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保健室の先生

夕方にもう一話載せます!是非見てください!

「おい、意識ちゃんと持つんだぞ!?おい、お前の名前は?」


「お、俺の名前は、クロノだ」


「そうか!僕はトオル、スマホのやつは後輩だ!」


「クロノさんよろしく!」


「箱が、喋ってる?」


 箱?スマホを箱と言ったのか?スマホを知らないのか、ということは日本語を喋っているように聞こえるが、日本人でスマホを知らないのはないはず。ということはそもそも地球人じゃないとかはありえる?無くはないよな、僕が異世界に来て、彼も異世界から来てるなんてありえそうだ。


 いけない、今はそれは関係ないね、この人を助けなきゃ。


 学校の玄関のドアに鍵はついてなかった。入ってみると、靴箱があり、全てに中靴が入れられていた。


「二人共入学おめでとう!」


「あなたは誰ですか?」


 玄関の広間のような所に、大人っぽい男性が立っていた。


「私はここの高校の校長、サトルです。君達が最後の生き残りの受験生です。他の皆はもうクラスにいます。と言っても、君達は最後に入ってきた人達ですから仕方ないんですけどね。他の皆は寮で一日を過ごした者もいます」


「聞きたいことはかなりあるんですが、この人が大怪我をしています。今すぐ医者などを呼ぶことはできますか?」


「そうだねぇ、確かにこの高校の養護教諭はそうした者の処置は可能だ。だが、治療をタダで行うのはこの学校では許されていない」


 治療を行えない?こんなに苦しんでいるのにか?クロノが、お前達に何をしたっていうんだよ。可哀想だろ、痛そうだろ!


 必死に気持ちを抑えて口を開く。


「なら、今すぐ治療を行ってもらう方法を教えてください」


「ふむ、なら貸しだ。君は私のお願いを一つ、いつか聞いてほしい。それでどうかな?」


「とっても楽な貸しです。そんなことで人を救えるなら僕は遠慮なく貸しをします」


「よし、じゃああそこの廊下を歩いていけば左手に保健室が見える、そこに先生がいるから頼むんだ」


「ありがとうございます」


 ✕✕✕


 保健室という文字が書かれた表札を見つける。


 ノックをしてドアを開ける。


「失礼します!致命傷を受けている人がいます!助けてもらえますか!?」


「んん〜?怪我人?また怪我人かぁ、今年も入学式は怪我人が多いなぁ。怪我人を見せて!」


 僕に呼びかけた白衣を着た若い男の先生は、すでに治療のようなものに取りかかっていた。


「わかりました!このベッドに彼を置けばいいですか?」


「ああ!すぐそっちに行く」


 先生は言った通り、抱えていた患者の処置を終わらせてクロノの治療を始めた。


「これは酷いね、土流槍が刺さっているじゃないか。君達はかなり戦えるんだね?」


「俺は、なんも、してないです、うぐぁ!」


 クロノが喋っている間に腹から槍が抜かれた。


「抜く時言えよぉ!」


「痛がって拒否されても困るし。すぐ治療を終えるから待ってなさい」


 保健室の先生は、メスと針、糸を使って傷口を次々と縫い、傷口を閉じた。


「完璧に修復したよ。思った以上に時間がかかってしまったね」


 早業と言ってもいいだろう。ものの数分で傷口を完璧に閉じたらしい。


「糸のことは気にしないで。魔法の糸だから自然と馴染むよ。もう後一時間も安静にしていれば自由に動いても大丈夫だよ」


「そんな早く動いても大丈夫なんですか!?」


 糸が馴染むまで何日もかかるのが普通だ。これは異能か何かなのか?


「ああ、僕の異能は『表裏一体の傷』。僕が傷をつけたところは瞬く間に修復する能力、僕の異能は不便なことに魔力を消費するから再生力を少しにして傷口を縫ったんだ。そこら辺は許して欲しいな?」


「すごいですね!俺はどんな異能なのか早く知りたいな!」


「あれ、君土流槍で貫かれてたよね?君は異能なしで戦っていたのかい?」


「いや、俺は隠れてたんです。全部この優男のトオルに任せてたんです。そしたら居場所がバレて槍を刺されて、死にそうなところをトオルに助けられました。まあ全部トオルのおかげです」


 否定したいのは山々なんだが、否定できるところが一つもない。


「先輩!おケツから出してください!真っ暗な景色しか見えません!」


「ああ、ごめん」


 ズボンの後ろポケットに入れっぱなしだった。


 スマホを取り出して皆に見せる。


「それはなんだい?見たことのない機械だね」


「それってさっきの喋る箱?」


 二人共見たことがないのか。この世界にはないものなんだろう。


「皆さんこんにちは!皆のアイドル、後輩ちゃんです!私に惚れたらすみません、私には先輩がいるので無理です!」


「お前何喋ってるの?」


 初対面の人に何言ってるんだよアホだろこの子。やめろ、スカート短いから、人前ではロングスカートにしろ。


「凄いですねこれ、この中にこんな小さな小人が閉じ込められているんですね」


「箱の中身が透けるこの箱も凄いな」


 文化の違いというものをひしひしと感じるなぁ。


 二人の興味の眼差しが面白い。


 きっとこの話題でクラスでもかなり話せるんじゃないか?


 ・・・・・・いや、僕じゃなくて後輩が人気になるだけだ。こいつに頼るのだけはやめよう。


「私は先輩の性奴隷ですからね!」


 後輩がいきなり頭のおかしい発言をした。最近のお前なめているだろ。


「どう考えても性玩具として使えないだろお前」


 扱い方が皆無だ。消しゴムと同じじゃないか。


「君、変態だね」


「トオルってやばいな」


「間に受けないでよ!」



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