#1 優しくてかわいい姉弟 ☆
初投稿です。
よろしくお願いします。
ある日の朝。
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
鳴りつづけるアラームに反応し、目が覚めて止める。
しかしまだ充分に目覚め切っていない状態であり、睡魔に負けてまた布団の中に戻ってしまった。
「むにゃ、むにゃ」
そうやって、布団の中でまどろんでいるとパタ、パタと足音が聞こえた。
次の瞬間、部屋のドアが開くと同時に、
「ほら、ゆきあくん、朝だよ、起きなさい」
姉さんの声が聞こえて来た。
「ご飯できたよ。早く起きなさい」
そして、ユサユサとぼくを揺すりだした。
「んー、後5分…」
ぼくは寝ながら言う。
しばらくぼくを揺すって、それでもぼくが起きないと見るや。
「もうゆきあくんってば、起きないと、くすぐるよ」
そう言いながら、姉さんが手をぼの布団の中に入れ、ぼくをくすぐり始めた。
「えいっ」
「うひゃ! く、くすぐったい!」
ぼくはあまりにもくすぐったくて思わず声を出して笑ってしまった。
「うふふ、ゆきあくん、これでも起きないならまだくすぐっちゃうよ♪」
「分かった! 起きる、起きるから、止めて、お願い…!」
そんな、くすぐったさに耐えきれずに、ぼくは、姉さんにそう懇願した。
「はーい、やめます」
くすぐられて、息が荒くなりながら起きると、水色の髪をポニーテールにして腰まで伸ばし、優しくてかわいい顔の美少女が目の前にいた。
この人が、ぼくの姉さん、香織姉である。
「もう香織姉ってば、朝からやめてよー」
「うふふ、ゆきあくんが起きないのがいけないんだよ♪」
香織姉が、ぼくの頭を撫でながら微笑んでそう言った。
それから香織姉が、ぼくのほっぺに右手を当てると、突然、姉さんの顔が近付いてきて。
「チュッ♡」
「ひゃっ!?」
とぼくのおでこに、キスをした。
それにぼくもびっくりしてしまった。
「うふっ、目覚めのキスだよ」
舌をペロっと出しながら、香織姉がそう言った。
「ゆきあくん、びっくりしててかわいい…」
「もう香織姉ってば不意打ちすぎるよ…」
「うふふ、ごめんなさい♡ それよりも、ご飯出来たから下に行こう~」
「うん」
誤魔化す様に、そう言い、ぼくは香織姉と一緒に一階へと降りて行った。
遅くなったがぼくたちの自己紹介をしよう。
ぼくの名前は、水瀬ゆきあ。
今年で小学5年生になる。
自分で言うのもあれだけど、見た目と身長のせいでまわりからはよくかわいいと言われている。
かわいいと言われるのは正直嬉しいけど、男としてみてもらえてないんだよね…。
はははっ…。
そして、ぼくの姉の水瀬香織。
今年で高校1年になる。
ぼくは姉さんのことは香織姉と呼んでいる。
香織姉は、優しくて可愛い上に、成績優秀で才色兼備と弱点らしい弱点がない。
そんな香織姉もぼくのことを「ゆきあくん」と呼んでくれ、とても可愛がってもらっている。
少しやりすぎな気もするけどね…。
また、身長がとても高い。
…あと胸も。
そして、ぼくたちは一階に降り、キッチンに向かう。
テーブルには、2人分の朝食が置かれている。
朝食は、ご飯、味噌汁、目玉焼き、ベーコン、漬物と我が家定番のメニューである。
「そういえばお父さんとお母さんは?」
「パパとママはまだ寝てるよ。よっぽど疲れてるみたいだね」
「そっか、昨日は大忙しだったからね」
「そうだね。うふふ、ゆきあくん、わたしたち二人っきりだね♡」
「!? そういうのやめてってば…」
「もう、ゆきあくんってばかわいい…」
香織姉はからかいながらもそう言う。
「香織姉って、いつもぼくのこと、かわいいっていうけどそんなにかな~?」
「だってゆきあくん、顔もしぐさも女の子みたいでかわいいんだもん♡」
「!? ぼ、ぼくは男だよ…!」
「うふっ、わたしよりもかわいいのに~」
ぼくは生まれつきから身長が低くて、女の子みたいな顔をしているので、同級生たちからもすっかり女の子扱いされてしまっている(泣)。
世間では男の娘と言われてるみたい?
ちなみに、ぼくたちの実家は旅館である。
普段は、両親が営んでいるが、たまにぼくと香織姉も営むこともある。
昨日の疲れで、両親はまだ寝ているのである。
そんなわけで、香織姉と2人でいることが多い。
「ゆきあくん、オレンジにする?」
「うん、そうする」
「はい、オレンジ」
「ありがとう」
香織姉が、ぼくにオレンジジュースを渡してくれた。
「じゃあ、そろそろ…」
『いただきます!』
ぼくたちは朝食を食べ始めた。
「ゆきあくん、どう?」
「うん、やっぱり、香織姉の料理はとっても美味しいよ」
「うふっ、ありがとう。ゆきあくんも喜んでくれてわたしも嬉しいよ♪」
朝食はいつもこんな感じで和やかである。
朝食を食べ終わると、ぼくと香織姉で、2人分の食器を洗った。
「ゆきあくん、いつもありがとう」
「これぐらい大したことないよ」
そんな香織姉が、ふとぼくの方を向いて。
「ゆきあくん、ほっぺに、醬油が付いているよ」
「えっ?」
「もーっ、わたしがティッシュで拭いてあげるから」
「ごめん、ありがとう」
そう言うとティッシュを取り出したが、
「じっとしててね、今からなめてあげるから♪」
「うん…。ん!?」
ペロッ。
「ひゃっ!?」
香織姉の顔が近づき、なんと香織姉はぼくのほっぺをなめた。
「うふふ、もう取れたよ♡」
そう言いながら、香織姉はペロっと舌を出した。
「あれ~、どうしたのゆきあくん? 顔真っ赤だよー?」
「ティ、ティッシュで拭くんじゃなかったの!? 何でなめたの!?」
「えっ? わたしいつもゆきあくんのことなめてキレイにしてあげてるじゃん」
「へっ?」
ぼくは気が抜けたかのように答えた。
確かにそうだけど、ティッシュで拭くっていうからそうするのかと思っていたのに…。
「あ、ありがと…」
「うふふ、どういたしまして」
「ふぅ~…。香織姉って、天然だよね…」
「ゆーきーあーくーん? 今なんて言いましたかー?」
「えっ!? い、いや香織姉が天然だって言っただけで…」
「もうゆきあくんってば、わたしのこと天然っていいましたね? わたしは天然じゃないですよー?」
「違うの!?」
「わたしは自分のこと天然だって思ったことないですよー?」
「天然の人はみんなそう言わない!?」
「そんなゆきあくんにお仕置きで~す。もっとペロペロしちゃいま~す」
「わあー! ごめん、許して!」
「絶対許しませ~ん♡ うふふ、ゆきあくんはわたしに逆らえないですね♪」
ぼくは香織姉に好き放題ペロペロされてしまうのだった。
この作品を読んでいただきありがとうございます!
これからもつたない文章ですが、よろしくお願いします!