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商人の一団を助けた。

翌日、俺は顔にヒンヤリとした冷たいものがあたっているのに気が付き起きた。


「ここは…。」


一瞬頭の中で理解できていなかったが頭の中を整理する。

あっここは異世界だった。


顔を横にむけてヒンヤリとした物体を確認するとラッキーが帰ってきていたようだった。

俺はラッキーを抱きしめる。


「ダメだよ。あんまり遠くにいくと心配するから。」


「ムニャ…マスターおはよう。草とってきたよ。」

そう言ってラッキーは薬草を1本俺に差し出す。


俺はラッキーを優しく抱きしめながら、

「それはラッキーが食べな。無事でよかった。」

そう言ってラッキーの感触を確かめる。


「よし!ラッキーが帰ってきたことだし、今日は近くの街へ向かって一緒に冒険するぞ!」


「おぉー!」

腹は減っていたがラッキーと一緒街を探す旅にでることにした。



廃村からもと大きな道にでるにはやっぱり森の中を進むしかないらしく、俺たちは森の中を進んでいく。

その中でラッキーにいろいろ聞いてみたが、どれも要領を得ない答えばかりだった。


「どこに住んでいたのか?」

と聞けば

「暗くて広い場所。」


「家族はいるのか?」


「黒ちゃんが面倒を見てくれていたけど、黒ちゃんと遊んでいたらば川に流されて気が付いたらば森の中にいた。」

とか。


街の情報もわからなければ、この世界についても何も詳しいことはわからなかった。

わかったこととと言えば、生まれてからずっと黒ちゃんという仲間と生活していたことくらいだった。

その黒ちゃんはスライムではないらしいが、黒ちゃんは黒ちゃんだということしかわからなかった。


まぁ、わからないことをずっと考えていても仕方がない。

ラッキーと会話をしながら歩いていくと何やら騒がしい声がする。


おっついに第一村人発見だ!!



声のする方へ向かっていくと、数人の男達が魔物の群れと戦っていた。

ほぼ、魔物との戦いは終わっているようだが、どうやら商人の一団で怪我人がでたようだった。


「あぁ!なんてことをこんなところで死んではダメだ。」


商人の男に抱きかかえられて一人の美しい女性が倒れている。

顔は真っ白くなり、服は真っ赤にそまっていた。


「大丈夫ですか?」


「あぁ、いきなり申し訳けありません。冒険者の方。もし回復魔法か回復薬があればわけてください。」


そう言いながら男は大きな涙を流しこちらへ訴えてくる。

マジックボックスには昨日とった薬草が沢山ある。


「これって使えますか?」


そう言って渡すと、商人は感謝をしながら薬草を女性の口に近づける。

でも、もう薬草をかみ砕く力も残っていないようだ。


俺はもう一度自分のスキルを確認してみる。


―――――――――――――――――――――――――――

マモル

職業 テイマー

スキル 料理 魔物解体 薬草処方 鍛冶 回復薬製造 武器製造 防具製造 発掘 生活魔法

属性 なし


HP 50/50

MP 50/50


―――――――――――――――――――――――――――

ものの見事に戦闘に向いていないスキルばかり発達している。

ただ、回復薬製造というスキルがある。きっとどうにかすれば回復薬を作成できるはずだ。


俺は薬草を手に持ち頭の中で回復薬製造と念じる。

手から水分がこぼれ落ちる。


もしかしてこれが回復薬なのだろうか?

考えている暇はない。俺は少しでてきた液体を彼女に飲ませる。


ゴクン。


彼女の顔色が少しずつ良くなっていく。


「いっいまの薬は?」

商人が俺の方を見ながら聞いてくるが俺にもよくわからない。

あっこういうのは普通ではないらしい。どこまでが普通で、何が普通ではないのかわからないから目立たない方がいいだろう。


俺は当たり障りなく、薬草を絞って飲ませただけだと答えておいた。

なおも商人は、それにしては効きがよすぎる気がすると言っていたが助かったのだからそれ以上詮索は必要ないと思ったのか商人もしてはこなかった。


ついでだから商人達に恩を売って食料と街までの安全をはかることにする。

「他に怪我をした人はいませんか?」


聞いてみると何人か怪我をしているようなので回復薬を作って飲ませていく。

「奇跡か?」

「魔法か?」

なんて声も聞こえるがとりあえずスルーしておく。


でも、これを売れる体制まで持って行けばどうやらお金に困ることはなさそうだ。


商人たちに田舎からでてきて街の常識がわからないことと、できれば街まで一緒に連れて行って欲しいとお願いすると、こちらこそ街でお礼がしたいからと快く受け入れてくれた。


一通り自己紹介をする。

商人の男はニクラさんというらしい。


「ところでマモルさん。身分証明やお金は持っているかね?」


異世界へ転移してきて一通り確認したがそんなものは一切なかった。


「いいえ。やっぱりそういうの必要ですよね?」


そう聞くと、少し困った顔をしながら


「そうだね。身分証がないと何をするにしても不便だから、まずはギルドで発行してもらうといい。身分証の発行には多少お金がかかるけど、それは私の方で払ってあげるから。」

そうと言われたのでお言葉に甘えることにする。


ついでにお金についても確認をすると、

鉄貨1000枚=銅貨100枚=銀貨1枚 銀貨100枚=金貨10枚=大金貨1枚 大金貨100枚で白金貨

鉄貨1枚がだいたい10円程度の感覚のようだ。


ニラクさんは、まぁ白金貨を目にすることは普通ではありえないだろうけどね。

と笑いながら言っていた。



さて、そんなこんなで無事に街に到着することができた。

街の名前はヒリムルという街らしい。


街の入口に行くと門番から

「身分証を提示してくれ。」

と指示を受ける。


身分証がないことをつげると、この街にいる間ニラクさんが身元を保証してくれることを条件に街の中に入ることを許された。かなり警備は厳重のようだ。


職業などを聞かれたのでテイマーだと答えスライムが仲間だと答えると、かなり可哀想な者を見るような目でみられ、一言。


「田舎からでてきて大変なことも多いと思うけど、諦めずにがんばればなんとかなる時はなるかも知れないし、ならないことの方が多いかも知れないが、とにかく頑張れよ。」


なぜか門番からも応援された。

俺はさっそく冒険者登録するためにギルドへ連れて行ってもらいそこでニラクさんと一度別れた。

冒険者登録が終わったらば一緒に食事をしようという話しになった。

もうすでにお腹が減って先に食事にしたいがここは我慢して俺は冒険者ギルドの中へ入っていった。


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