#66 葵さんと神経衰弱 ☆♡
前半は香織視点、後半はゆきあ視点です。
「ただいまー」
「おかえり~」
今日、わたしは用事があって先に帰ったので、ゆきあくんは誰かと一緒に帰ることになった。
わたしがお出迎えしにいくと、葵ちゃんが一緒だった。
「あっ、葵ちゃん。来てくれたんだ~」
「はい、ゆきあくん1人ぼっちが苦手みたいなので、わたしが一緒につくことになりました」
「ごめんね葵さん。面倒かけちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ。むしろゆきあくんと2人で帰れて嬉しいです!」
ゆきあくんが葵ちゃんに申し訳なさそうにしてたけど、葵ちゃんは上機嫌だった。
「せっかく来てくれたから家に泊まる?」
「いいんですか!?」
「うん、明日は休みだし。葵ちゃんさえよければだけど」
「はい、お邪魔します!」
というわけで、葵ちゃんは家に泊まることになった。
「何して遊びましょうか?」
「この辺に確か…。あったあった」
わたしが取りだしたのはトランプです。
「これで2人で遊んでてね」
「あれ、香織姉はやらないの?」
「わたしは、旅館のお手伝いしなきゃだから。ごめんなさい。終わったら一緒に遊べるから」
「うん、分かったよ」
そう言って、わたしは部屋を出て行った。
**********************
「行っちゃったね」
香織姉が部屋を出て行ってしまい、ぼくと葵さんの2人で残っている。
「ゆきあくん、トランプで何しましょうか?」
「葵さんは何がいいかな?」
「大富豪はどうでしょうか? トランプゲームの中でも面白いですよ~」
「…でも、2人じゃ出来ないよね?」
「あっ、そうでしたね! じゃババ抜きで…」
「それは出来るけど、盛り上がらなそうだね…」
「そうですね。じゃあ神経衰弱しましょうか?」
「うん、そうだね」
というわけで、葵さんと神経衰弱することになった。
「じゃあじゃんけん勝ったからぼくからだね」
「はい!」
早速始めたのだがー
「ここと、こことー…、やったー、また揃いました~」
「葵さん、記憶力やばくない!?」
葵さんがほとんどペアを揃えていて、ぼくは惨敗だった…。
「そういえば葵さん、成績優秀だったね~」
「それほどでもないですよ~」
でもこれじゃ勝負にならないな…。
「じゃあ、もう神経衰弱はやめようか…」
「えっ、わたしもうちょっとやりたいです…! 楽しかったです…!」
「えっ、いいけど…」
「ありがとうございます!」
まあ、あと5回は負けてもいいかな…。
負けるの前提になっちゃってるけど…。
「あっ、ゆきあくん、罰ゲームいいですか?」
「罰ゲーム?」
「はい、わたしが勝ったので、ゆきあくんをビンタしていいですか?」
「えっ!?」
ちょっと待って、罰ゲームなんて聞いてないんだけど!?
それにぼくがずっと罰ゲーム受けるようなもんだよね…!?
「あっ、いやならやめますけど…」
「いや良いよ。ぼくは受け入れるから」
でもぼくは承諾した。
「良いんですか!? じゃあいきますよ~」
そう言って、葵さんはぼくをビンタした。
「えーい!」
パシィン!
「うふふ、どうでしたか?」
「うん、少し気持ち良かったよ…」
「ありがとうございます。もう1回やりましょう!」
「う、うん…」
それから、何度か神経衰弱をしたのだがー
「ゆきあくん、ほっぺすりすりです~」
「う~ん」
「ゆきあくん、踏まれて気持ちいいですか? うりうり~」
「ちょっとね…」
「ゆきあくん、もふもふします!」
「ふわぁー!」
見事に負け続けた。
「…もうやめますか?」
「も、もう1戦やろう!」
「あ、はい」
もう1回だけやったのだけどー
「こことここ、わーい、また勝ちましたー!」
「結局5連敗か~。葵さん、強いな~」
「あっ、わたしとしたことが、イジメ過ぎちゃいましたね…。ゆきあくん、ごめんなさい」
「大丈夫だよ。葵さんが楽しければそれでいいよ」
「ふふっ、ゆきあくん優しいですね」
「それで、次の罰ゲームは?」
「はい、わたし、ゆきあくんをペロペロしたいです…」
ここでそれ来るか~。
「うん、良いよ…。少し恥ずかしいけど…」
「ありがとうございます。じゃあいきますよ」
葵さんは顔を赤くしながら、ぼくのほっぺをペロっとなめた。
「ひゃん!」
「うふふ、ごめんなさい、ゆきあくん」
それからしばらく、葵さんはペロペロとなめたらー
「葵ちゃん、そろそろご飯…、葵ちゃん!?」
香織姉がやってきた。
「か、香織さん!?」
香織姉は、ぼくをペロペロしている葵さんを見て、びっくりしている。
「うふふ、葵ちゃんってば、ゆきあくんにそんなことしたんだ~」
「ごめんなさい。ゆきあくんがかわいくて、ついいじめちゃいました。香織さん、許してください」
葵さんは微笑んでいるけど少し申し訳なさそうに、香織姉に謝った。
「大丈夫だよ、葵ちゃん。わたしも普段やってるから気にすることないよー」
「香織さん…」
「それにゆきあくんにも許可もらったんだよね~。だったら、問題ないよー」
そう言いながら香織姉は微笑んでいた。
「ありがとうございます!」
葵さんはぱっと明るい顔になると、香織姉の胸に飛び込んだ。
「…じゃあ、今度は2人でゆきあくんを」
「そうだね~。んじゃ、次はゆきあくんを一緒にいじめちゃおう」
「えっ?」
目をキラキラさせた葵さんと香織姉。
逃げる隙を与えてくれないまま、香織姉にそっと床に倒され、上に乗られ、一切の抵抗が出来なくなってしまう。
「ゆきあくん…。わたしもいじめたくなっちゃったから、ごめんなさい♡」
「は、はい~」
そして、葵さんはぼくの顔を優しく踏み潰した。
「ゆきあくん…。ごめんなさい、わたし、ドSになっちゃいました。これからもお願いしますね、ゆきあくん…?」
葵さんは小悪魔な笑顔でぼくを見下ろしていた。
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