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Melt:world〜元ブラック勤務の私が気づかず世界を救っちゃう〜  作者: 江野のき
第一章 世界の変革
5/10

5.モンスター

2つ目の投稿です。

前の話をまだ読んでいない方は、是非そちらを読んでからこの話を読んでみてください。

 家に帰ってきた。体力だけは多いと思っていたが、それでも流石に色々ありすぎて疲れた。


 私は家に帰ってきて早々にお風呂を沸かしていた。


「今日は、珍しくいいことがあったからいい入浴剤つかっちゃおう!」


 それは、去年の誕生日に唯一と言っていい親友からもらったものである。貰い物は消耗品でもあんまり使わないようにする性分なのでまだとってあった。それを貰ったときは入浴剤だからそれほど高くないと思っていたら、後で調べてみるとひとつあたり千円以上するとわかってからより使いづらくなってしまった。


「使わないでとって置かれるより、使ってもらった方が我が友もきっと喜ぶだろう、うん」


 そんなこんなでお風呂に入ったのだが、そこでもったいない精神が出てしまったのがいけなかった。もったいない、もったいない、といつもより長くお風呂に入っていた自覚はあったのだが、その時間が思ったよりも長かった。


「ふう。いやー気持ちよくてつい長風呂しすぎちゃったなあ。あれ、なんか外が暗くない?って、もうこんな時間!?二十二時ってことは私、七時間も入ってたの!?」


 そうなのだ、なんと七時間も入っていたのだった。


「そういえば長風呂しすぎてちょっとだけ疲れちゃったから夕食はカップ麺でいいか」


 もちろんこれはいいわけで、ただただ面倒くさいだけだ。


 その後ポットでお湯を沸かしてカップ麺を平らげたあと、私はいつものネットサーフィンに耽っていた。

 もちろんその内容は、特異点のことや、スキルのことである。そんな中にこんな記事を見つけた。


── 俺田舎に住んでんだけどさ、最近できた特異点?とかいうやつがまだ封鎖されてなかったときに気になって近づいてみたんだよ。


 そしたらどうなったと思う?ざんね~んその時はまだ何も起こんなかったんだよ。でもそこには青くてヌメヌメしたスライムみたいのがいたんだよ!!やばくね!?


 つい出来心でモンスターならいいかと思って自分のスキルを試してしまったんだよ。そしたら、動かなくなってだんだん空気に溶けていったんだよ!!


 それが楽しくて何回か続けていたら急に体が軽くなった気がしたんでもしかしてと思ってステータスを見てみたんだよ。そしたらどうなってたと思う?


 そう!レベルが上がってたんだよ!やばくない!?それに気づいてその後もやってたんだけど、レベルが上がる前に封鎖されちまったよ。あ~あ。


 そんでもってもう一度ステータス画面を見てみたら知らない項目があったんだよ。

 そこには『item』って書かれてあってスライムの体液ってやつが入ってたんだよ!そこで確信したよ。倒したやつがスライムだって。──


 ということらしい。

 これが本当だったとしたらとんでもないことは確かだ。いづれは金貨とか落とし始めたりしてね。

 その時は将来なりたい職業ランキング一位が冒険者とかになってたりして。


 この記事の真偽についてはデマだと言う人がほとんどだったが、私は事実だと思う。

 私は実際に不思議な現象に遭遇しているからこそ言えるのかもしれないが。


 それにしてもいよいよもってファンタジーチックになってきたな。それにこれが本当だったなら、先日冰室さんさんから聞いた会社の方針や事業内容とマッチしすぎている。

 まさかと思うが冰室さんは私がこの記事を見つけるよりも早くに、この事実にたどり着いいたってことになる。


「まさかと思うけど、1つ前の事業所でこの現象が起こったのでは?」


 1つ前の事業所というのは、会社の説明がされたあとに聞かされた話なのだが、あの各地で発生した巨大地震で今使っているのとは別のところに構えていた事業所が崩れてしまったと言っていたものだ。


 しかし、その事業所でモンスターが発生していたとすれば、あるいはそれらを討伐していたとすれば、さっきの記事のことを知っていたとしてもつじつまが合う。


 なぜその事業所から離れざるを得なかったのかなんて、容易に想像できる。


 例えば、政府がこのモンスターが発生する場所を管理することができれば、そこからの利潤も政府が管理することができる。

 根拠としては、さっきの記事にあったように封鎖されてしまうという事柄が全国で発生しているなど。


 このようなことが起これば反感を買われるのではと思うかもしれないが、おそらく政府は国民の安全のためだとか言って黙らせるつもりだろう。


 この波に飲み込まれて前の事業所を手放したのかもしれない。もしかしたら管理させないように抵抗して、政府に法律を盾にしてやむなく手放したのかもしれない。


 それについての根拠としてもう一つある。それは、あまりにも立派な会社だったからだ。


 冰室さんはうちは名もないベンチャー企業だって言っていたのにも関わらず、施設が偉く近未来な機械が取り揃えられていた。


 これはおそらく前の事業所を手放さないよう抵抗した末に、政府側に大金を支払わせることによってこちらが手を引くように交渉したのだろう。本当に末恐ろしい人だ。


「だろうだろうって言ったってしょうがないし、今わかっている事実だけ一回整理しよう」


 ─────────────────────────


 ・世界中の各地に発生した地震により特異点という謎の空間異常が発生した。

 ・特異点では様々なモンスターが確認されている。

 ・そのモンスターを倒すと確率でアイテムをドロップし、一定量倒すとレベルアップして能力が上昇する。

 ・世界中の人々にスキルが発現した。その種類はわかっているだけで、R・SR・SSR・EXの4つである。


 ─────────────────────────


 挙げてみたがこんなところだろう。

 そうなってくると私のスキル【融解(EX)】ってやつが今すぐ知れることの中で一番謎が多いかも。


 昨日も実験をしてみたが、このスキルの凄さはやはりあれだけではない気がする。


「とはいえ、もう夜も遅いし寝て明日考えることにしよう」


 そうして夜の闇に沈むように眠りについた。

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