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ノベル:娘の告白

「き、君は……」

「……ごきげんよう、みなさん」

「イアナ、何をしているの。早く帰ってきなさい」


 母親の言葉は無視して、イアナは言葉を続ける。


「……今回は、株主のみなさんに本当のことを知っていただきたく、このような形でお話ししたいと思います」

「イアナ!」

「いいでしょう。……みなさんも、いいですね?」

「うむ」

「右に同じです」

「ありがとうございます。……ではまず、今回の経緯を簡単に。……私、平菱イアナは先月、権座令州成也さんと結婚いたしました。……しかしそれは私の意志によるものではありません。お母様が、独断で決めたことなのです。成也さんの妻となった私に、お母様は成也さんの後を継ぐ子を産むように命じました。私は拒みました。しかし……それが受け入れられることはありませんでした。……そして昨日、私は…… 成也さんに襲われました。お母様が仕向けたのです」


 終盤、イアナの声が震えていた。自分には想像しきれない苦痛があるに違いない。自分は……自分の彼女にそんなことをしたイアナの母親達に、ほのかな怒りを覚えた。


「私はここに宣言します。私、平菱イアナは……お母様と今後一切接触しないことを。もう二度と……『平菱登和子さん』に屈しないために」

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