に く へ ん
タイトルと画面の色で分かると思いますが、ホラーです。
ある日の学校帰りのこと。バスを降りて家へと向かって歩いていると、道の端に何かが落ちていた。近づいて見てみると、私は小さく悲鳴を上げた。
肉片だ。
手のひらに乗るくらいの血塗れの肉片が落ちていた。肉片だけだから、何の生物の一部かなんてわからない。
「もしかして人間…いやまさかね」
気味が悪くて、その肉片から離れようとした─その時。
ぐちゅ…
「…へ?」
肉片が、動いた。肉片はグネグネとまるで芋虫のようにうねる。うねりながら、私の方に向かってきた。
「キャアアアアアアアアア!!!!」
私は怖くなって、悲鳴を上げながら走ってその肉片から離れた。
「ハァ、ハァ、ハァ…何なのよあれ?気持ち悪い…」
全速力で家まで走り、勢いよく家に入り鍵を閉めた。
「…登下校の時遠回りになっちゃうけど、しばらくあの道通らないでおこう…」
そう独り言をいいながら自分の部屋に入り、制服のスカートを脱ごうとした時だった。
ヌチャッ…
左の太ももに、生暖かい液体のようなものを感じた。というか、スカートの左ポケットに何か入ってる感じがした。
「な、何?何か入れてたっけ?てか、スカートのポケットなんて使わないけどな…」
私は恐る恐る、スカートのポケットに手を入れた。
すると。
ぐちゅ…
「ひっ!」
手に、ぬるぬるとした柔らかい何かが触れた。微かに、それが動いているような気がした。
その柔らかいものを握り、恐る恐るそれをポケットから取り出すと────
「キャアアアアアアアアアアアアア!!」
先ほどの道に落ちていた肉片が、私のポケットから出てきたのだった…