問題の答え
誤字脱字があったらすみません。
「土流槍生成」
大男が地面に手を触れ、そこから槍が作られた。
「魔法かな?っ」
僕は油断した。相手の槍で突くスピードに追いつけず、相手の槍を避けきれなかった。右肩が貫かれた。
痛い痛い痛い痛い痛い!
痛みが僕を支配する。死にたくない、死が近い気がする。
僕は足に力を込めてベクトルを集約する。
なんとか距離は取れたが足が痛む。
敵をもっと観察する。一つ一つの挙動を見逃さない。僕は死ぬかもしれない。
そう思うと途端に心臓がバクバクして、血流の流れが早くなっている気がする。いやなっているのだ。
僕はそんな戦闘民族とかではないから、戦闘で喜びなんて感じない。
憧れの異世界に来てみたけど、実際は怖いし死にたくない。無双なんて夢のまた夢のような気がする。
でも、諦めるわけにはいかない。
「先輩!戦えますか!?大丈夫ですか!?」
「うん、大丈夫・・・・・・だよ」
後輩の声が霞んで聞こえる。それほど集中している。
「やっぱりわ、、、しがや、、きゃ、、、な」
何かの後輩が言っている。でも何を言っているかは聞こえない。
あいつをどう殺すか、どう滅殺するかだ。
こいつ、なんで血で濡れているんだ?僕は確かに攻撃をくらったが、あそこまでは鮮血が飛んてないはず。誰かの血か?手も血まみれだ。
なんだ?違和感というか、何かのリンクを感じる。
そうだ、問題だ。うん、こいつは殺人鬼、人を殺す鬼だ。この状況はあの問題によく似ている。わざとか?わざとなら、僕には仲間がいるはずだ。ここら辺のどこかか、それとも遠い場所か。
でも僕はこの近くにいるとわかった。なぜなら、問題が成立しないから。
もし僕が仲間に売られたとしても、どこかに隠れていなきゃだめだ。なぜなら周りは結界で囲まれているから。逃げ出さないから。
だから僕を見捨てたのか、はたまた機会をうかがっている仲間が絶対にいる。
「探知魔法発動、敵二人目を発見しました」
「!?見つかっちまった!」
そんな所に隠れていたのか。仲間は木に隠れていた。でもこの人、戦えるのか?
「敵を殲滅する」
「誰がやられるかよ!ぐはっ!」
隠れていた男の人の腹に槍が投げられ突き刺さった。
僕はこの問に仲間を殺させると、確かに答えた。でも、やっぱり人を殺させるなんて無理だ。あの時はちょっと厨二病出して、調子こいてあんな答え書いてこんな学校に入学してしまった。ああ実に馬鹿だ、馬鹿馬鹿しい。
「人が殺されそうな所を見て黙っていられるやつは人間じゃない!罪のない人間を殺すやつは悪だ。そんなやつは僕が殺す!」
痛みなんてとうに消えた。あいつを殺すこと考えるので精一杯だ。
僕と相手の距離は遠い。相手と男の人の距離は近い。今の僕じゃ追いつけない。
なら遠距離から攻撃する!
「遠撃!」
地面を思いっきり殴りつける。拳が壊れるぐらい本気で殴った。そこから伝わる力のベクトルを全て制御して、敵の足元まで一直線に情報ベクトルを飛ばす。そして足元まで行ったら地面そのものを突き上げ、地面の塊で敵を殴った。
「へ?」
「そこから離れて!僕がそいつと戦う!」
ベクトルをもっと制御しろ!反作用のベクトルも!痛みを忘れて走れ!
「死ね」
拳に力を込めて顔面を捉える。
「おらぁ!」
そのまま振り抜く。
敵は二度目のダウンをした。
敵を殺すには、自分の殺意に気づけばいい。
「はぁ!はぁ!はぁ!」
呼吸がとてつもなく荒くなる。
「はぁ、大丈夫か!?」
槍が腹を突き破っている。これは危険だ。医者に見せても助かるのか?いや、助ける。
「ああ、大丈夫、だ」
大丈夫そうではないね。
「今医者のところに連れていく」
彼を担いで学校の玄関を探す。
「後輩、お前は後ろを見てろ」
スマホをズボンのケツポケットに入れる。
その時に、スマホの構造を理解することができた。そして、その中身の後輩についても、少しだけ。
だが今はそんなこと関係ない。
「わかりました!先輩も怪我してるんですから気をつけてくださいね!?」
「ああ!じゃあ行くぞ」
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