#4 夕食の買いだしとアイスの食べさせあいっこ ☆
今回はゆきあ視点です。
「はぁはぁ…。香織姉ってばドSすぎるよ…」
「うふふ、そういうゆきあくんもドMだよね♪」
何とか両親には内緒でいてくれたけど、あの写真は残すみたい。
うぅ~、黒歴史が一個増えたよ~…。
「ゆきあくん、今から夕食買いに行くけど一緒に来る?」
「うん、そうする…。はぁはぁ…」
「もうゆきあくんってば疲れすぎだよー」
ぼくたちは、夕飯の買い物に行くことにした。
しばらく歩いた後、香織姉がぼくに訪ねてきた。
「ねえ、ゆきあくん…。お願いがあるんだけど…。」
「どうしたの、香織姉?」
「わたしと手をつないでくれませんか…?」
「へっ!? いいけどどうして?」
「前みたいにゆきあくんと手をつなぎたくなかったら…。ダメかな…?」
香織姉がうるうるしながらこちらを見つめてきた。
その顔は反則だよ…!
そんなふうにされたら、断れないよ…。
「うん、良いよ…」
「本当に? やったー♪」
ドキッ!
香織姉が喜んでるのかわいいよ…!
思わずドキッとしちゃった…。
「うふふ、ゆきあくんの手あったかーい♪」
香織姉が上機嫌でぼくの手をつないだ。
ぼくの少し前で、ぼくの手を引いて歩いている感じだ。
そういえば小さい頃は、いつもこうして、香織姉に手を引かれながら歩いていたなー。
その頃から香織姉はとても優しくて、ぼくのことを大切にしてくれてたなー。
でも怒るとちょっと怖いけどね…。
昔から香織姉には、頭が上がらないんだよね。
そんなこんなでスーパーに着いた。
「ねえ、ゆきあくん。今日の夕食は何が良い?」
「う~ん、そうだね…」
「今日は、ゆきあくんの好きなカレーにしよっか」
「カレー!? やったー♪」
「うふっ、ゆきあくんってば、喜びすぎだよ」
「…あっ、ごめん! 香織姉のカレーおいしいから…」
ぼくはつい喜んでしまったことに恥ずかしくなっていた。
香織姉は料理を作るのが上手で、カレーやハンバーグなどはファミレスのを超えるくらいおいしい。
流石に大袈裟かな…(苦笑)
「え~と買うものは、ルー、豚肉、にんじん、じゃがいも、たまねぎでいいかな?」
「…!? う、うん…」
香織姉はショッピングカートに食材を入れてるけど、ぼくはすかさずたまねぎを取り出した。
「あれ、ゆきあくんたまねぎ持ってどこいくの?」
「ギクッ!」
「うふっ、ゆきあくんってば相変わらずたまねぎ苦手だよねー」
そう恥ずかしながら、ぼくはたまねぎやねぎ系が大の苦手である。
「他の野菜は食べれるんだけどね…。たまねぎだけはどうしても食べれないんだよ…」
「うふふ、別に大丈夫だよ」
「本当に?」
「うん、ゆきあくんのためにカレー作るんだから。それにゆきあくんに無理させたくないしね。わたしはゆきあくんのお姉ちゃんなんだから、ゆきあくんに喜んでほしいの」
「うん…。ありがとう香織姉」
香織姉が優しくて思わず香織姉に抱きついた。
「もうゆきあくんってば甘えん坊さんなんだから♪」
それから二人で、スーパーの中で買い物をした。
買い物が済んだ帰り道、見たこともない店があった。
「あれなに? アイス屋さん?」
「この前新しく出来たみたいだね」
「うわー美味しそう」
「良かったら食べる?」
「えっ、いいの!?」
「ゲームのとき、ゆきあくん食べたそうにしてたから」
「でもぼくが勝ったわけじゃないのにいいの?」
「弟を喜ばせるのがお姉ちゃんの役目だから、わたしに任せて」
「香織姉ありがとう!」
「もうゆきあくんったら、かわいいんだから♪」
そんなわけで香織姉が並んでいる間、ぼくは近くのベンチで待っている。
それからしばらくして香織姉が戻ってきた。
「お待たせ~ゆきあくん。ほら、ゆきあくんの好きなバニラアイスだよ」
「うわぁ、ありがとう香織姉!」
「うふっ、どういたしまして♪」
ぼくはバニラアイスをパクっと頬張った。
「これすごいおいしい! 今までのアイスで一番濃厚かも!」
「うふっ、良かったね♪ じゃあわたしも」
香織姉はストロベリーアイスにしており、パクっと食べる。
「本当だ~ストロベリーも濃厚でおいしい! でも全部一人で食べるのもったいないな…。そうだ…! ゆきあくんも食べる?」
「えっ…!? ま、またあーん?」
「うん♪ ゆきあくんにもストロベリー食べさせたいの♪」
「でも周りも見てるから恥ずかしいよ…」
「わたしは気にしないから大丈夫だよ」
「ぼくが気にするから…。で、でもせっかく香織姉が食べさせてくれるからいいよ…」
「ありがとう、ゆきあくん♪ はい、あーん♪」
「あ、あーん…」
「どう、美味しい?」
「う、うん…。美味しいよ」
「良かった~。じゃあわたしにも」
「えっ!? ぼくもあーん!?」
「わたしもゆきあくんの食べたいもん。あーん♪」
「わ、分かったよ…。あ、あーん…」
パクっ!
「うふっ、美味しいよ♪」
「良かった…」
そんなこんなでぼくたちはアイスを食べて満喫したのだった。
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