#77 ふゆかも頼られたい ☆
「ねえ、このプリントってクラス委員に渡せばいいんだよね?」
「うん、そうよ心音。はい」
「うん、じゃあはいなつきちゃん。よろしくねー」
「うん」
「えっ!?」
「ねえ、このプリントなんだけど」
「はい! あたしが集めてるわ!」
「え…」
「どうしたの心愛?」
「はい、なつきちゃんよろしく」
「あっ、うん」
「え~!?」
うちのクラスはクラス委員が2人いて、ふゆかさんとなつきさんがやっている。
だけど、今のようにみんななつきさんを頼って、ふゆかさんは全くと言っていいほど頼られていない。
「なんでみんななつきにばっかり頼るのよ! あたしだってクラス委員なのに!」
「仕方ないよー。だってふゆかちゃん前にみんなから集めたプリント無くして書き直しになったから」
「うっ…。確かにそうだけど…。あー、あたしもみんなから頼りにされて尊敬されたいなー」
「わたしはふゆかちゃんのこと頼りにしてるし尊敬してるよ…」
「もう、なつきはあたしがいないとダメなんだから~」
…逆じゃないの?
そう思ったけど、ぼくもプリント出しに行った。
「ふゆかさん」
「うん、なにゆきあくん?」
「プリントなんだけど、お願い出来るかな?」
「―!? いいわよ! ありがとう、ゆきあくん!」
ふゆかさんはぼくのプリントを受け取った。
「ゆきあくん、優しいね。いつもふゆかちゃんに頼ってあげて」
「う、うん。なんだかほっとけなくて…」
ぼくはなつきさんにそう説明した。
「そういえばゆきあくんはいつも香織さんにお世話されてるよね? どんな感じなの?」
ふゆかさんがぼくにそう聞いてきた。
「ぼくが香織姉にお世話されてること?」
「うん」
「香織姉はいつもご飯作ってくれたり、一緒に遊んだり、時々ぎゅっとしたり、後はまあいろいろ…」
「いろいろってお仕置き?」
「ふぇ!? ち、違うから…! 香織姉がいつも自分からやることだから! そりゃ、まあぼくから頼むこともあるけど…」
「ゆきあくん、恥ずかしがっちゃってかわいいー!」
「や、やめてよ…!」
ぼくはふゆかさんにからかわれて、顔が真っ赤になった。
「ふふっ、ゆきあくんかわいい…」
「なつきさんまで!?」
なつきさんにまでそう言われて、ぼくはますます恥ずかしくなった。
「あっ、そうだ。あたしもゆきあくんのお世話やってみよう!」
「えっ?」
「ゆきあくん頼ってくれるから、あたしがお世話してあげるね!」
「例えば何するの?」
「料理ー…は出来ないから置いといて、一緒に遊んであげるわよ!」
「そう? じゃあ放課後、家に来て遊ばない?」
ぼくはそうお願いしてみた。
「うん、行く行く! ゆきあくん家に行くのも久しぶりね~。香織さんとも会いたいわ~」
「それが香織姉は今日用事で遅くなるみたいだから、ぼく1人なんだ。心愛さんと心音さんも用事があって遊べないみたいだから…」
「そうなんだ~。ゆきあくん、1人ぼっちがさみしいからわたしを誘ったんだね」
「えっ!? う、うんそういうこと…」
ぼくはまたしても恥ずかしくなった。
「なつきも来るよね? 一緒に遊びましょう!」
「う、うん…。いいかな、ゆきあくん?」
「うん、なつきさんがいいなら…」
「ありがとう」
放課後、ふゆかさんとなつきさんと家で遊ぶことになった。
「香織さん、いつ頃帰ってくるのかな?」
「分からないけど、早くても1時間くらいかな?」
家に到着して、ぼくは今、ふゆかさんとなつきさんとゲームをしている。
やっているのは、バトルゲームで、チーム戦をしていた。
ぼくら3人とも同じチームで行っている。
「うわぁ、この敵強いね…。やられそう…」
「わたしも…」
ぼくとふゆかさんが苦戦しているなか、ふゆかさんが
「2人とも安心して! わたしに任せてね!」
と、ふゆかさんがリードしていた。
「ほら、こうして、こうすればいけるわよ!」
ふゆかさんのアドバイス通りにすると、何とかクリア出来た。
「クリア出来た~」
「ふゆかちゃんのおかげだよ~」
「えへへ、ありがとう」
ふゆかさんは嬉しそうな顔をしているのを見て、あることに気づいた。
「ーそういえばぼくもなつきさんも自然とふゆかさんを頼ったね」
「あっ、本当だ! あたし、頼られた!?」
「ふゆかちゃんはゲーム上手だからね」
「そっか、ゲームなら人から頼られるのねー。ゆきあくん、ありがとう!」
「う、うん…。ふゆかさんが満足出来て良かったよ」
ぼくはふゆかさんにそう言った。
「ただいまー」
そんなとき、香織姉が帰ってきた。
「あっ、おかえり香織姉」
「あっ、香織さん久しぶりー!」
「お邪魔してます」
「あれ、ふゆかちゃんとなつきちゃん、遊びに来てくれたんだー」
香織姉は2人に気づいて、そう言った。
「ええ、あたしたち久しぶりに香織さんとお話ししたかったから」
「それにゆきあくん、1人ぼっちでさみしかったみたいで、わたしたちを誘ったんです」
「そうなんだ~。ゆきあくん、良かったねー」
「か、からかわないでよー…」
ぼくは今日だけでもいっぱい恥ずかしい目にあっていた。
「わたしも一緒に遊んでいいかな?」
「うん、ありがとう香織さん!」
「香織さん、ふゆかちゃんはゲーム上手なんですよ。わたしもゆきあくんも頼りにしてもらえました」
「そうなんだ~。わたしもお願いしようかな~」
「任せて!」
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