表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/35

ノベル:二人の使用人

「お父さん、お母さん!」


 一家心中をしようとした両親は、私達を残して逝ってしまった。


 私達は父につけられた傷が浅く、死に損なった。


 そして残された私達は誓った。利権を奪うだけ奪って負債は両親に押しつけ、両親の会社を乗っ取った憎いあの女に…………平菱登和子ひらびしとわこに復讐すると。



 ◆



「………………」

裏見うらみさん、また怖い顔してますよ?」


 私がスッポンのスープの調理中に包丁を見つめていると、私と同じく平菱ひらびし家で使用人として働いている世桂菜琴よけいなことに話しかけられた。


「……あっ! さてはまた悪いこと考えているんですね! ダメですよ復讐なんて!」


 私が怪しい行動を繰り返していたせいもあって、彼女には私が復讐のためにこの屋敷に潜り込んでいることがバレている。


「私は許さない。絶対にあの女に目にもの見せてやる」

登和子とわこ様に変なことしないでくださいね? 母親を失ったら、きっとイアナお嬢様が悲しみます。ばかなことはやめましょう」

「あの女がどうなったところで、お嬢様は絶対に悲しまないわよ」

「もーなんてこと言うんですか! 親を愛していない子どもなんていませんよ!」

「どうだか。……とにかく、私のやることは変わらないわ」

「……どうなっても知りませんよ?」



 ◆



 ただ殺すだけじゃ、私の気が晴れない。もっと屈辱を味わわせないと。


 私は、復讐の方法を模索していた。


 お嬢様の部屋を掃除していた、そんなある日。私は偶然「それ」を見つけた。お嬢様の「日記」だ。

 そこには、お嬢様の恋仲の存在が記されていた。復讐の手段に、これを利用しない手は無い。


「……イアナお嬢様の恋人、ねぇ…………」


 私は、読んでいた日記帳を元通りクローゼットの奥へ戻した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