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冒険者ギルドで初めての依頼をこなしたらランクがあがった。

「あっ…えっと…ラッキー?これは昨日とってきたってこと?」


「そうです。スライムは戦闘には向かないのでこういったことで役に立つのです。」


受付のお姉さんは山になった薬草と俺の方を何度も見比べてくる。


「スライムってこんな特殊能力あるんですね。」

俺があえて平然とニコリとお姉さんに同意を求めると、


「いや、私の知っているスライムにそんな能力は…」

あっやっぱり普通のスライムにこんな能力はないですよね。

ラッキーはちょっと特殊なスライムなのかもしれないけど確かめようがない。


ラッキーの方を見ると、表情はよくわからないけど多分ドヤ顔している。

俺はラッキーを抱きしめながら偉いぞ!と褒めてやる。

うん。感触がたまらない。


お姉さんは最初フリーズしていたが、かなり慌てながら買い取りを計算してきますねといいつつ裏にヒツメ草をもって走っていく。

20往復くらいしたころだろうか、やっとカウンターがキレイになり、それからさらに数分たってから全部で24592本でした。と言って737760リンを持ってきた。


あわせてあきらかに元冒険者だとわかるゴツイギルドマスターを連れてきた。

「君がヒツメ草をもってきた…えっと。」


「初めましてまもるといいます。よろしくお願いします。」


「俺はここのギルドマスターのミルクだ。よろしく。でもいったいどうやってこんなに集めてきたんだ?…いや、余計な詮索はやめておこう。鮮度といい盗んできたようなものではなさそうだし、もし盗まれていれば騒ぎにもなるしな。何か特別な方法を知ってるのだろう。飯の種をあかしてくれなんてのは野暮なもんだ。このクエストは値段の割に大変だからみんな受けたがらないんだが、これだけあればかなりの回復薬が作れる。最近魔物が活性化しているからちょうど助かった。それでさすがにGというわけにはいかないからEランクに昇格させたいんだが問題はないか?」


ミルクって牛乳かぁ。こっちの名前はまだどんな基準でなっているかわからないけど、こんなゴツイマスターがミルクって。一瞬笑いそうになったが、それよりもランクについて考えてみる。


