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Melt:world〜元ブラック勤務の私が気づかず世界を救っちゃう〜  作者: 江野のき
第一章 世界の変革
6/10

6.実験

 いつもと同じ朝の5時に目覚め、テキトーに朝食を済ませた。


「よし!!早速実験に取り掛かろう!!」


 そうつぶやいて私は洗面所にやってきた。


 いつもは起きてすぐにやることを実験のためにやらなかったのだ。

 それは寝癖直し!!やっぱり梳かす(と  )といったら髪だよね!!


「ということで早速、髪を梳かすイメージでスキル【融解(EX)】!!!」


 するとみるみるうちに髪の毛が整ってきた!いつもなら十五分くらいかけてやっと直る私の髪が一瞬で整ってしまった。


「おお!!これは便利だな!!」


 とはいえこの程度では【火属性魔法(SSR)】を火力調整してガス代の節約や、ドライヤーの代用、電子レンジの代用などできるスキルには遠く及ばない。


「でも私にはこれくらいしか思いつかないしなあ」


 正直言ってこれを思いついたときですら、「私、天才なのでは?」と呟いてしまったくらいだ。

 これ以上考えてもろくな事を思いつける気がしない。


 それなら知り合いに聞けばいいじゃないかと思うかもしれないが、そんな私の知り合いなんてろくなやつがいないに決まってるだろう。


「いや、そういえばつい昨日知り合ったじゃない!!」


 冰室さんはあの若さで起業した実力がある。恐らくだが相当いい学校に通っていたに違いない。

 とはいえ、相手は新しい事業を始めたての社長さんだ。それはそれは忙しいに違いないだろう。


 なので昨日いただいた連絡先に電話ではなく、メールで「とかすという言葉について知っていることがあったら教えて下さい。返事は時間に余裕ができたらで大丈夫です。」といった内容を送信した。


 するとなんと送ってから15分後には返信が来ていた。

 その内容は、こんなものだった。


──────────────────────────

 ─title・とけるについて


 ご連絡ありがとうございました。


 突然の連絡だったので少々驚いてしまいましたが、ちょうど時間に余裕があったので連絡させていただきます。


 とけるというのは、主に2つの意味を表します。


 一つは、個体のものが液体のものになることです。


 具体的に言うと、氷がとけて水になるという現象のことです。


 もう一つは、ある物質が他の物質に完全に混ざりきることです。


 こちらも例をあげますと、コーヒーに砂糖がとけるといったことです。


 私が知っているのはこれぐらいです。割と一般常識的なことしか知らないので、お役に立てていれば幸いです。


 恐らく、ご自身のスキルのことについてのことだと思っているので詳しくは聞きませんが、もしスキルのことについて知りたいならば今度直接お話していただけると幸いです。


──────────────────────────


 なるほど。さすがは社長さんだと思う。

 私が理解しやすいようにわざわざ例まで出していただけた。


 そのうえ何も言っていないのにもかかわらず、スキルのことについてだろうと検討をつけていることに驚きを隠せない。

 このメールを見たときに怖くなって盗聴器や監視カメラがないか確かめようとしてしまった。


 でも冷静になって考えてみると、いきなり「とける」について教えて下さいなんて言われたら、何かの事情があるのではないかと考えるのは自然のことのように感じる。

 それに先日出現したばかりのスキルは、謎が多いことが多いので突拍子もない質問が来てもおかしくないと考えるだろう。

 さらには冰室さんは私のスキルがSSR以上だとバレてしまっているのも原因だろう。


「そっか、冰室さんにはスキルのことを知られているのか。ならいっそ相談しちゃおうかな。冰室さんもぜひ相談してくださいと言ってくださっているし。」


 それに冰室さんは【鑑定(SSR)】をもっているし、もしかしたら【融解(EX)】の違う使い方もわかるかもしれない。


 思い立ったが吉日だ。そう思い、「私のスキルについて相談したいのですが、本日お時間取れますでしょうか?」という普段使いなれていない敬語で返事を送るとすぐに返信が来た。


『今日の午後6時などはどうでしょうか?

 よければその時間に昨日来ていただいた会社の前にきたいただけますか?

 あと無理して敬語は使わなくて結構ですよ。

 私は社長であると同時にあなたを友人だと思っていますからね。』


 ということだったので、「了解しました。時間をとってくれてありがとうございました。」と返信しておいた。


 今の時間はまだ昼の1時。約束の時間までまだまだ時間があるけどどうしようか。


 今まではこんな感覚になることがなかったからこういうときは何をすべきかわからない。


 ブラック企業で働いていたときは常に忙しかったので少し余裕ができたと思ったら睡眠を取るなどの休養を取るようにしていた。


 しかし今は休養を取るほど忙しくもなかったのでつい暇を持て余してしまった。


 「とりあえずスキルについてもう一度ネットで調べてみようかな」


 そして再びネットサーフィン始めたのだった。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。


 どんな些細なことでもいいので評価やコメントの方もよろしくおねがいします。

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