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お嬢様、大丈夫でございますよ。  作者: キテレツ3951
おばあさまのお話
9/10

プロローグ9

敵の本拠地だと思っていたものが実は拠点の1つに過ぎなかったことを知りましたが、レイナは諦めませんでした。

そんなレイナの心に触発されるように仲間たちもその心を折ることはありませんでした。


壁の向こう側の真の魔界とも言える魔王城を目指して旅を続けたのです。


真の魔界は人界にあった魔族拠点とは比べ物にならないほどの危険を伴いました。


しかし勇者一行はその旅を諦めませんでした。


心が折れそうなことがあっても全員が力を合わせて魔王城を目指したのです。


あらゆる困難を乗り越えてついに勇者一行は魔王城に到達しました。


勇者一行は命がけで魔王城を攻略していき、

ついに魔王のいる最奥部の部屋に到達しました。


魔王は玉座に座って勇者一行が現れるのを待っていました。


魔王は勇者に取引を提案しました。


それは、いっしょに全世界を支配しようというものでした。


レイナはこれをすぐに断りました。


魔王はレイナが断るのを知っていたのか全然残念そうに見えない様子で肩を落としました。


ここで長かった勇者一行の旅の最後。


魔王と勇者一行の戦闘が始まったのです。


魔王の力は凄まじく、勇者一行は倒れていきました。


仲間が倒れようとも勇者一行は誰一人として諦めませんでした。


心が折れそうな時は励まし合い、今までの旅の苦難、そして苦しんでいた人々が苦しみから解放されることを願いながら仲間に希望を託して倒れていきました。


レイナが魔王にとどめを刺して魔王を倒した時には、勇者一行で残っていたのはレイナだけでした。


こうして勇者による魔王討伐は多くの犠牲、特にメインメンバーはレイナ以外が全滅という形で勝利をつかんだのでした。


レイナは泣きました。


長かった旅の結果が勝利で終わったことの喜び、そしてその犠牲が旅の仲間たちが全員死んでしまったことの悲しみに。


レイナはこの勝利を犠牲になっていった仲間たちに捧げ、人界に帰って行くのでした。


魔王が倒れたことによって統率が乱れ、帰りはいきほど苦しむことなく国に帰ることができました。


ーーーーーーーーー


人界に帰ったレイナを待っていたのは国全体での喜びの迎えでした。


国民はみんな、人類の勝利を喜び、勇者の帰国を心待ちにしていたのです。


勇者が勝った喜びはそのまま数日間の国全体での祭りという形で現れました。


国全体が喜びの中にいる間中もレイナの心は晴れやかとはいえませんでした。


それほどまでに長い間苦楽を共にした仲間たちの全滅はレイナの心に深いダメージを与えたのです。


レイナは祭りの間部屋にこもっていました。


レイナの頭の中には仲間たちとの思い出が走馬灯のように頭の中をかけていきました。

笑いあい、時には反発したりして固く結ばれた絆の思い出がどうしようもなく溢れました。


レイナの思いとは裏腹に祭りは盛り上がり、国は明るくなりました。


祭りが終わると今度はレイナに貴族位が送られることになりました。


魔王を倒した栄誉からレイナに魔王討伐を倒した国の国王から「ブレイブ」の名字と領地、そして特別な爵位をもらいました。


こうして勇者レイナは、貴族レイナ・ブレイブになりました。


その時もレイナの心は晴れませんでした。


レイナの知らないところで、

人界は魔界を領土支配しようとしていました。


魔王のいなくなった魔界ならば可能と考えたからです。


それはすぐに実行に移されました。


魔王を倒され、幹部たちもほとんど倒された魔界では人界の戦力に勝つことはできず、人界は魔界をすぐに制圧しました。


この人間側が圧勝した戦いは第二次人魔大戦と呼ばれました。


今回の第二次人魔大戦では前回とは逆に人間側が魔族側に不平等な条約を押し付けました。


魔界に連れていかれた人間の奴隷たちをすぐに取り返し、今度は魔族から奴隷を連れてきました。


今回のことで人類が魔族の上に立ったことに人界はまた沸き立ちました。


レイナはその光景をがっかりとして気持ちで見ていました。


自分たちは虐げられている人類を救済するために戦ったのに、今度は人類が魔族を虐げている。


レイナは自分たちが行った魔王討伐が正しかったことなのか疑問を持つようになりました。



多分あと1話

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