一応冒険者ランクEの依頼を見て見るが特に大変そうな依頼はない。討伐などもでてくるが、きっとそんなに強い魔物ではないのだろう。


ただ、不吉なことも言っている魔物が活性化?なんて言っている。

まぁ職人のようなスキルばかりの俺が外に出されることはないだろう。


俺はギルドマスターに

「大丈夫ですよ。」

と言うと、冒険者カードをEランクに書き換えて渡してくれた。


無くすと再発行で手数料がかかるから無くさないようにということと、もし行き倒れの人がいたらば冒険者のカードを持っていればギルドまで持ってきてほしいとのことだった。

冒険者の数や動向などを把握したいらしい。


ちなみに行き倒れの冒険者の装備などはもらってしまっても盗みにはならないらしい。

ただ、家族などがわかる場合には届けてやるのが暗黙のルールになっているとのことだった。

異世界は結構優しいのかも知れない。



いろいろ問題はあったがとりあえずこれで用事はすんだということで、ギルドからでる。

最後にギルドマスターのミルクから武器と防具の店と宿屋の場所などを教えてもらいとにかく初心者のうちは命を大事にしろとしつこいくらい言われた。


異世界も意外といい人ばかりだ。

これだけのお金があればしばらくは寝泊りや食事には困らないだろう。

しかしラッキーの能力は半端なかった。なんとかしてラッキーの能力を知れないものだろうか。

普通テイマーなら…などと考えながら歩いていると、


先ほど冒険者ギルドでみた男達に呼び止められた。


「なぁ兄ちゃん。この街では新人冒険者は旅の安全を祈願して先輩冒険者に最初の依頼料を納めるのが礼儀だってギルドマスターから聞いたか?」


そう言いながらニタニタと笑いを浮かべる。

うわぁ。気持ち悪い。なんでこんなわかりきったことをしてくるんだろう。


「これはラッキーが頑張って働いてくれたお金ですので、見ず知らずの人に渡すお金はありません。」


「そんなこと言っちゃっていいのかな?スライムもろとも少し遊んでやったほうがいいんじゃないの?」


男たちは全部で5人おり、そんなことをいいながらこちらを威圧してくる。

冒険者のような装備、こちらは普通の服にスライム1匹だ。

助けを呼ぼうとしたが、まわりには誰もいない。


ラッキーはなぜか、

「僕と遊んでくれるんですか?黒ちゃん以来の友達になれそうです。」

と楽しそうに喜んでいる。


うん。異世界はやっぱり優しくない。


「そんなことをしたらば、あなたたち盗賊になりますよ。」


「フハハ…盗賊になりますよだって。なんでお前が善意で先輩たちにお金をくれるのに俺らが盗賊になるんだよ。あくまでもこれは善意で旅の安全を祈願してやるっていってるんだぜ。」


うーん。カードの抜け穴というか。やり方の手慣れた感じからこれくらいでは盗賊にはならないをわかってやっているらしい。


「ほら、どうする?この人数で遊んで欲しいのか?どうするんだよ!」


そう男が威圧した次の瞬間。

ラッキーは

「遊んで欲しいです。トモダチー。」


というと5人全員を体当たりで一瞬で地面に沈めた。


ドスッ。


ラッキーは何が起こったのかわからないように少し目を潤ませながら俺の方をみてくる。

…ん?ラッキーにとっての遊び?

冒険者瞬殺?


「てめぇ!この野郎!油断させといてスライムで攻撃とか卑怯だぞ!ぶっ殺してやる!」

いや、それ完全に言いがかりでしょ。


そう言って男達は腰にかけていた剣を抜いた。


さてどうしたものか、男たちはラッキーの攻撃を警戒してかじっくりとまわいをつめてくる。

ラッキーは剣を見てか怯えて…なかった。

なんだろう。すごく楽しそうに見える。


その時、勝手にゲームウィンドウがひらく。


--------------

相手の能力を鑑定しますか?

Yes No

--------------


なんでこんな時に。鑑定?とりあえずYesを選択する。

5人のステータス画面が表示される。


どれも正直たいしたことではないが、賞罰のところに盗賊と表示がされている。

先ほど男が言っていたのを思い出す。


善意で渡す分くらいならば盗賊にはならないが、きっと剣を抜いた時点で盗賊になったようだ。

ただ、これがわかったからといってどうすることもできない。

こちらには弱い俺と最弱の代名詞のスライムしかいないのだから。


相手のリーダーらしき男が、

「まずはこのスライムからやるぞ!的は小さいが少しでも当てれば俺たちの勝ちだ!いくぞ!」

そう言ってラッキーへと攻撃をはじめる。


ラッキーは目にもとまらぬ速さで盗賊たちの剣を避け盗賊たちへ生かさず殺さずダメージを与えていく。


「楽しいです。」


ラッキーは非常に楽しそうに踊っているかのように華麗な動きをみせる。


俺はラッキーの姿を前の世界で見たことある景色とだぶらせていた。

一度格闘技の道場の見学に行った時にあんな感じで楽しそうに殴り合いをしてた人がいた。

戦闘狂とでもいうのだろうか。


スライムってこんなに強かったのか?

そんなことを思っているとまわりに人も集まってきたので、てとりあえず状況を説明する。

スライムにボコボコにされる男たち5人をみて街の人たちもあきれている。


俺はラッキーにもうやめるようにいうと、ちょうど兵士がきてあっけなく連れていかれた。

話によると彼らはもう奴隷落ちになるらしい。


どのみちスライムにボコボコにされたという噂が流れた時点でこの街での護衛などの仕事はできなくなっていたのでこの街では生きていけないだろうとのことだった。


ラッキーは小声で

「全然遊んでくれなかった。」

と少し寂しそうだ。


俺は絶対に気軽に遊んでやるなんて言わないように心に誓った。

そういえば、急に鑑定のスキルが使えるようになったけど何か特別な発動条件などあるのだろうか?


うーん。考えても特にでてこないが何か戦闘とかそういった中での成長なのか。

まぁ今後検証していく必要があるだろう。


さて、ラッキーの鑑定もしたいがもう、とにかく急いでニラクさんのところへ行こう。

お腹が空いて気持ち悪くなってきた。

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