オークの襲来!街の危機に転移者の主人公は逃げようとしたのだが…
緊急依頼。
東の森にオークの群れが発生。
討伐報酬、通常1匹につき500リン
現在特別単価 1匹につき5000リン
冒険者の協力を求む。
オークといえば異世界の代名詞の豚の魔物だろう。
それが大量発生しているようだった。
誰かがギルド職員にどれくらい数がいるのかを聞いたところ
3千匹を超える群れを確認され、現在近隣の街へ応援要請もしているとのことだった。
この街にいる冒険者の数が100人くらいなので1人が30匹討伐換算だが現実的にはかなり厳しい。
籠城戦をしようにもある程度数を減らさないことにはこの街はあっという間に飲み込まれてしまう。
ここはついに転移者の力を見せる時が来たのかもしれない。
こっちにきて息切れをすることがないくらい身体が軽い。
よし、ラッキー逃げるか。
そう思ってラッキーを見るとラッキーは
「豚さん美味しそうです。マスターお腹いっぱいお肉食べたいです。」
と言って楽しそうにしている。
―――豚さんは食べ物だけど勝てないよ。
「いやいやオークにはさすがにスライムじゃ勝てないでしょ!!」
「??オークは美味しいお肉じゃないんですか?」
あっ確かニラクさんのところでオークの肉を食べていた。
でも美味しいからと言って勝てるわけではない。
「いや、オークのお肉は確かに美味しかったけど、勝てるないから。ここはひとまず逃げよう。」
「マスターあんな美味しいお肉にが食べられるならここは戦うべきです。戦わずして逃げるなって黒ちゃんも言ってたです。」
いや、昨日種族の差は埋まらないって言ってたよね。
人間よりあきらかにオークの方が強いから。
「それにマスター昨日魔剣作ってたじゃないですか。あの魔剣があれば大丈夫です。」
「いや、あれは魔剣じゃないから…」
そこへ運が悪くまわりにいた冒険者が
「おいっあれって昨日冒険者5人を瞬殺した冒険者じゃないか?」
「なんでもヒツメ草を5年分ギルドにおさめたとか。」
「いや、10年分の量を収めたらしいぜ。」
「なんか魔剣とかって言ってたな。確かにあの剣はこのあたりに売っている剣じゃないぞ。」
「実は凄腕なんじゃないか。」
「俺あれと同じような魔剣を王都の騎士団長が持っているのをみたことあるぜ。」
誰だそんな余計なことを言ってるのは、同じような剣=同じじゃないんだよ。
「えっあれ魔剣らしいわよ。」
ついに魔剣になってるよ。人の噂って怖いな。
「昨日魔剣もちの男が冒険者なんてスライムと同じだって言って冒険者を挑発して本当に瞬殺したらしいよ。近所のおじいちゃんの孫の友達が言ってたって。」
いや、ずいぶん遠いな。孫の友達って。
俺を遠巻きにひそひそと冒険者が話し出す。
段々と噂は真実味をまして根も葉もないことが本当のように情報操作されていく。
そこへギルドマスターのミルクが現れた。
「静まれ!」
ギルドマスターの一言で静まり返る冒険者ギルド。
「お前たちは世界を股にかける冒険者だろう!これほどの困難だろうと今まで乗り越えてきたはずだ!そうだろ?」
ギルドの中はマスターに呼応して大きくうなずく。先ほどまでの俺の噂などは一瞬で消し去られた。
ギルドマスターは俺が昨日登録したばかりの初心者だっていうのを知っているんだからそんなむちゃな噂を信じるわけがない。
「オークが何万匹こようとも俺たちはやることをやるだけだ!冒険者たちよ!力を示せ!」
さすがギルドマスターだ。名前がミルクっていうギャグかと思ったが先導する力ははかり知れない。
マスターの声かけに冒険者たちはおぉ!!と雄たけびに近い声をあげている。
「まずは先遣隊を派遣しできれば足止めをはかりたいと思うがどうか?」
先遣隊?危ないやつだよね。さすが歴戦のつわものたちのギルドは違う。
そんなことを思っていたらば、
「先ほどから話にでている魔剣を使うマモル殿に先遣隊をお願いしたいと思うがみんなどうだ!?」
「おぉー!!」
場内の熱気は最高潮に達し誰かがいいだしたのかわからないがマモルコールまではじまる。
マモル!
マモル!
マモル!
街ををマモル!
完全にバカにされてる気分になってくる。
えっ?俺以外にまもるっているの?嘘だよね?
俺じゃないよね?
昨日あれほどギルドマスターが初心者冒険者は命を大事にって言ってたよね?
えっやっぱり冒険の安全を祈願して先輩冒険者に売上わたさなかったから?
ちょっと!いやーーーー。
★
気が付くと俺は街のみんな全員に応援と熱いまなざしのもと東側草原にでていた。
もうひきかえせない。
魔剣じゃないって言ったらば、まわりの人間が大声で
「まもるさんが負ける気がしないって言ってるぞ!!」
と聞き間違い。
急いでギルドからでて街をでるために逃げたらば、
「早速オーク討伐へむかうみたいだぞ!」
と運悪くオークのいる草原方面へと足を進めていた。
ギルドマスターはできるだけ時間を稼いでくれれば必ず助けに行くといって回復薬下級10本とその他武器や防具を持たせてくれた。
昨日のヒツメ草といい普通の冒険者とは違うとは思っていたがまさか魔剣まで使うつわものだとは知りませんでした。と深々と頭を下げられたらばもう今更何も言えなくなってしまった。
そして、補助役として奴隷を1人くれるという事だったがどの奴隷も正直魅力的ではなかったので戻ってきたらば最高級奴隷をもらうことを約束してオークの群れのいるところへ向かうことになった。
ちなみにミルクからないとは思うが逃げたらばそれはそれで違約金が発生するからとなぜか強制依頼になっていた。
―――なんでこんなことに。
とりあえず1匹でも倒してそれで考えるしかない。
俺は街のみんなに見送られてオークの群れへ一人戦いを挑むことになった。