冒険者ギルドへ登録してみた。
冒険者ギルドは赤い三角屋根に四角い建物だった。
石の階段がありその上に木でできたドアがある。
入口の目立つところに冒険者ギルドと書かれているので字さえ読めれば誰でも簡単に見つけられそうだ。
少しドキドキしながらドアを開ける。
中は銀行のような作りになっていた。
カウンターが三つ並んでおり、左から登録、依頼、買い取りに分かれている。
ギルドの中には体格のいい男達が依頼を見たり、情報交換をしたりしている。
できるだけ、絡まれないように登録の窓口までいく。
そこには可愛い猫耳をつけた20歳前後の獣人が受付をしていた。
この世界にきて初めてみる。少し感動しつつも冒険者登録をしにきたことを告げる。
「初めての登録ですか?」
と聞かれたので初めてだと答えるとギルドのことを色々説明をしてくれた。
ランクはG、F、E、D、C、B、A、SとなっておりSランクが一番上であること。
受注できるクエストは自分のランクまでであること。
クエストを失敗すると受注金額の倍の金額の支払いがあること。
これは失敗をさせないためのものらしい。
そんな話を聞きさらに、依頼のボードの説明もしてくれた。
依頼には常に受注可能なものと、依頼を受けてからこなすものがあるらしい。
依頼を受けてからこなすものには、護衛が魔物討伐などがあり、魔物の討伐などは依頼を受けずにこなしても報酬は例外を除きでないとのことだった。
ただ、魔物を倒せばその素材を持ち帰ってくることで利益をだすこともできるのと、ランクアップへの参考資料になるとのことだったので上手くやって欲しいとのことだった。
説明が終わるといよいよギルドへの登録になっていく。
最後の注意として原則的に冒険者は自由であるが、依頼を受けている最中にけがなどをしてもギルドでは責任を負わないと誓約書を書かされ、大きな白い石に手を置くように言われる。
名前 マモル
年齢 35歳
種族 人族
性別 男
レベル 1
賞罰 なし
スキル 料理 魔物解体 薬草処方 鍛冶 回復薬製造 武器製造 防具製造 発掘 生活魔法
職業 テイマー
従魔 スライム(ラッキー)
従魔の名前などまですべて表示されている。
この世界では悪いこともできないようだ。
新しく賞罰にが表示されているのでカウンターのお姉さんに確認してみる。
賞罰は主に盗みや殺人などをした場合にそこに犯罪歴が表示されるらしい。
殺人をおかしても合法的に認められる場合があり、それは賞罰で盗人や強盗などと表示がされている場合は殺しても罪には問われないらしい。
ただし、一度盗人になっても奴隷からやり直して自分を買い直すチャンスを与えられることもあるらしい。
この世界には奴隷の文化があるようだ。
いずれは戦闘用奴隷も欲しいが今はまずはギルドへの登録と食事をとにかくしたい。
無事に登録が終わり、まずは依頼を見てみる。
依頼内容にヒツメ草の買い取りなどがあればさっそく納品してある程度お金を手元に残しておきたい。
そう思ってGランクの依頼を見てみると案の定ヒツメ草の採取依頼があった。
1本30鉄貨幣、この国では鉄貨幣をリンと呼ぶらしく30リンで買い取ってくれるようだ。
ただし、長さが15センチ以下は買い取り不可となっている。
受付の人にこの依頼を受けたいというと、直接買い取りへ行ってくれればいいということだったので、マジックボックスからヒツメ草をだす。
ほとんど30㎝以上なので問題はない。マジックボックスの中を見るとだいたい200本くらいあったので100本を買い取りにだす。
あっという間に3000リンが手元にはいることになった。
ボロイ商売だな。
そんなことを思っているとずっと静かだったラッキーが横から
「マスターその草必要ですか?」
そう可愛く聞いて来た。
「そうだね。昨日ラッキーが1本見せてくれた草がお金になるから明日は一緒にとりにいこうか。」
そんな話をしているとラッキーが不思議なことをいいだす。
「僕、昨日その草沢山集めてきたですよ。」
??沢山??でも昨日渡されたのは1本だけだったはずだ。
「マスターが必要ならばだしますよ。」
そうやらラッキーは身体のどこかに収納しているらしい。
「そうか、じゃあちょっとここのカウンターがいっぱいになるくらいだしてみて。」
俺がそういうとラッキーは本当にカウンターが一杯になるくらいヒツメ草を口の中から吐き出した。
えっスライムってこんな収納能力もってるの?
受付のお姉さんと俺は目を見合わせながら現実を受け入れるのに少し時間が必要だった。