきあくんにそう言って、自転車をこいだ。
「ゆきあくん、気持ちいい?」
「うん、気持ちいいよ」
「良かった~」
そんなとき、目の前にある女の子が急いで走っていた。
「急がなきゃ!」
「あれ、風花ちゃん?」
「あっ、香織、ゆきあくん!」
「そんなに急いでどうしたの?」
「スーパーで春花と待ち合わせてる約束だったんだけど、遅れちゃったの…」
「じゃあ後ろ乗ってく?」
「えっ!?」
「到着ー」
「春花、お待たせ~」
わたしたちはスーパーにたどり着いて、春花ちゃんと遭遇した。
「あっ、風花。あれ、香織ちゃんとゆきあくんも一緒だったの?」
「うん、香織に自転車乗せてもらったの。だけど、3人で乗れないし、ゆきあくん置いていけないからあまりスピード出さなかったらちょっと遅れちゃった」
「うっ、ごめん風花さん…」
「あっ、ゆきあくんは悪くないから大丈夫よ。香織もありがとね」
「どういたしまして~」
「それにしてもかわいい自転車ね~」
春花ちゃんは目をキラキラしながら見つめていた。
「懐かしいわ~。昔、風花の練習に付き合ったっけ」
「そういえばそんなことあったわね」
「でも、風花ってばずっとわたしにはなさないでねって泣きながらお願いしてたよね。うふふ、かわいかったわ~」
「ちょっとやめてよ、春花!?」
春花ちゃんが面白そうに言ってて、風花ちゃんは顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
「じゃあわたしたち、家に戻るね」
「うん、また明日ー」
「今日はありがとー」
2人と別れて、わたしたちは自転車に乗りながら、家へと帰っていった。
「この短時間ですっかり乗りこなせてるね」
「うん、風が気持ちよくてどこまでも走れそうだなぁ~」
「そうかもね」
「そうだ! ゆきあくんに見せたい技があるの」
「えっ、何?」
「ほら、ちゃんとつかまってないと危ないよー」
わたしは試しにと自転車ごとジャンプをした。
「えーい!」
「えっ? ひゃあ!?」
「バニーホップだよ~。ほらもう1回いくよ~」
わたしはもう1回バニーホップをした。
「ジャーンプ♪」
「うわぁ、香織姉もうやめて!」
「もしかして怖い?」
わたしがそう聞くと、ゆきあくんは首を何回も縦に振った。
「分かった。やめておくよ」
「うん、ありがとう…」
ゆきあくんが怖がっていたので、やめることにした。
「うふふ、自転車こぐの気持ちよかった~」
「それなら良かった…」
「お天気のいい日にみんなでサイクリング行きたいねー」
「ぼくは香織姉と一緒に乗る感じかな?」
「ゆきあくんがいいならわたしはそうしたいけどどうかな?」
「ぼくは全然いいよ~」
「やった~♪ 約束だよ~」
「うん」
翌日になり、いつも通りわたしはゆきあくんと登校した。
「そういえば香織姉、自転車乗らないの?」
「自転車?」
「うん、うちの学校、自転車登校出来るからそうすればよかったのに」
「うん、それもいいんだけどね…」
わたしはゆきあくんの目を見つめながらこう言った。
「わたしはゆきあくんとこうして一緒に歩いていたいから♪」
「…!? そ、そうなんだ…。ありがとう…」
「ゆきあくん、照れててかわいい~。じゃあ明日は、一緒に自転車登校しよっか?」
「うん、そうする」
「わたしとの約束だよ、ゆきあくん~」
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